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第三十七話

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momonoki様の感想からアイデアを頂きました。
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第三十七話

 

 

 二度と帰ることはないだろうと思っていた母国に帰ってきた二人は拳を打ち合わせた。


「いくでござるよ?」「負けないでござるよ?」


 二人はにこやかに微笑んで目的地に向かった。
 一人は東、一人は西。
 各(おのおの)の最初の本拠地へ向かうために。
 彼らの背中には「GSクロウサービス」と書かれていて、さらには違う書体でこう追記されていた。
 西にゆく男の背中には「コメリカン」
 東にゆく男の背中には「合衆国」
 どんな差があるかはわからなかったが、物々しさは伝わった。

 

 

 

 西海岸のGSに大きな衝撃が広がった。
 かの有名GSが新しい会社を興したというのだ。


 その名も「GSクロウサービス」
 非常に手広く、非常に素早く。
 その反応の早さはピザデリバリーのようだという。
 加えて徹底的なダンピング価格。
 あきらかに業界暗黙の了解を大きく破る内容だったため、幾人ものGSが抗議にやってきたが、帰りは夢見心地で帰っていった。
 そして数日のウチにその会社に参加する書類を持ち込んで、企業が持つ研修センターにスキップで向かった。
 彼らをそこまで引きつけるものは何か?
 それは主要装備にあっただろう。


 攻撃自動衛生「ファンネル」
 改良型神通棍「ライ○セイバー」
 そして防護呪術衣。


 それは明らかに「ジェダ○」であった。
 コメリカ男子だった彼らにとっての憧れの装備であった。
 誰もが映画館に通いつめ、だれもがその格好を試したといって過言ではない「それ」を現実の実用の装備として扱う仕事。
 給料が安い? 仕事がきつい?
 当たり前なのだ、なにしろ「ジェ○イ」なんだから!!


 そんな格好で活躍する彼らを見て、心から共感した元少年たちも、雪崩をうって参加を表明する。
 そう、純粋な正義の味方。
 胸を張ってそういえる存在に、自分はなれるんだ、と。

 

 

 

 

 


 実は衝撃が走ったのは西海岸ばかりじゃなかった。
 東側、NYでも衝撃があった。
 こちらでも開設されたGSクロウサービスであったが、こっちはこっちで主要装備がやばかった。


 攻撃自動衛生「ファンネル」
 劣化精霊石マシンガン「ビームガン」
 そして精霊石式強化服「G3」


 準備された強化服はいくつかの種類があり、指揮官は黒、通常職員は白になっていた。
 外見も通常の「G3」ではなく、明らかに改造が加わっている。
 それも、ある種の人間に好ましい形で。


 そんな騒ぎのNYを、指揮官モデルが闊歩する。
 で、そんな指揮官モデルを目をきらきらさせて追ってくる「元少年」たち。
 ずいぶんと濁ったハメルンの笛吹男であった。


 指揮官モデルが歩いていった先にあったビルには綺麗な看板があった。


「GSクロウサービス・合衆国」


 絶対に「帝国」だと頑なに信じる男たち。


「さて諸君、この国のオカルトの扱いに不満はないかね?」


 指揮官モデルの言うことに同調したのは何人か。


「私は大いに不満でね。しかし、人の意識というものは早々に変わらない。そこで我々「GSクロウサービス・帝国、いや合衆国」は・・・」


 絶対にわざとだ、わざと間違えたんだ。
 誰もが確信していた。


「・・・以上からオカルトの地位向上と霊的な防衛を目指し、地域制圧、ではなく地域安全をめざしている」


 やばい、制圧の方が似合う格好だ。
 誰もが魂を引かれていた。


「そんなGSクロウサービスに参加してくれる勇者を求めている。我らとともに戦ってくれるものたちを」


 熱に浮かされた男たちは、雪崩をうって参加していった。
 指揮官モデルの部下になれる、ヒャッホーと。

 

 

 

 

 

 東西に分かれて開かれた「GSクロウサービス支店」は、コメリカ中央部に向けて猛烈な勢いで出店ラッシュを始めた。
 町の警察施設よりも多いという勢いで。
 もちろん、出店前には地域住民との会合が開かれるが、反対意見はほとんどなかった。
 何しろ、コメリカの新たなSF神話ともいえる「映画」が元ネタの格好だし、更に言えば、企業資本が映画監督と組んでリメイク版の制作までしているという。
 巨大なお遊びの中にいるような感じさえ覚えるが、実際のところ、急落した経済へのカンフルになると言うことで、どの町でも受け入れられていった。


