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第三十六話

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偽者様の感想ご指摘を組み込みました。
直接的な返信は今中止していますが、作品で細々と反映させていただきたいと思います。


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第三十六話

 


「おとーさーん、おかーさーーん」
「「タマモーーーー!」」


 中東某国の国際空港で、片や日本便、片やロンドン便の乗客が合流した。
 どうやら両親は、早く移動したくて何故かロンドン経由できたとか。


 詳細不明。


 まるでコメリカのホームドラマのようにタマモを抱き上げてくるくる回る親父とその隣でほほえむお袋。
 やべぇ、絶対にイメージ戦略決め手やがる。
 つうわけで、俺も参加。


「お袋、お久しぶり」
「息子、久しぶりね」


 にこやかな笑みで俺とお袋が握手すると、何故かすごい勢いでフラッシュが焚かれた。
 なんじゃらほい、と周囲をみてみると、髭面の男性がにこやかな笑みで握手を求めてきた。
 どこかでみたことある感じのコメリカ人。
 だれだったかな?


「タダオ・ヨコシマ! 今度僕の映画のスポンサーになってくれるそうじゃないか! 任せてくれたまえ、最高のリメイクにしてみせるよ!!」


 だ、だれやー!


「ははは、ジョージ。息子が困ってる。君は有名女優でも有名歌手でもないんだ。名前と顔ぐらい売っておいておいた方がいいんじゃないかな?」


 タマモをおろした親父が、コメリカ人男性の肩をたたく。
 ・・・ん? ジョージってまさか・・・


「ああ、すまんすまん、初めまして、タダオ。僕はジョージ・○ーカス。君のお父さんの紹介で、是非とも着手したかった映画のリメイクを手がけられることになったんだ!!」


 ・・・まさか、星間戦争のあれっすか?


「そうそう、あれだよ! そこでお願いがあるんだがね。あの、君のG3だっけ?使わせてもらえないかなぁ?」


 ・・・・おふくろ。


「ん? ああ、おまえの起業計画の情報があってね、ジョージに話したら、じゃぁ初仕事はウチに派遣してもらおうって話だよ?」


 ・・・・・


「ああ、肖像権? 著作権? 任せてくれ、契約書に盛り込んでみせるから」


 なんだろう、俺の周りには優秀な人ばかりで軽々しい冗談が言えません。


「ところで、君の妹さん、女優業に興味ないかな?」
「がーーーー! ショービジネスなんていう世界にかわいい妹を流せるかぁ!!」

 

 

 


 コメリカ嫌いな方々も、映画は別らしくて監督は歓迎されていた。
 加えて「今度の新作は、彼がスポンサーだ!」と声を高らかに発表しやがったもんだから、地元記者が盛り上がりまくりやがった。
 何とも迷惑な話だ。


 とはいえ、密かに「あ、やべ、著作権交渉どうすっかなー」と考えていた外見改造型G3の件は一気に解決してしまい、逆に監督からアクションシーンへのオファーが来てしまったぐらいだった。
 そんな目くらましが効いてか、対コメリカ経済戦争勝利者的なクローズアップはされておらず、超助かった。


 が、国王・王族関係者のみのレセプションとなると話が変わる。
 向こうさんはすでに話したい内容が決まっているし、要求する内容も差し出す内容も決まっている。
 まぁ、外交なんてそんなものだ。
 で、要求の一端はたぶん合弁会社の設立だろうな。
 未だ混乱するコメリカ経済を裏から牛耳ればウハウハというのが王権族の考えそうなこと。
 どこまでも封建社会。


 そんな風に思っている俺がいました。
 が、現実はもう少し斜め上だった。

 

 

 

 

 

 


「はぁ? 嫁?」
「そうです、あなたの嫁もしくは側室に我が妹を差し出したい。かわりにあなたの妹を私の息子の第一夫人にほしい」


 瞬間、真っ赤になった忠夫だったが、どうにか自制した。


「見ず知らずの存在と婚姻した上に、最愛の妹をとられる。私にとって呑みかねる話だ」


 そういい放って席を立った忠夫に、数十本の剣が向けられた。
 もちろん、そんなものに怯む息子じゃない。


「やめぬか!!」


 一括されて剣を向けていた男たちは武器を納める。


「・・・今度は中東が俺を敵宣言するんすか?」
「い、いや!! そんなことはない。ただ、もう少し冷静に考えてほしい。我々と縁を結ぶことは・・・」
「損得で妹を売りに出せ? 輸出品目に妹の欄はないですよ?」
「現在の家長であるソナタが言えば、妹君も従うだろう」
「前提条件が違いますよ。あなたは妹交換がしたい。俺はしたくない。基本合意がないのに何故進める? 俺をバカにしているのか?」


