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えー、ロボ話、ばかりがよこっちではない、という話です。
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第五十一話
いろいろと問い合わせが凄い事になったけど、今回のマイルド機体の仕様書を細かく返信したら黙った。
完全に建設機械としての性能だしね。
ただ、中華な国から「わが国の文化を勝手に披露した」という抗議が大使館経由できた。
まぁ、騒がれたくなければ技術をただでよこせ、という話らしい。
もしくは、合弁でコメリカ国内に企業を作らせろ、と。
もちろん、正面から、抗議を入れてきた大使館局員だの発信もとの政治家の名前も含めてネット経由で返答しました、はい。
常識知らずだと騒がれたけど、大使館事務次官だの政治家がすごい勢いで入れ替わったので、国の方針ではなく独断だったんだというアピールだと受け取ることにした。
が、一応「拳法」は国の文化であるという主張は別ルートから来たので、一応正面から答えた。
「おれのは老師から習ったんすけど?」
勿論、沈黙。
なにせ、あの猿神師匠から習ったというのならば、すべての拳法とは兄弟みたいな関係だ。文化流出とかいえるわけが無い。
以降、正式な外交ルートでの技術「強要」はなくなったんだけれども、模倣技術が活性化して、劣化人型建設機械が死ぬほど作られた。
下手な鉄砲で作り上げて、使えそうな技術を特許うにして、被った部分を特許侵害だとか訴えるつもりなんだろう。とはいえ、既に一応使えそうな部分は特許とっているので、逆に何れ脅迫できるだろう。
そのへんすら無視する国なので、本当は関わらないのが一番なんだけど。
で。
人型建設機械の問い合わせがゼロになったかというとそうじゃない。
各種建設メーカーや重工業企業が開発協力を申し入れてきた。
とりわけ戦車屋と軍艦屋が熱心だ。
そんななか、国際企業が名乗りを上げてきた。
その名も「アシュラ エンタープライズ」。
担当は「内海」という男。
というか、リチャード=王じゃん。
「いやー、実にすばらしいですな、あの『Type-0』は!」
つまり、彼の出自企業は関係者だということになる。
つうか、カオスとうちと「あいつ」しか知らないし、Type-0。
「・・・あれ、大々的に売りません?」
まぁ、彼の目的はType-0以上のおもちゃを作って対戦させたいんだろうけど。
売るという行為については忌避感は無いけど、実際のところ、あれを量産するのは難しい。
あのパーツ群を作るだけで、某大阪の小工場組合が数年分の収益を上げたぐらいだし。
とはいえ、あのへんの職人技術が無いと作れないというのもなんとも。
やっぱり部品の精度というのは人間が支えているんだと思う。
コネを作ってくれた「夏子」に感謝!
で、オカルトパーツの製作になれた工場組合の方々に、実はファンネルやGシリーズの部品発注もし始めている。
単価は上がったけど、不良率が二桁落ちた事を考えれば絶対に得だ。
やっぱり信用できる部品というものは、物作りにおいて必須の環境だろう。
つうわけで、
「内海さんとやら。一応言っとくけど、ワンオフのType-0は売れないぜ?」
「いえいえ、運用システムや製作のノウハウを売りたいなーと」
なるほど、製作チームを売って、兵器製作傭兵ってわけか。
「とりあえず、俺らGSな?」
え? と言う顔の内海さんとその場で別れた。
もちろん「あいつ」に携帯電話で厳重抗議をしたんだけど、スルーされた上に新しい人型建設機の設計の話まで始めやがったので、着信拒否にしてやった。
しばらく絶縁でござる。
真面目な話、六道婦人からの問い合わせは毎日のようにある。
これは無茶振りじゃなくて、事務的な話が多い。
が、今回は違っていた。
「横島く〜ん、あのインコムの話をきかせてぇ〜」
そう、変更型ファンネル「有線ファンネル」、通称「インコム」発売についての説明だった。
実際のところ、普通の霊能者であればファンネルで事足りる、はずだった。
が、発売元に抗議が幾つか入ってきたのだ。
口調や詳細を避けるなら、こんな一言に尽きる。
「何で俺たちにファンネルが使えないんだ?」
単純に使い方を把握していなかった場合がほとんどだけど、霊力の放出に向いていない人間には使えないことがこのての抗議でわかった。
判ったんだけど、なんで霊力が放出できないのにファンネル買うの?
