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第三十四話

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第三十四話コメリカ事件決着

 

 

 湯上さんからの電話。
 コメリカ駐日大使から今回の騒動の釈明と謝意の面会がしたいという話がきたそうだ。
 一個人へという形だと格好が付かないので、GS協会とオカルトGメンがその窓口になるそうだけど、実際は個人面談だそうだ。
 で、謝罪はいいし、釈明もいい。
 そんな話はいいんだけど、実際の所・・・


「まだ敵なんですかねぇ?」
「さぁ?」


 笑いを含んだやりとりの俺と湯上さん。
 一応話として受ける方向で進めることにして、俺は俺で枯らす神父に渡りを付けてみると、乾いた笑いで受け止められた。
 なんと、手持ちの運用資金が高騰しすぎてインサイダー取引を疑われたそうだ。
 ・・・正直すんません。


「・・・まぁいいよ、横島君。で、この電話の用件は、あれだろ?」
「ええ、まぁ」
「実はね、横島君個人宛で駐日大使以外の線からも面会を求められているんだよ」
「だれっすか?」
「この前のコメリカ内乱で軍と国民群衆双方のトップになったシュタイナー中佐とハインデールGSだ」


 不意に、あのG3とGSの正面対局を思い出す。
 あの二人がなにを語り合ったかは、実の所伝わっていない。
 現場にいた人間の多くも全く教えてくれないそうだ。


 かなり気になるなぁ。


「じゃ、GS協会の応接間を借りていいっすか?」
「いいが、うちの広報が絡むと思うよ?」


 それはめんどくさいな・・・
 じゃぁ、美神さんに事務所の応接間を借りよう。
 ま、あそこなら盗聴も盗撮もできないし。


「つうわけで、美神さんの事務所で、ということでいいっすか?」
「わかった、その方向で調整しておこう」


 そんなわけで、美神さんには事後承諾だが、今回の裏側にも触れられるという事で納得してもらった。


「まったく、うちの従業員は勝手に大事を持ってくるわね」
「まぁまぁ、この騒ぎで資産を何倍にできたかはしりませんが、歴史の裏側ってのも嫌いじゃないでしょ?」
「・・・まぁ、そのことには感謝してるわよ? ふふふふふ」


 あ、何倍じゃねぇな。
 何十倍だ?
 こえー・・・・・。


「で、おにいちゃん、私たちも聞いていいの?」
「せ、拙者も歴史の生き証人になりたいでござる」
「・・・えーっと、私もいていいですよねぇ?」


 タマシロに加えておキヌちゃんまで少し弱気。
 仕方ないけどね。


「もちろん、いいっすよね?」
「ええ。ただ、また襲撃とかあったらイヤだから、結界は万全にね」
「「「はい、了解」」」

 

 

 

 

 

 そんなわけで、正式な会合にはGS協会とオカルトGメンが伴った形で行われ、正式な記者会見では駐日大使と唐巣神父によって発表が行われた。
 で、そのバックボーンで美神事務所へ二人のコメリカ人がやってきていた。
 方や、コメリカのトップGS。
 方や、コメリカ軍の精鋭兵。
 そんな二人が、


 うつくしい土下座をしていた。


「「ぜひとも、ぜひとも、我々をジェダ○にしてください!!」」


 曰く、二人は病的なスターウ○ーズのファンであり、自動攻撃衛星が日本から発売されたと聞いて、あらゆるコネを使って自分で買ったそうだ。
 加えて「Gシリーズ」は、絶対に帝国兵バージョンが出るに違いないと妄想したそうで、出なければ自分でカスタマイズするしかないとまで自らを追いつめていたそうだ。
 そんな最中、この夢のスターウ○ーズセットを開発したGSが、自らの霊力でライ○セイバーを使っている事実を突き止めた二人。
 絶対に、絶対に弟子入りしてジェダ○になってみせるとまで思った次の瞬間、国から「コメリカの敵」と表明されてしまったのだ。
 呆然とする二人の目の前で展開する最悪のシナリオ。
 明らかに自らの夢を飲み込もうとする世界に絶望しつつ、周りに流されるままにいた二人が出会った。


 達人は達人を知るという。
 二人もまた、趣味の分野での達人であるとお互いを認めあった。
 そして二人の意志は固まる。


「この手にライ○セイバーを手に入れるため、現行政府を打ち倒す!」と。


 つまり、この二人の土下座は、今までの生きざまの中で趣旨一貫している行動なのだが、明らかに周囲からは浮いていた。


「ま、まぁ、とにかく。まずは座ってください」
「「いえ、いいえ! うんと言っていただくまでは!!」」


 本気で困った横島は、そばにいたシロをみてニヤリと笑う。


「俺の霊能は特殊なので教えることはできませんが、種族でその力を高めいている怪異がいます。それなら紹介できますよ?」


 がばりと身を起こす二人。


「「そ、その種族は!?」」
「人狼。フェンリルの末裔です」
「「・・・!!」」


 その名に聞き覚えがあってか、二人は身を固めた。


「闇を背負い、そして世界をかみ砕くほどの力を持ちながらも光にいきる彼らをみれば、暗黒面とは無縁でいられるでしょう」
「「おおおおおお」」


 涙で俺の両手をとる二人へ、人狼の里への地図と大量のドッグフードを土産に持たせ、送り出したのだが、あんまりな会見内容にため息しか出てこなかった。


「事実は小説より奇なりっていうけど、本気で呆れたわね」
「さすがにウチの里を紹介するっていうのはどうかと思うのでござるよ?」
「いやー、シロねぇ。多分絶妙な妙手だと思うわ」
「どういうこと、タマモちゃん?」
「だって、クリスチャンの二人が趣味のために人狼に頭を下げにいったのよ? わりと事件になりそうでそのまま通ればコメリカ社会の柔軟性があがるんじゃない?」
「そんなこと考えとらんかったけどなぁ」


 まぁ、一応、美神さんも妙手という見解に賛成だそうだ。
 俺的には、向こうのGSにも怪異と仲良くなって欲しいかなぁという気持ちだっただけなんだけどね。

 

 

 

 


 数ヶ月後、人狼の里から帰ってきた二人のコメリカ人は、見るも無惨な「インチキ日本人(江戸版)」になって帰ってきていた。
 霊波刀を完全に使えるようになっていたが、スターウ○ーズマニアの見る影もなく、自称「真の武士」になってしまっていた。


 正直すまんかった。
 帰化申請をしたいって言うなら、こっちで事務手続きしておくからな。


「なんと、さすが横島殿。実にありがたい」
「さすが武士の中の武士たる横島殿だ」


 どういう評判なんだよ、俺。

 

 


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シロを連れ出している関係で、人狼の里へ経済救済をしている横島。
実際は、シロの里帰りのときにお土産を持たせているだけだが、実はこれがかなり感謝されている、てな裏がある話でした。

2012/04/06 OTR移転版+小修正

 

文字数は2,639文字