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記事の結論

 この記事のタイトルは、「不思議音」と「怠慢エコ機器」がもたらす新たな騒音トラブル、である。

 かつて「エコキュート」の据付対応は怠慢だった。そして、今でもなお、不適切な点がある。

 「ヒートポンプ給湯機から発生する運転音は、その近傍で40dB程度です。これは、図書館の中と同じくらいの騒音レベルですから、一般的には、静かな機器であると言えます」(「家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック」13ページ)。

 上記の記述は、消費者に誤解を与える可能性があって、好ましくない。実際には、静かな環境で就寝したいとき、エアコンの静音モードが発する音は21〜30dBなのである。また、大阪ガスの「エネファーム取扱説明書」に、「暖房時の音が気になるときは静音(にします)」と明記されていることも、前述した。

 次に「エネファーム」問題である。そもそも、これまでの「エネファーム」の対応が、怠慢であることは誰の目にも明らかである。加えて、「エネファーム」は、有害な排気ガスの問題も抱えている。さらに、JISの規定に違反している可能性が強い。

 よって、その分だけ関係者の責任が重いことを、指摘せざるを得ない。

細野透(ほそのとおる)
細野 透 建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。細野透編集事務所代表。大学と大学院で建築の構造を学んだ。師である構造家の坪井善勝・東大名誉教授(故人)は、建築家の丹下健三氏(故人)と組んで、代々木オリンピックスタジアム、東京カテドラル聖マリア大聖堂を設計した。ジャーナリストになってからは、方向音痴にめげずに、1000作品以上の建築&住宅を現地取材。インタビューした建築&住宅専門家は3500人を超える。日本建築学会学会賞選考委員会、建築計画委員会、現代建築評価小委員会、リスクコミュニケーション手法に関するWG委員。住宅Webマガジン「日経ネット・リビングスタイル」編集アドバイザー。ブログ「建築雑誌オールレビュー」主宰。

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