霊力の放出は霊能者の基礎。
それが横島たちの認識だったが、海外ではそうでもなかったのだ。
伝承武器や継承霊具を使っているだけの霊能者が多数いて、彼らがオカルトGメンに参加していることが多いのだという。
つまり、霊能者ではないけれど、オカルト関係者だというわけだ。
初めは相手にしない販売先のつもりだったんだけど、ケイがファンネルに霊糸を通して霊力を通しているのを見て思いついた。
思いついてしまった。
それが有線ファンネル、インコムの開発のきっかけだった。
霊具を自分の霊能で使っているということは、直接触れれば霊能を発揮できるということだ。
つまり、霊気の発揮を霊糸で出来れば、より効率的な伝達が出来るようになる。
そんなわけで、霊気がある一般人にいろいろと試してもらったところ、外部からの妨害や干渉も防げることもわかり、一応の成果といってもいい形になった。
で、ファンネルの供給先へ試験使用を依頼したところ、爆発的な好評が集まってきており、早々に販売への期待が集まっていた。
インコムの特徴である霊糸は、実はかなり限定的なもので、大量生産が出来ない。
なにしろ、あの「織姫」が作っているものだからだ。
初めの交渉で登山したときにさまざまな欲望を打ち明けられたのだが、何回かの交渉でその欲望が収まったらしく、霊糸供給について了解をしてもらえるようになった。
代わりといっては何だが、代替わり人員やらなにやらの手配まで請け負わされたのはご愛嬌だろう。
というわけで、本日の六道婦人の電話は、インコムの話、というよりも、時期織姫候補の話だろう。
少なくとも、織姫になれる霊力保持者は少ないし、選考先が六道学院なのは仕方ない話だと思う。
「この霊糸に〜呪術を織り込む〜技術なんだけどぉ〜」
「ああ、六道で特許を抑えてください」
「いいの〜?」
「俺じゃ管理できませんから」
実際、織姫から供給された霊糸だけで事足りる話だったんだけど、これに呪術を組み込むことで、霊糸自体に攻撃力を持たせたり結界能力を持たせたり出来るこ とが判っているので、いろいろと試したんだけど、それがかなり凶悪になってしまい、裏にも表にも顔が利く六道に預けてしまった。
めんどくさい管理技術は六道へ、というのが最近の俺の流れかもしれない。
「もう、横島君は六道をどうしたいのかしら〜?」
電話の向こうでクネクネしているのがよくわかる感じだった。
仕事っぽい話をしばらくした後、六道婦人は今、思いついたかのように言う。
「あ〜、そうそう〜、横島君〜。今週のコマから中等部もおねがいね〜」
「へ?」
「インコムの操作は〜、霊力が乏しい中等部でも出来るから〜」
・・・雪乃丞に振ろう、心底そう思った俺。
「タマモちゃんもシロちゃんも楽しみにしてるから〜、逃げちゃ駄目よ〜?」
だめだった、無駄だった。
さすがに可愛い妹の名前を出されては逃げ場が無いことを悟る。
がっくりとしつつ、契約変更で美神さんにがっぷりと組んでもらうとしよう。
「というわけで、いつ来るの?」
「来週の二コマ目からかなぁ?」
お兄ちゃんの作ったきつねうどんを私とシロ姉ぇと一緒にすすりながら。
「先生! 拙者は今から楽しみでござる!!」
「つうか、おめぇ、ファンネルもインコムも現場で使ってるだろうが」
そう、シロ姉ぇも私も、現場で既に実用している。
とはいえ、私たちの授業参加は生徒としてではなくて助手。
一応熟練者として、だそうだ。
「・・・という話を理事長からされてるわ」
「拙者のインコムブレードの冴えを自慢できる出ござる!」
ファンネルは自動攻撃衛星なんて呼び名があるように「自動」なものだけど、インコムはどちらかというと「リモコン」だと思う。
細かな意思が糸を通して伝わるので、本当に制御しやすい。
で、霊糸にも霊力が込められるので応用性も高い。
シロ姉ぇは、これを霊力の刃として切り裂きに使っていたりもする。
実に凶悪。
お兄ちゃんは、二つのインコムで悪霊を囲って、浄化結界なんかを作るんだけど、その瞬間になぜか「バシシ」という力ない呪文を唱えている。
意味不明だけど、なんか気になる。
まぁ、それはそれとして、この浄化結界、実はかなり少ない霊力で実現できるんだけど、威力はでかい。
それこそ大型魔方陣で作った結界並みに威力があるのに、作るのはすぐ、効果もすぐ、威力も極大、で、霊力が破魔札なみというわけで、きわめて反則だった。
実験段階で既に陰陽寮から厳重抗議がきていたんだけど、六道経由でインコム製作に必要な霊具部品を陰陽寮に発注する計画を聞いて、ぜひとも進めましょうとかいう推進派に切り替わったのはご愛嬌かな?
美神さんも損耗が無い良具だと絶賛で、おキヌちゃんにも練習させている。
主力はネクロマンサーの笛。
防御兼反撃がファンネル。
強制浄化がインコム。
笛はどこでも持てるものじゃないけど、ファンネルとインコムならGS協会やオカルトGメン経由で手に入る。この二つが強力すぎる気がするのは気のせいかな?
最近、美神さんも神通棍使ってないし・・・。
なんかいやな予感がするなぁ。
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しむら、うしろうしろ、ですねw
内海君は、芦田陣営にはいりましたw
今後、手を変え品を変え接触してきては「ロボ」をつくらせようとしつつ、自分でも作ります。
まさに、あのひとっぽいかんじで。
警備部の老人は、夢見た世界の実現に感動している関係上、自分のコネで横島を知っています。
テレサの構造解析から自分で5m級のを作っていますが、満足していない、という感じです。
以後、必ず絡みますので、お楽しみにw
2012/04/06 OTR移転版+小修正
文字数は4,080文字