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第十話
笹倉さんとともに、本気で彼を師事したいとすらおもってしまったことは彼にないしょだ。
さすがにあのレベルについて行けないもの。
そのレベルは対抗戦終了後に見せつけられた。
彼のライバルを自称する六道除霊事務所の伊達雪乃丞君。
彼と雪乃丞君の模擬戦は、もうこっちで対人戦闘とか考えるのがばからしくなるほどのもので、視覚が追いつかないことおびただしいものだった。
雨嵐のような霊波砲、それを小さな盾でよける横島君。
接近戦になったとたん、目の前で拍手をした横島君の両手から激しく光る霊光。
視覚を失った雪乃丞君の首筋に突きつける、エメラルドグリーンに光る霊気の剣。
もう、どこをどうつっこめばいいやら。
「・・・へへへ、いろいろと小技持ってるじゃねーか」
「おまえも、なんか地力あがってね?」
「まいにちファンネルとばしてっからな。あれで霊力の底上げしてんだよ」
「どこの星飛雄馬だ?」
「あの、オモイコンダラ、いいかんじだぜ」
「おめー何個壊した?」
「・・・十個」
「しねーーーー!!!!」
仲良くはなす二人は、私たちには遠い世界で、全く届かない地平だと感じさせられました。
それはそれとして、横島君とは電話番号を交換した私たちだった。
タマモちゃんのお兄ちゃんになってから、横島さんはいろいろと頑張ってます。
私からお料理を習ったり、洗濯や掃除を頑張っていたり、勉強も頑張っているそうです。
だらしないお兄ちゃんでも嫌わないのに、とタマモちゃんは笑ってますけど、自分を気にしてくれているのはうれしいらしいです。
で、横島さんの部屋には、居候さんが一人います。
近畿剛一くんこと横島さんの幼なじみの「銀ちゃん」です。
トップアイドルともいえるひとが、なんで幼なじみの部屋に居候しているかというと、アイドルの寮が厳しすぎるからだそうです。
門限や先輩後輩の関係が厳しすぎて、もう信じられないほどだとか。
ソレを聞いた横島さんが「応援団だってもっと潤いがある」と言っていました。
比較はわかりませんが、厳しいんでしょうねぇ。
「そんなわけで、今日はタマモちゃんのリクエスト、おあげフルコースでーす」
「「「「わーーーーーい (でござる)!!」」」」
いつのまにかシロちゃんがちゃっかりいるのは内緒です。
「そういえば、銀ちゃん、あの写真つかうって?」
先日のミニ四駆の試合の時、横島さんや雪乃丞さんと撮影した写真を雑誌に使うそうです。
「ああ、一応許可はとっとるで。当時の写真も一緒にな」
「・・・いまだタミヤ博物館に写真があるとはおもわんかったわ」
横島さんと堂本銀一さんが小学生の時に、前人未踏の記録を立てたということで、今でも一部で有名なんだそうです。
「まぁ、歌でトップとっても業界の力が裏にあるけど、あれだけは俺らの力やったしな。」
「せやな、うん、せやったな。」
なんだか男の世界って感じですね。
「まぁ、何かをした証ってのが、誰かに認められるって言うのはどんな場所でも立場でも一緒やろ? おキヌちゃんがおいしい料理を作れたり、みんなに教えたり、そんなつながりだって同じぐらい大切なんやで?」
「せやな、よこっち、ええこというわ。」
「うん、さすがお兄ちゃん!」
「うんうん、先生の言葉は含蓄深いでござる。」
にこやかな食卓、和やかな会話。
もう死んでしまった私には、もったいない時間。
いいのかな、私はこんなに幸せで。
「おキヌちゃん、おかわり!!」
「お、おれもおれも!」