 徐々に顔がこわばってくる忠夫に向かって、視線を向けていたムッセーラ王子が、助けを求めるようにこちらを見始めた。
 が、そんな話は全く受けてないので、速攻却下。


「・・・もしかすると、私の勘違いでなければ、あなたは私たちの味方になってくれないのですかな?」


 実に婉曲な表現だが、これにイエスといえば、自ら敵宣言をしたようなものだ。


「何かの要請があれば、条件次第で手を貸すこともあります。しかし、親戚だからだとか娘婿だからだとか、そんな血族の力で首輪をかけようとしている老人たちの計略には興味ありません」


 ぱちっ、と言い切った忠夫を、王子は眩しいものを見るように目を細めた。


「タダオ・ヨコシマGS。私はあなたに大変失礼な申し入れをしていたのですな」
「それに気づいていただいたなら、まずは握手から始めましょう」


 二人の握手。
 それは意図された関係ではないが、それ以上の関係が結ばれた瞬間であったと関係者は語る。


「・・・とまぁ、堅い話は別にして、本当に妹さんを第一夫人に、というわけにはいきませんかな?」
「あんたなぁ」
「いやいや、そうではなくてですな、年の頃といい、麗しい見た目といい、王族にふさわしい方ですからなぁ・・・」


 ・・そりゃ、傾国傾城だからねぇ。
 ところで、バカ旦那。
 そばにいた娘っこのケツ撫でてたのは見えてたからね、覚悟「死(し)」な。

 

 

 

 

 

 

 まったく、横島君はむちゃくちゃだわ。


 学校をさぼらせて中東までつれてきて、挙げ句の果てには王族の方々の相手しろ?
 私はただの妖怪、机妖怪、九十九神、なんの力もないのに!!


 そんな風に思っていても、横島君が「頼む」とか言うと聞いてしまう。
 はぁ、なんだかうまく扱われてる気がするなぁ。


「愛子ちゃ〜ん、すねないでね〜」


 六道夫人が王族夫人たちといろいろと話を進めている間、私は王族の子供たちを自分の中の校舎に案内したり、校舎内の視聴覚室で勉強させたりしていました。
 はじめは驚いていた子供たちも、駆け回ったり笑いあったりして楽しんでいます。


「ミス愛子。きみはすばらしい能力者だね」


 一人の少年が、にこやかな笑みで話しかけてきました。
 少女たちも口々にほめてくれますが、悪い気はしませんでした。


「どうだろう、僕と婚約しないか?」
「ずるい、僕こそふさわしい!」


 なんだかモテ期が来たみたいですが、相手は子供、スルーしないと国際問題ですもの。
 やばいやばい。


「あのね、私の本性は、古い机。子供も産めないの。ごめんね」


 私のせりふに涙いっぱいの女の子たちが集まってきました。


「兄様たちは最低です!!」「女性にこんな事を言わせるなんて!!」「女性を娶る資格ありません!!」


 ふるぼっこ。
 いやぁ、なんというか、台詞間違えたかしら?


 このあと、王族の女子部がみんなで集まって私を守るようにしてくれたのが更に嬉しかった。
 少年たちよ、女子を怒らせちゃダメだよ?

 

 

 

 

 

 


 とりあえず、表向きの交流はうまくいった。
 何しろ愛子、王族の子供に大人気で、是非とも姉になってくださいとか縋りつかれてる。
 その扱いもなれたものらしく、にこやかに対応していた。
 クラスのみんなにもお土産を買ったみたいだけど、愛子空間に放り込んで免税つうのはどうかと思うぞ?


「ふふふ、特技よ特技」


 まぁいいけど。


 そういえばコメリカ国内の起業許可も速攻できたらしいし、向こうのトップになる人間を選定するかな?

 

 

 
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というわけで、同行怪異は「愛子」でした。
全く意外性はないですが、逆にありがちかなぁ、とか思います。

愛子空間税関ですが、じつは持ち込み荷物の重量軽減に協力したということで、王族からの免除許可が出ています。
だから違法ではないのですが、横島君は知りませんw


2012/04/06 OTR移転版+小修正

 

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