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第二十九話

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一つの事件の流れは、様々な支流を生みます。
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第二十九話

 

 本当に久しぶりに横島君が帰ってきた。
 既に「みんなの横島君」だけど、私にとっては掛け替えのない友達。
 だから明日からしばらく一緒に登校できると聞いて、本当にうれしかった。


「すまんなぁ、愛子」
「いいのよ、忙しいのは知ってたし」


 うそ。
 しってたけど、しってたけど、イヤだった。


「あ、そうそう、これ土産な」


 渡してくれたのはネックレス。
 精霊石かしら?


「これはな、カオスと一緒に作ったもんでな・・・」


 そういって私にかけてくれる横島君。
 瞬間、私が小脇に抱えていた机が消えた。


「・・・え?」


 ニッコリほほえむ横島君曰く、このネックレスの空間へ机を移したそうだ。
 私の本体なのに、なぜかこの写し身のほうが本体に感じるのも、ネックレスの効果だそうだ。


「・・・やだ、ほんとうに、もう」


 はじけるような喜びとともに登校すると、クラスは大きく盛り上がった。
 横島君はもみくちゃにされ、私も女子仲間にモミクチャにされた。
 いままで、机一個分の隙間があった私たちの間が、机一個分縮まった気がした。

 

 

 

 

 

 エミしゃんから指示された内容じゃったが、横島さんは内緒だぞって色々教えてくれたんじゃ。
 売り出された強化服の仕様とその弱点。
 もちろん、精霊石を使えばいくらでも強化を延長できるそうじゃが・・・


「燃費悪いんだよ」


 強化時間は最大6時間。
 精霊石一個 (2億円相当)で2時間延長という燃費の悪さ。


「個人じゃぁつかえんのぉ」
「ああ、まじめに修行した方がましだな」
「そんなもの売り物になるんですか?」
「できる奴もできない奴も均一に力を付けないと行けない集団があるだろ?」
「軍隊ですかのぉ?」
「あたりだ、タイガー」


 つまり・・・・。


「コメリカの財政赤字を増加させるというわけですか?」
「ピート、黒いなぁ」
「黒いですのぉ」
「なっ、なんでそういう結論に!」


 ピートさんの結論は、コメリカ自身もわかっていることと、横島さん。
 けど、オカルトの神秘部分で先鋭化できないのならば、装備で底上げせざる得ないと言うのが西洋社会の一般常識とか。


「ふーん、じゃぁ、ピート君とかオカルトGメンって異端なの?」
「ピートは異端だろうなぁ」
「吸血鬼ですから」
「・・・忘れてたわ」


 愛子さんのこの一言が、世間でどれだけ異常かわからないのじゃろうか?
 少なくとも、わしはこの学校に来るまで異常であることを指摘され続ける人生じゃった。


「ま、世間世界はいろいろだよ」


 肩をすくめる横島さん。
 わっしは、横島さんに感謝してるんじゃ。
 じゃから、エミしゃんに頼まれても、親友の横島さんの望まんことは・・・


「あ、そうそう、この情報はエミさんに流せよ?」
「よ、よ、横島しゃん・・・」
「裏の方に情報流してくれねぇと、バカが精霊石を乱用してくれねえからさ」


 黒い、黒過ぎじゃ、横島さん。

 

 

 

 

 

 


 ヨコシマのアイデアをもらって、シナリオじゃなくてシュチュエーションを組み込むことにした。


 簡単に言えば、必殺技。


 そう、あたかもショーマンプロレスのように、大業を敵味方が協力して決めるみたいな、そんな感じに。
 一応、空中からエフェクト付きで跳び蹴りを決めるものと、分身するほどの高速でボコボコにする技を組み込んだところ、パピに大好評だった。


「やっとルシオラちゃんも解ってきたでちゅ!」


 いやはや、私たちにこんな技なんかいらないだろうに・・・・。
 いや、これは「おもしろい」という思いなのかもしれない。
 そうなると、私も少しアイデアがあるので提案すると、パピはノリノリになった。


「ルシオラちゃん、天才でちゅ!」


 ・・・・・
 あはははは、やっぱりぃ?
 そうね、そうだったわね!
 あははははは!!!
 変身から、そう変身から凝りましょう!