「わたしも〜」
「拙者も!!」
「は〜〜い」
幸せだなぁ、うれしいな。
こんな風に暮らせるのは、美神さんや横島さんのおかげなんだなぁ。
うれしいなぁ・・・・・・・。
その日の地震で俺たちは理解した。
あの植物妖怪の復活と、避けることのできない対戦を。
『(主、来たぞ。)』
「(くそ、忘れちゃいなかったが、さすがに準備はできてねぇ・・・。)」
『(主、ストックは?)』
「(・・・・52。)」
普段からどんなにピンチでも使わずにいられるように戦略を立ててきたおかげだ。
悪霊ごときにはモッタイナイ。
「とりあえずは美神さんに電話だ!」
深夜、横島君からの電話で目覚めた。
確かに腹が立ったけど、この電話にでなければ破滅だと霊感が感じる。いや、「霊感がささやく」。
電話を受けて、間違いなかったと思った。
事務所から消えたおキヌちゃん、深夜テレビで報じられる宗教施設の全壊、そして震源地の「人骨温泉」。
奇妙な符号の先に合致する「おキヌちゃん」。
だめだ、どう考えても彼女に関わることでしかイメージできない。
私たちは急遽、人骨温泉に急いだ。
もちろんタマモとシロは動物になってもらっている。
まずった、と心底思った。
おキヌちゃんという存在が何故300年も失われていなかったかをもっと真剣に調べるべきだったのだ。
地脈にくくられた幽霊が、三百年も霊格をあげずにそのままでいるはずがないのだ。
そのことを温泉近くの神社、氷室神社で思い知った。
火山や天候まで左右する大妖怪と、ソレを押さえるために行われた人柱の儀式。
そして氷柱の中のおキヌちゃんの遺体。
つまり、おキヌちゃんの霊体を元にした封印が行われていたのだ。
が、おキヌちゃんを欠いた状態では封印が機能せず、大妖怪の復活と相成ったわけだ。
次々とおそってくる妖怪の端末「花」を、霊波刀で切り伏せる横島君とシロ。
そして次々と狐火で燃やし尽くすタマモ。
正直に言えばこの布陣でなければ、早々に撤退させられていただろう。
とはいえ、じり貧だ。
あいては地脈ダマりからのエネルギーを受けているけど、こちらは霊力が有限だ。
どこかで休まなければならない。
いや、そろそろ限界が近いはずだ。
シロの霊波刀も揺らめいているし、横島君も疲労の色が濃い。
「横島君、撤退準備!!」
「はい!!」
サイキックシールドと名付けられた淡い緑の盾を、一直線に展開した横島君は、「花」の到達とともに爆発させる。
が、これにひるまず前進してきた「花」を私が攻撃する。
「(人工幽霊、聞こえる?)」
『(はい、オーナー。感度良好です)』
「(私の位置に、ミサイルコンテナ発射!)」
『(了解!!)』
瞬時に降り注ぐマイクロミサイルの爆音と炎。
あわせるようにタマモとシロを抱えた横島君が、私にも手を伸ばして走る。
「「戦術的撤退〜〜〜!!」」
はぁ、やっぱりこいつは手放せないわ、ほんと。
いくら切り裂いても本体は地中の向こう。
となると、やっぱり反則した方がいいかな、と悩む。
ことはおキヌちゃんの生死に関わる話だ。
どうにかして、どうやってでも巧く行かせる。
氷室さなえちゃんの案内で、氷室神社のご本尊、というか結界装置まできた。
再び出会ったおキヌちゃんは、今までのここ、これまでのことを感謝してほほえんだ。
でも俺にはわかる。彼女は泣いている、と。
だから声を上げた。
「ぜったいだ、絶対に助ける!!」
俺はその場で霊力を集中する。
ストックではない、今この場で作り上げることを見せることで、たった今から使えるようになった能力として見せつけるために!!
