2012.09.01 Saturday
9 ブロック塀倒壊防止補強工事施工方法(控え壁)、ジョリパット櫛引き仕上げ
JUGEMテーマ:リフォーム
今回のリフォーム工事は既存のブロック塀に控え壁を新規に連結させる倒壊防止の補強方法です。昨年の地震によって依頼主の近所のブロック塀が倒壊してしまいました。そこで、自宅は大丈夫かと心配になり、古いブロック塀を撤去して新しく軽量のフェンスへのリフォーム工事を検討希望されていました。ところが、撤去となると市に道路拡張名目で土地を道路拡張分無償で没収されてしまうケースでした。それでは土地がただで減るだけなので、ブロック塀は撤去せずに、倒壊防止の補強のリフォーム工事をすることとなりました。40年以上たっているそうですが、見た目にはそんなに傷んではいない感じです。しかしよく見ると、縦目地に数か所クラックが入っていました。また、笠木のブロックも接着しておらずのっかっているだけでしたので、笠木ブロックは取り外し、アルミ笠木に交換することになりました。
リフォーム改修後です。
それでは倒壊防止の補強工事とリフォーム完成までを順を追って説明していきます。
作業スペースがない箇所は庭木を移転したり、ビニールひもで束ねて作業が出来るスペースを作ります。
控え壁の位置を決めて床掘りします。
日本建築学会の基準によると高さ1.2メートルを超えるブロック塀には控えの壁を3.4m以内に設けるようになっています。ブロック寸法が目地込みで0.4mなので8.5丁以内ということになります。控え壁は既存ブロック塀の両端とクランクしている角の位置、それと縦目地に大きくクラックが入っている箇所は連続二重に設置し、それ以外は控え壁の間隔が3.4メートル以内になるように設置することにしました。
既存捨てコンと同じ高さにコンクリが打ち込めるように床掘りします。既存基礎コンクリにD筋アンカーを打ち込んでから、コンクリを打設します。
次に控えの壁ブロックの鉄筋と既存ブロックの鉄筋を連結させるための穴あけ作業を先にしておきます。既存ブロックの横筋もしくは縦筋どちらかが拾えるようにブロックの上方の縦目地の位置に、ダイヤカッターで切り込みをいれて穴を開けて、鉄筋が見えるようにしておきます。そのあとベースコンクリ打設時にD-10鉄筋を刺し筋します。
ベースのブロックと既存部をD筋アンカーを打ち込んで連結させます。はじめの1段目のブロックは基礎コンクリの役割になります。
既存ブロックの鉄筋と新規控えブロックの鉄筋を連結させます。2分筋をS字に折り曲げて連結させています。
2 分筋をC字に折り曲げて連結させています。
横筋は2段おきに入れて連結させていきます。既存の鉄筋がない位置はブロックの空洞に折り曲げたD−10鉄筋を刺してモルタルを充填して連結していきます。
庭木の後ろの縦目地は大きくクラックが入っているので、庭木を避けながら2重に控え壁を取っています。今回使用の控え壁のブロックはCB150です。既存壁のCB120より強度が格段にアップします。
既存ブロックに、ハイフレックス4倍希釈液を塗布します。目地を補修材で埋めます。クラックが入っている目地は、グラスファイバーメッシュを伏せこみます。
アルミ笠木を取り付け、壁全体を中塗りします。この辺は、ケースバイケースで上塗りの材料に応じて変えてください。今回は、ジョリパットの櫛(くし)引仕上げ(粗め)ですので、モルタル中塗りはせずに、珪砂5号と6号の混合の樹脂モルタルをしごき塗りで中塗りしています。濃い色のところは、ファイバーメッシュが入っているところです。
内側のジョリパット櫛引仕上げ(粗め)です。ジョリパットの仕上げの前に、ハイフレックス4倍希釈液を塗布しています。塗りつける人と、櫛をひいて仕上げる人と2人で作業するとうまくいきます。夏場は塗りつけ後すぐに皮ばるので、塗りつけたらすぐ噴霧器で水をかけておくと皮ばらずにうまくいきます。広い面積は抜き目地棒を入れて区切るとアクセントにもなっていいです。