「ああ、やっとルシオラちゃんっぽくなってきたでちゅ。期待してるでちゅよ、博士(るしおらちゃん)」


 ふふふ、任せなさい。
 こんな事もあろうかと、こんな事もあろうかと!
 うふふふふふ

 

 

 

 

 

 

 

 タイガーに探らせた強化服「G」シリーズの情報は、横島から提供されたそうだ。
 つまり、この、小笠原エミに対する挑戦なワケ?


「違うんですじゃ。横島さんは、装備してる人間に長期待機させて精霊石の消費を増やさせるつもりですじゃ」


 ・・・ザンス、ザンスの流通量増加政策の一環というワケ?


「横島さん、腹の中真っ黒なんじゃ」


 つうことは、ウチでその片棒を担げば・・・・


「担がせるき満々じゃぁ。裏社会に蔓延させてほしいみたいに言っていたんじゃ」


 さすが令子の弟子。
 やることなすこと真っ黒ね。
 でも、この仕様・・・・。


「タイガー、この強化服を貫通する威力の呪い、ファンネルは抜ける?」
「難しいとおもうですじゃ。ファンネルはエミしゃんも監修している呪い対抗版があるけん、それが入ってると難しいとおもうですじゃ」


 正解よ、タイガー。
 実践の中で強化服使用組も気づくでしょうけど、六道とはつきあいを深くしたくないから強化服に走った勢力が、ファンネルを買う気になるかは別の話。
 というか、露骨に嫌がるでしょう。


「といっても、どっちも横島が噛んでると解ったら、どうするかしらね?」
「誘拐してコメリカ人に仕立てると思うんですじゃ」
「・・・タイガー、あんたも黒くなったわね」
「みなさんの教育のたまものですじゃ」


 うーん。
 横島の影響かしら?
 まぁ、女の前で硬直していた前を思えば成長と言うことにもできるし。
 前進ね、前進。

 

 

 

 

 


 事務所の社長から「よこっちマンション」出入り中止願いが来た。
 よこっちが政経的に不安定な立場になっているらしい。
 そのへんに関わると、俺自身がよこっちの弱点になりかねんそうや。


 まいったなぁ、猫またのケイとゲームデータの交換の約束をしてるんやけどなぁ。


 とはいえ、よこっちの立場を悪くしてまでせなならんことでもないやろ、ということでケイに電話すると、残念だけど我慢する、との返事が返ってきた。
 なんつうか、いい子供や。
 昨今、あんな純粋な子供はおらん。
 できれば、できれば、あのまま純粋に育ってほしいもんや。


「あ、近畿君。おはよー」
「おはようさんです〜」


 本日の現場、踊るGSの撮影現場でスタッフのみなさんと話していると、どうしても先日のロケハン、つうか、GSと怪異の共同戦線の話になってまう。
 あれをみた後やと、どうしても今までのシナリオが薄っぺらに感じてまう。
 そのへんを脚本さんが連日徹夜で修正しておって、やっと現場初日に間に合ったそうや。


「で、どうですかぁ?」
「自信はある。GS協会も後押ししてくれると思う」


 脚本さんの書き下ろしをみんなで読んでいるウチに、うんうんうなずいたり、おおと声を上げたりしてしまった。


 ・・・いい脚本や。
 ただ・・・・。


「九尾の狐の抹殺命令は、ないやろ?」


 GS協会で聞いた話やけど、過去の大妖怪の多くは人間の政治のゆがみに飲まれた存在だそうで、九尾の狐なんてその最たるものだとか。


「・・・GS協会に頼らず、それを政府がごり押し。で、本編のGSたちが救いつつ・・・」
「政府には嘘の報告でごまかす」
「もちろん、政府側にも養護者がいて・・・」
「GS協会もフォロー、うん、いいじゃない」
「ごろつきGSの横やりはほしいね」
「・・・アンダーグランドのGSでよくないかい?」
「いやいや、最近はそれリアルじゃないっすよ?」


 できあがったシナリオに役者たちが意見を交わす。


「おおよそよかったら、GS協会に校正に回しますんで!」
「「「「「了解!」」」」」」


 というわけで、次回以降の脚本が決まり、今回の話もそれに併せて小修正が加わる。
 あの大根女も親の失墜でうるさくなくなったし、良いことばかりや。


 あ、一応、話通しとかなならんかな、あの御狐様に。


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飛んだりはねたりしている彼らの動きが、不自然でないことを祈ります

 

2012/04/06 OTR移転版+小修正



文字数は3,235文字