霊波刀が収束して手に収まる。
手に収まったそれが、すべてを巻き込むように収束する。
風も空も空気も霊気もなにもかも巻き込むような渦の中でソレはできた。
輝くその珠。
奇跡の珠。
伝説とまで言われたその霊具。
それが、5つ。
「・・・横島君、これがなんだかわかるのね?」
「・・・はい。」
「そう・・・。」
浅いため息とともに美神さんはこちらをみた。
「この存在を他に漏らすことを禁じるわ」
「わかりました」
「万能の霊具か、ほんとうに助けることができるかもね」
「・・・助けます」
「わかったわ。」
ぱん、と自分の頬を叩いた美神さんは手を突きだした。
「私は二つ、横島君は三つ。いいわね?」
「俺は一つ、美神さんは四つ。」
「あのね、あなたが助けるんでしょ?」
「俺のほうは、後もう少しで次のロットがきそうです。」
「・・・そう、なら四つもらうわ。」
きらきらと光るそれは宝石と言うには邪気がなさすぎた。
「美神さん、その珠はなんだべか?」
「・・・ごめんなさい、さなえちゃん。その質問は答えられないし、このことは忘れてほしいの」
「・・・んだか。」
真剣な口調にうなずくさなえちゃん。
土壇場で恐ろしい能力を引き出した横島君。
その名も「文珠」。
そこに込められた霊力を、100%の方向で発揮するという世界中の霊能者が聞いた途端に発狂するような能力だ。
込める文字で力を発揮し、「爆」といれれば爆発し、「水」といれれば水流となり、「凍」といれれば極低温の空間を作る。
過去、文珠が市場にでたことがあるが、その際、ある国が崩壊した。
十二の国が入り乱れ、数千万単位の人間が死んだ後、文珠の制御に失敗して何もなくなったという。
そんな状態の世界に文珠使いが現れたのだ。
どんな扱いになるかなどしれたものだ。
だから秘密は漏れないようにしなければならない。
それがたとえ神魔であっても、いや神魔であるからこそ。
だが、今はそのことを考える時間ではない。
まずは、あの植物との戦争に勝ってから。
花と言うからには本体は根だろう。
しかし、こちらの武器が届く範囲とは思えない。
そこで使うのが「文珠」だ。
再び「花」がやってきたところで、「枯・死」もしくは「病・死」という文珠を発動させることにより、かなりの力を殺ぐという作戦だ。
横島君の電話から第二ロットを生成できたという連絡が入り、早々に作戦が開始される。
二方向からの「枯・死」*2「病」*4の攻撃は花全体を一気に枯らした。
美神さんは流石に二文字を入れることはできないらしいので「病」を入れてもらった。
タマモとシロは美神さん側でさなえちゃんの護衛をしてもらっているので、俺は今、心眼と集中していた。
経過を心眼と共に霊視して、本体を見ているが、株分けは・・・・・
『・・・ちっ、やはり株分けしておったぞ、主』
「でも、上がってきたな!!」
花全部を切り捨てた本体は、俺たちの方を目指して上がってきている。
「ファンネル、防御結界!!」
『らーさー』
「引きつけるぞ、心眼!!」
『おお!!』
急速に迫る本体が、ファンネルの防御結界にふれた瞬間に心眼が叫ぶ。
『いまだ、主!!』
「超・加・速!」
サイキックソーサーの多重展開。
両手から文珠をたたきつける。
土から出始めた部分に文珠が届いた時点で霊波刀へ切り替え。
わずか10秒ほどの超加速だが、勝利のための布陣は完成した。
『主、切れるぞ!』
「よし、いける!!」
超加速が切れたと同時に文字に力を入れた。
「粉・砕」
株分けの時間もなく、文珠の力に粉砕されていった本体は塵と消え、押し上がってきた勢いの土石もシールドに阻まれて俺までは届かなかった。
