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トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > 恥ずかしながら戻ってまいりました!~GS横島忠夫の再演 > 第三十話
えー、意識しているわけではありませんが、マスメディアに対する表現が酷いのは、この世界のマスメディアが酷いというだけで、実際の存在自体を貶める意図はありませんので、そのへんよろしく
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第三十話
銀にぃのばかぁ・・・・・
銀にぃの「踊るGS」が路線変更した。
というか、別番組っぽいのりともいえる。
以前の踊るGSは「勧善懲悪」というか「人外悪」という路線だったんだけど、最近は「それぞれの正義」路線で、「主人公」側も見ようによっては迷惑な行為だって言うのが見える方向で描かれている。
そのせいか、アイドル人気一本やりだった内容が社会派な内容に流れてきている。
その契機となったのが「九尾の狐」の回。
あれにゃぁ、もう、やられた。
狐も子役もみんな私を意識しているとしか思えない出来じゃない!!
で、私が先祖帰りした存在だって事になっていることは有名で、さらに銀にぃと懇意だって言う話も有名だから、この騒ぎ。
「・・・あの方がタマモさん?」
「横島GSの妹で、近畿さまとも懇意だそうよ?」
「うわぁ、いいなぁ・・・」
「あれでしょ? 横島GSと近畿くんってドツキ漫才するほどなかがいいって」
こんな噂話が一日中付いて回るんだもの。
たすけてぇ・・・、って、これはまずいんだっけ。
「タマモ、ちょっと念波がでてたでござるよ」
「うううう、シロねぇ、ごめん」
そう、あの事件で味をしめた「青い稲妻」と「炎の狐」が、私たちからの助けを呼ぶ願いを感じると、全力飛行でやってくるのだ。
ひき逃げが、とーっても気持ちよかったらしい。
イタリア政府から「うちの子に悪い遊びを教えないでください!」なんてモンスターペアレンツみたいな事を言われたりもした。
まぁ、悪い遊びを教えてしまったのは事実だけに平謝りをしたけど。
そんなわけで、友の助けという大義名分を得るために、アンテナをビンビンに立ててこちらを伺っているそうだ。
だから妙な念を発しないでほしいという要望が大使館経由できていたりするのが重すぎる。
「まぁ、しばしの我慢でござるよ」
苦笑いのシロねぇだけど、結構我慢してるのは解る。
なにしろ尻尾が・・・・。
「シロちゃーん、タマモちゃーん、お昼しましょー?」
ああ、おキヌちゃん、空気読んでほしいかも。
ほらほら、おキヌちゃんだって注目されてるんだから!!
「横島ー、犬飼ー? どうしたー」
一文字さんも一緒か、もうだめね。
「さぁ、いくでござるよ、タマモ」
ノリノリのシロねぇに引っ張られて、私は食堂へ向かったのでした。
ああ、唯一の救いは、お兄ちゃんのお弁当。
これしか救いがないのが泣けるわ。
氷室さんの気遣いで、シロさんとタマモさんを食事に連れ出している。
現状、注目度の高い二人を放置しているといろいろと弊害があるので、噂が飽きられるまで高等部の私たちが保護しようと言うのだ。
基本、上位学年の人間が直接保護しているのが知れ渡れば、下位学年に対する嫌がらせや興味本位の噂話は消える。
というか、正確に言えば「聞こえなくなる」。
地下に潜るという言い方も正しいが、表面上聞こえなくなるなら無いのも同じだ。
元がやっかみに関わる感情の評判だけに、面倒なことになる前に鎮火せざる得ない。
女子校とは実に面倒な世界だと思う。
「わざわざ申し分けないでござる」
犬飼さんはその辺の機微を理解してなさっているみたいで、恐縮しているけど、横島さんは苦笑いだった。
まぁ、こういう世界は理解しがたいのでしょう。
仲良し兄妹で生きてきた横島さんたち二人には、逆によい影響がないかも知れません。
でも、私たちは知り合い、そして親交を深めることができたのです。
ならば、少しでも力になってあげたいと思うのは当然ではないでしょうか?
