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第二十話

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がんがん原作を飛びぬけていますw

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第二十話

 


 マッチポンプは大成功。
 あの人狼も気絶したまま証言できない状態だったため、ちゃっちゃと物理的に処理して見せたところ、陰陽寮がでばってきてオカルトが使われていないかをチェックしはじめた。
 まぁ、ファブリ○ズとビニール袋なので、オカルトは関わっていないのは間違いなく、シロということになった。
 で、この事態収集をしたということで報奨金までいただいて、意気揚々とその場を去ろうとしたところで、横島君が私を横抱きで飛び上がった。
 幾重にも地面に突き刺さる矢。
 まるで狩人のように弓を構える武士。
 幾重にも弓を鳴らす術者達。
 さすがにこれは・・・。


「だいじょうぶっすよ、美神さん」


 気づけば横島君は市で買った呪符を額に張っていた。
 効能は「厄避け」。
 簡易結界に自分の例力を継ぎ足しているのだろう、実に完全な結界が張られている。
 これならば退魔の呪法もきかないだろう。
 というか、私たち人間には意味のない包囲だけど、さすがに矢はめんどくさいし。


「そこまでだ、高島! 魔の者と睦あう所行、陰陽寮の一員として見逃せぬ!」


 声の先にいたのは「西条さん」にそっくりな人。
 たぶん、こっちの時代でも横島君に縁があったんだろうと思う。
 というか、こっちの時代でも横島君びいきなのかしら?


「目を覚ませ、高島! おまえには嘱望された将来が、確固たる地位が待っているじゃないか!!」


 あー、敵だわ。
 うん、こっちの西条さんも敵だった。
 なんというか、気色悪い声色だし。


「高島! 私とともに天下を・・・」
「やかましいわ!! 人んちの上で騒ぐなや!!!」


 盛大な爆発によって、西条さんモドキは吹っ飛んだ。


「ほれほれ、許可無く陣をくんじゃねーぞ」


「ですが、高島様」
「西郷には俺が言っとくから、寮にもどっとけ」


 男が指示すると、周囲の武士達はキビキビとさってゆく。


「わりーな。どうも俺に似てたらしいだけで追われてたみたいだな?」


 にこやかな笑みで現れた、その男は・・・

 

 

 

 

 


「ふふふ、こちらが未来の婿殿、横島忠夫殿だ」
「で、こっちが来世のわたし? 良い女になったみたいね」


 なぜか芦田の紹介で、前世と来世がお見合いなんかしている。
 ヒャクメはおもいっきり他人の面で料理を楽しんでいるのがムカつく。


「いやいや、さすが来世の俺、ちゃんとメフィストと出会ってるんだな」
「そりゃそうよ、あなたと私は未来永劫の縁よ」


 未来永劫って、それって呪いじゃねぇ?


「あ、あの、メフィストさん、いろいろとお話をお聞きしたいんですが・・・」
「え、なになに、我が妻との愛の日々?」
「それに至るまでの・・・」
「・・・ああ、そういうはなし?」


 なぜか盛り上がる美神さんとメフィストさん。


「いやいや、実はだね、一目惚れなんだよ」
「聞いてねえって」
「向こう婿殿も、一目見て飛びかかったらしいではないか?」
「お、やるな、若いなぁ・・・・」


 こっちはこっちで絡まれる。


 だいたい・・・・


「この会合の目的は何だよ?」
「ん? ああ、デタント推進派の襲撃があると聞いてね、関係者を集めて囮にしようと」
「まきこむなや!!」
「いやいや、結構感謝されても良いと思っているのだがね」


 まぁ、確かに、この時代に一掃できれば後が楽になるだろうし、前の芦田みたいに時間稼ぎも可能だし。


「・・・感謝は別にして、有効かもしれねえがな」


 問題はそこじゃねぇ。


「押せばいいわけじゃないと思うの」
「うんうん」
「どんなに心の中で想っていても伝えなきゃだめ」
「うんうん」
「態度で示してもわかる人間は勘違い野郎と自意識過剰野郎だけ」
「勉強にあるわぁ」


「あれをなんとかしろや、な?」
「実におもしろい状況だろう?」
「向こうのメフィストもかわいいなぁ・・・」


 だめだ、孤立無援じゃねーか。
 くそー、こんな状態を破ってくれるなら・・・・


 そんな想いに答えてか、いきなり天井が吹っ飛んだ。

 

 

 


「魔神アシュタロス! 人界争乱の罪で捕縛します!!」


 現れたのは龍神、何だと思うんだけど、その、なんとなく、知っているあの「龍神」とはちがう。
 髪型とは雰囲気とかはにてるんだけど、こう、なんつうか、見た目が、こう、そう、胸が・・・・。


「・・・これはこれは、妙神山の管理人殿が、こんな所まで何用ですかな?」
「白々しいまねはよせ、魔神よ! そなたが人界に対して行っている干渉は、無用な行為です。人界には人界の動きがあります。無用な干渉は厳禁となっていたはずです!!」
「それは私クラスには適用されないのだがね。それが気に入らないというのは、単に神族の傲慢ではないかな?」
「問答無用!!」


 振りかざした神剣を、きれいな動きで振りおろしつつ距離を詰める龍神。
 なめらかな動きで避けきる魔神。
 武の極地ともいえる攻防は、実に勉強になるなぁ、と見学中の俺の肩をたたく誰か。
 ちょっと視線を向けると、そこには小さな女の子。


「・・・あなたは、悪ですか?」
「人間ですよ、お嬢さん」
「・・・悪なす人間ですか?」
「善も行い悪も飲み込む。それが人間ですよ、お嬢さん」


 むー、と悩む姿はかわいい。
 というか、これ、小竜姫様じゃないの?