『主、ちょっと甘かったようだ』
「これか?」
塵となった筈の本体のそばに、胡桃の実ぐらいの珠があった。
心眼の霊視では「本体」と同質の妖怪だそうだ。
ただ、記憶や意志はなく、人への恨みだけを込めただけの状態らしい。
「つまり、タマモみたいんもんか?」
『ソレよりたちが悪いな。生まれる前から恨みだけだからな』
「・・・うーん、じゃぁ・・・。」
取り出した文珠に「浄」の文字をいれ、珠にかざす。
「まぁ、恨み辛みは勝手にさせてもらうさ。」
『主の気持ちは分かるがな、いわば来世に恨みを持ち越すのは不幸だからな。』
「・・・うん。」
浄化を終えた「珠」をポケットに入れて、俺は美神さんたちに合流を急いだ。
地脈の乱れから復活した山の神「ワンダーフォーゲル」の指示の元、おキヌちゃんの復活がいま行われようとしていた。
霊波刀を構える横島君へ、おキヌちゃんが「もう少しこのままで生活ができないか、思い出を失いたくない」と泣きすがる。
しかし、すでに地脈にくくられていないおキヌちゃんはいつまでも真っ白な幽霊ではいられない。
だから横島君はほほえむ。
「一応、反則技」
おキヌちゃんに何かを握らせると、彼女はすごくうれしそうな顔をした。
「直ぐに思い出せる、直ぐにわかる。だから待ってるよ!」
「はい!!」
淡い緑色の光を発する霊波刀が氷の壁に封じられたおキヌちゃんに突き立てられた。
瞬間、おキヌちゃんの体が、霊体のおキヌちゃんに重なった。
『忘れません、思い出します、また・・・・・!』
人骨温泉から帰ると、東京では中規模の騒ぎになっていた。
なにしろ都下の宗教施設の大半がはじめの地震で倒壊したそうだ。
自称教会の唐巣先生の教会も全壊し、これにより宗教施設だったと認められたものだと力無く笑っていた。
余りに哀れを誘われて、教会再建費用を融資する事を決めた私だった。
「すまんね、美神君。」
「だから、自転車操業じゃなくて、ちゃんと依頼料をとってくださいって何度も言ってますよね?」
「うーん、流石に今回は事故みたいなものじゃないかね?」
「車だって保険ぐらい入りますよ?」
「・・・あはははは、そうだねぇ・・・。」
そんな会話の中、眉をひそめていた横島君が口を開く。
「神父、もしかして、料金が安すぎるって協会から文句言われてませんか?」
「・・・ぎくっ、横島君、なんでそのことを?」
あまりのことに私は言葉を失った。
「・・・神父、弱者救済もいいですけど、企業にその調子じゃぁ、ほかのGSの迷惑っすよ?」
「いやぁ、しかしだねぇ・・・。」
「S級の唐巣神父がタダでやってくれるんだから、C級やD級に頼むことはないよな、って思われてるでしょ、ってことです」
「ん・・・うん・」
「この前、協会の研修であった「D級」の人たちも、上を目指しているって言うのに、その芽を「S級」の神父がつぶしていいんすか?」
思うところがあってか、ピートもうなだれていた。
「横島君の言うとおりですよ、先生。先生の信条もわかりますし救済の意志も分かります。でも、身内に弱者を抱えてるんですから、もう少し考えてもらえませんか?」
横島君に正論を突きつけられ、私に責め立てられ、唐巣先生も多少堪えたようだ。
本当はここで許してあげるところなんだけど、もう一押しが必要だ。
「そんなわけで、これから一週間ほど、横島&シロチームを先生につけますので、正しい経営というものがどういうものかを学んでください!」
「「「ええーーーー!!」」」
先生とピート、横島君まで驚いていたけど無視。
さぁ、横島君、一週間で教会再建費用を叩き出すのよ!!
そして融資分を利しつけて私に戻しなさい!!