「かおり先輩っていいひとね〜」
どういう意味かしら?
「で、なにを取材に?」
・・・ばれてるのね。
まぁ、いろいろと言い訳はあるけれど、無作為な噂を立てられるぐらいなら、直接取材をしよう、そう、知り合いならいろいろ聞けるし、というのが総意らしい。
そんなわけで・・・
「いろいろと聞かせてくださる?」
主に、近畿くんとか近畿君とか近畿君とか!
「弓、がっつきすぎ」
「・・・反省しますわ」
犬飼や横島の話をまとめて、新聞部に渡したところで今回の騒動を収める約束が締結された。
あいつ等には悪かったけど、良家の子女が集まっている学院で家庭方面からの情報操作ができるのはプラスのはずだ。
加えて、聞きたいことが聞けた生徒たちも鎮静化するので、生活の上では問題がなくなるはずなのだけど・・・。
「うっわー、くそメディア・・・」
入国の時に、横島GSから逃げられたテレビ屋たちが、意地になって関係者を追い回しているらしい。
六道女学院にすらカメラを向けているのだから末期だろう。
そろそろ本気で逃げ出さないと、スポンサーから逃げられるという事が解らないのだろうか?
「銀にぃも仕事以外じゃ面倒ごとばかりだって嘆いてたし」
「そうなんですの?」
「はい。お兄ちゃんとダチだっていうので、結構面倒が多いらしいです」
最近の踊るGSの路線変更にも関わっているそうだ。
「あれはあれで、リアルになりましたわよね?」
「そうだよな。うん、なんというか、関係者からみたリアルがあるよな」
「そうですねぇ、事務所から見た風景と結構かさなりますねぇ」
さすが現役で一流GS事務所に出入りしていると現場の空気が解るらしい。
霊能者ってだけでもリアルに感じる私たちだけど、GS事務所から見てもリアルだって言うのだから本格的だ。
「・・・あの、指定等級と現場が食い違ってるところとか、その後の協会との金銭交渉とかってリアルですよ・・・」
・・・言葉もねぇ。
「そうでござるなぁ、あの事務職員役の女優さんは、誰かを思わせる迫力を感じるでござるなぁ」
犬飼がイメージしてるのって、誰なんだろうなぁ・・・、聞きたくねぇけど。
「あー、警察が来た」
「うっわー、やりあってますわよ」
「叫んでる叫んでる」
「みてみて、投石してますわ」
マスコミがじゃまで下校できない生徒たちが、わいわいと校門を見物していた。
『はいみなさーん、きこえてますかぁ〜?』
校内放送で理事長の声が響いた。
『現在〜、躾の出来てない犬を〜ケチらしていま〜す。』
い、いぬ・・・
『あと十分後に下校してもらいますが〜』
よけいなことを言うな、か?
『知ってることは〜ペラペラしゃべっても良いわよ〜』
え?
『でも〜、正確にしゃべらなくてもいいわよ〜?』
うわぁ、悪辣ぅ。
思わず顔をしかめる私と弓だったが、おキヌちゃんは理解していないようだった。
とりあえず、私と弓が感じた話をすると、逆に真顔で言い返された。
「情報はそういうものですよ?」
さすが現役GS事務所所属は違うなぁ。
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政治家の心の中には、自分達の都合の良い意見を叫ぶ国民がいるように、マスメディアの胸の中には、下種な欲望を叫ぶ視聴者がいるのではないかと勘ぐってしまいます。
スキャンダルや噂話なんて見たくもないのに延々と流されると、本当にテレビって必要なんだろうかって疑問を感じます。
・・・地デジ、いらなかったかもw
本日の連続更新はここまで〜
2012/04/06 OTR移転版+小修正
文字数は2,985文字