「小竜姫、人を守りなさい。悪なす人であろうとも、それは魔に誘われてのこと。神が導くのです!!」
「はい、おねえさま!!」


 ずいぶんと傲慢なお話だ。
 ちょっと腹が立ってきたかな?


「・・・龍神が一柱に尋ねる。悪とはなにか!?」
「・・・悪とは、悪しき行いを行うもの!!」
「なれば、魔とはなにか!?」
「神族の敵なり!!」
「つまりは、自分たちに敵対するものは全部悪、魔つうことか。なんて傲慢な話だな!!」


 剣戟を繰りだし続ける龍神の正面に立ち、そしてソーサーで受け止める。


 この剣勢、小竜姫様に劣る。


「・・・なっ!! 人の身でありながら、この力・・・何者ですか!」


 一度離れて剣を構えた龍神を見つめる。
 この堅さは、なんというか、出会った当初の小竜姫様っぽいな。
 というか、この人がいたからこその、小竜姫様かな?


「神々に無い可能性の固まり、それが人ってものでしょ?」

 

 

 

 

 


 目の前の少年、霊気の盾を無数に操る少年は、まさに自称するように可能性の固まりだった。
 術もなく呪もなく神剣を避け続け、そしてある時には防ぎ跳ね返す。
 魔に見入られたものの瞳ではなく、洗脳されたわけでもないのがありありと解る。
 意志ある瞳、透明な意志の高い瞳。


「あなたほどの、あなたほどの高みにある人が、なぜ、魔族とともにあるのですか・・・!」
「高みも、低みも、ないんじゃ、ないか?」


 さすがに会話しながらの戦闘は厳しいらしいですが、それでも人の領域を遙かに越える存在です。


「対話を、望むなら、剣を、引け」


 私はこの人を知りたい。
 私はこの人が何者なのかを知りたい。


 だから私は剣を引いた。
 神族にあってはならない行動だったかもしれない。
 でも、私はこの想いに従いたかった。

 

 

 

 

 

 さすが婿殿。
 神魔問わず人外にモテモテだな。
 妙神山の管理人「大竜姫」をいなしてしまった。
 現在のデタント反対派の急先鋒である龍神をいなすのだから、この実力は折り紙付きだろう。
 とはいえ、この事実は多分封印されるだろう。
 関係者、といってもその妹君だけになるだろうが、記憶封印処理されることだろう。
 何しろ、武神とあがめられる自分の姉が人間に勝て無かった記憶なのだから。
 姉自身は認めて精進するだろうが、妹自身に記憶されていることは神界にとって都合が悪いに違いない。
 記憶は封印され、そして正義が刷り込まれるに違いあるまい。


 何ともやるせない話じゃないか。


 立場に縛られ、自分の陣営に嫌悪していた私だが、魂の牢獄から解き放たれた立場からみれば、神族の立場の不自由さは目に余る。
 何とか出来ないかとすら思ってしまうほどだった。
 とはいえこれは、魔族としての傲慢だろう。
 自由な立場から縛られたものに見せる余裕、実に魔族らしい傲慢かもしれない。


 ふむ、七つの大罪的にみれば有りなのだが。


「所で君は何をしているのかな?」
「え?」


 小さな竜族の少女から何かを受け取っている駄女神をにらむと愛想笑いで何かを私に見せた。
 それは「記」と文字を入れられた文珠。


「小竜姫からの依頼なのねぇ〜」


 なるほど、この時期の記憶が曖昧だが、封印処理のことを言い出せない。だからこの時代の自分から直接、というわけか。


「ずいぶん柔軟になったじゃないか、神族(そっち)も」
「小竜姫の変化の大本は、そこにいるのねぇ〜」

 

 

 

 同時に視線を向けた先にいるのは、なんとも言い難い視線で婿殿を見つめる大竜姫と居心地悪そうな婿殿。
 どうやら本気にさせているらしい。


「どうもそろそろまずそうだから、帰ってはどうかね?」
「潮時みたいなのね〜」


 そんな苦笑いとともに、婿殿と来世の娘たちが帰っていった。
 引き留めたそうであった大竜姫に、未来に起きるであろう一部を教えて、私はこの地を去った。
 あとは、今生の婿殿と娘にすべてを任せようと思いつつ、孫が出来たら連絡をもらえるように手段を残して。

 

 

 

 


〜おまけそのいち
「小竜姫〜、やっぱり貴女の初恋は横島さんだったのね〜」
「・・・やはり、この記憶封印の彼方に見えたあの陰は、横島さんだったんですね」

 


〜おまけそのに
「横島君、どうしよう!!」
「どうしたんすか、美神さん」
「・・・横島君からもらったペンダント、あの時代に・・・」
「これっすか?」
「・・・♪」

 

 

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がっちり美神のハートをキャッチしてしまった横島。
そして、まったく想定外に落ちていた小竜姫。
さらには、やばそうなフラグが立っている先代管理人!


どうなる、横島、君の明日はどっちだ!?
筆者も知らないw


2012/04/06 OTR移転版+小修正

 

文字数は3,956文字