いやはや、神父のところの経営はひどいものでした。
本来使っていなくちゃいけない制度を全く使っていないのだから。
たとえば、GS協会の依頼料保護保険制度。
月々の支払い額のレベルにあわせて、一件あたりの最低支払い額を協会が保護する制度で、契約者が支払いを拒否したり逃げたりした際の保険だ。
支払い能力が無い際も使われるので、神父のところなら絶対に掛け金以上のバックがある制度なのだ。
あと、税制優遇策やらGS協会の霊具補助制度なんかも知らないし、もう、本当にこの人ってば「S級」なの? って聞きたくなってしまう。
本来事務所で入っていなければならない制度の大半を、六道のおばさん経由で数ヶ月前から入っていたことにしてもらって、まずはオカルト災害保険補助を請求しとく。
これで、再建費用の半分は確保できる。
あとは薄利多売で十件もすれば、再建費用の1.5倍は堅い。
で、ちょっとがんばれば、来月以降の恒常出費分だって稼げる。
そんなプランを見せたところ、ピートはまだしも神父まで感心していた。
って、本当にホントうに「S級」なんですか、神父!
一週間ほどで予定の倍は稼いだ。
神父もピートも疲労は濃いけど、やり遂げた風の顔だ。
すでに収入は決定していたので、週はじめには工事は着工していて、来週には住める勢いだ。
内装とかをしばらくやるけど、流石妙神山を再建しただけのことはある。
早さと見た目の良さにかけては定評のある建設業者だったりする。
「いやー、美神さんの紹介だと金払いがいいのがうれしいね、現金だし」
こういう業者を動かすとき、現金で渡すと、同じ金額で三倍やる気が違う。
仕事の後、三ヶ月後にもらえる一千万より、その日にもらえる一千万の方が大きいのだ。
当たり前だけど。
そんなわけで、追加資材はあったけど追加要求なしで建設は終わろうとしている。
とっぱらいの威力は絶大だ。
神父も現金の偉大さを実感してほしいものだ。
もしくは、経理担当の事務員の導入だね。
嫁さんでも可。
というわけで、約束の一週間で融資分+アルファを回収して悠々と事務所に戻る俺だった。
もちろん美神さんからは絶賛をもらった。
「よしよし、私の勲等が生きてるわね!」
ええ、もう、未来の俺が受けた教育ですので。
氷室家から連絡があった。
順調に記憶が戻ったそうで、東京に来たいとおキヌちゃんが言い出したそうだ。
もちろん、一時的に引き受けてくれた氷室家にも感謝はしているけど、自分が居るところは「事務所」なのだとおキヌちゃんは主張しているそうだ。
「うれしい話ね、横島君」
「・・・はい」
このときのために美神さんは4シーターのポルシェを買っており、おキヌちゃんを迎えに行った。
「うれしいでござるな」
「うん、うれしいねシロねぇ。」
やっぱり美神令子除霊事務所には、おキヌちゃんがいないと、と誰もが思っていた。
その霊団と正面向き合うまで。
「「「「だぁーーーーーー!!!」」」」
ボンネットに乗ったシロが霊刀「房姫」で切り裂き、俺が背後をシールドで守る。
「ファンネル、多重結界!!」
『『『らーさー』』』
三重の防御結界を展開したままでアクセルを踏み込む美神さん。
「こりゃ、また、ヒト騒動ね。」
「まぁ、ウチのデフォルトではないかと?」
「いやなオプションだわ」
気軽に笑ってはいるが、視線は抜け目無く。
手も抜かず、気も抜かず、全力で大笑い。
「おにいちゃん、私は?」
「流石に森が深いからな、狐火の延焼が怖い」
「じゃ、迎撃Aを張るね」
「おう、頼んだ!」
「うん、頼まれた!!」
そう微笑むタマモはファンネルAを迎撃で展開。
みるみるその数を減らすが、あとからあとから付いてくる。
完全に消耗戦だ。
敵の補給は無限、こちらの戦力は有限。
「どこかでこのシュツエーション無かったか?」
『・・・この土地であっただろ? 主』
なるほど、植物代妖怪か、うん、納得。
「でも、今度は核も本体もない霊団、一気に除霊しないと無理があるわ!!」
視線で分かる。
(こんな公の場所じゃ、文珠に頼れないわよ!)
(うっす、)
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2012/04/04 OTR移転版 + 小修正
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