 受け入れられる要因の一つとして、GSクロウサービスが事務所出店する際は、必ず地元建設業者に依頼する形でビルを新設するからだという話がある。
 通常の事務装備やクリーニングサービス、そして衣食に関しても地元からの供給に依存する形が基本になっている。
 もちろん、供給量が村の総量を下回る地域には支店が逆に供給販売元請けとして機能し、地元商店に品物を卸すことすらしている。
 地域にあった地域活性化を行う、コメリカの正義を体現したかのような企業姿勢は、大いに評価されていたが、アナリストは酷く批判的だった。
 なにいろ「GSクロウサービス」、どう計算しても全く利益がでない料金体系なのだ。
 精密な計算をしても、楽観的な計算をしても、どうしても年間利益が二千万ドルほど赤字になる計算なのだ。
 そんな企業が運営してゆけるはずがない、と唾を飛ばして拳を握りしめた。
 企業追求番組でも大批判であったが、東西の支社長たちはにこやかに笑っていった。


「我々が行っているのは企業活動の形態をしているだけで、実施には違うでござる」
「利益がないからといってサービス低下がないのはご存じの通りでござる」
「ならば、なにをもって駆り立てられているのか?」
「簡単でござるよ。情熱を燃料に、純粋さを個性に、童心を柱に、でござる」


 そんな二人にキャスターは意地悪そうな顔で聞く。


「SWごっこで遊んでいる大人を、こどもはどうみているでしょうね?」と。


 が、二人は笑顔のままであった。


「ペーパームーンも、手に取らなければ本物でござるよ?」
「格好と心、そして実際の行いまでが全部本物のなのに、ごっこと笑うのでござるか?」


 笑顔であったにも関わらず、キャスターはその場で失神したという。
 本来であれば、激昂する二人からいろいろと意地悪な内容を引き出すはずであったキャスターであったが、失神という失態で番組から降板されることになった。
 そして二人の支社長は、胸くその悪い司会者へ一撃を加えたということで、同じような目に遭わされた新進気鋭の企業オーナーたちからの称賛を受けることになったのであった。

 

 

 

 

 

 そんな報告を、俺は芦田ん家で聞いていた。
 笹倉さんからの転送電話で、コメリカで偽侍が大暴れしているとの話だった。
 赤字もガンガン増えている代わりに、オカルト業への不審もガンガン落ちているそうだ。
 ま、いいかんじで頑張ってくれればいいさ。


「ヨコシマ、忙しいのにごめんね?」
「ええって、ルシオラ。こういうのって電話だとうまく説明できねーし」 


 パピリオ用のヨコシマンスーツの研究開発が行き詰まったという話だったので、遊びに来たついでに相談に乗っていた。
 最近、でっかい話が多すぎて、こういう心休まる話が少ないのが困る。


「・・・ふぅーん、カードスラッシュ、ね」
「実際は自分のやりたいことを意図的にカードを引くときに情報転写するんだけど、あたかも自分の意志でカードフォルダーから任意のカードが引けたように見えるつう感じで・・・」
「あ、それ面白いわね。相手にも結構な絶望感が味あわされるだろうし」
「そうそう、でな・・・」


 ルシオラと、こんな安らかな時間を過ごせるという時点で、俺は幸せなんだろうと思う。
 たとえ、俺の胸の内にいる彼女とは違う存在だとしても。
 どこかでつながっている、そんな気がしていた。


「あ、じゃぁ、こんな感じはどうかしら?」


 携帯電話を模した変身システム。
 番号入力で展開される必殺技。
 オプションパーツの追加。
 そして支援システム。
 やべ、格好いい!


「いいな、いいなこれ!」
「でしょでしょ!!」


 思わず盛り上がる俺らの後ろで、パピリオは胸を張る。


「もちろん、一号機にはパピが乗るでちゅ」
「「え?」」


 一号機? 乗る? 着るんじゃなくて?


「だってこれ、絶対全高14mぐらいあるでちゅよ?」
「「・・・あ」」


 いつのまにか、ライ○ーがガンダ○になっていた。
 おかしいなぁ?
 でも作れそうなのが恐ろしい。


「ヨコシマ、ちょっと作ってみない?」
「・・・興味あるなぁ・・・」


 ガン○ムは無理でも、レイバ○は行けそうだもんなぁ・・・・・。


「でもこれ、GSの仕事ちゃうよな?」
「テレサシリーズ売ってる時点で、GSじゃないでしょ?」
「そうやなぁ、そうかもしれんなぁ・・・」


 なんとなくだけど、近いうちに作ってしまう気がする俺だった。
 大阪の下町あたりで起業するかなぁ?

 

 

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GSクロウサービス=GSカラスサービス>GS唐巣サービス、とこんなかんじです。
勿論、「GS苦労サービス」なんて言霊も仕込まれていますw


東京生活の長い横島ですが、魂の属性は関西人です。
大阪を盛り上げるという気持ちに嘘はありません。
・・・夏子フラグか?w

2012/04/06 OTR移転版+小修正

 

文字数は3,670文字