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「不思議音」と「怠慢エコ機器」がもたらす新たな騒音トラブル――(後編)エネファームはJISを遵守しているか

建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2013年 3月20日

「中編」から続く)

JIS(日本工業規格)と設備機器

 エアコン、エコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)、エネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)は、騒音と低周波音を発生させる。さらに、エネファームからはCO2(二酸化炭素)を含む有害な排気ガスも出る。それにもかかわらず、何の配慮もせずに、各機器を設置する隣人がいるため、被害を受けて泣いている人がいる。業界も対応策をとらず、法律が未整備なため役所も動いてくれない……。そんな現状の中で、かすかな手がかりになるのはJIS(日本工業規格)である。

 エアコン、エコキュート、エネファームなどはJISの規定を守らなければならない。

 JIS・C9612は、「エアコン(ルームエアコンディショナ)」に関して、次のように定めている。

【6.13 騒音】
「騒音の強さを、定格冷房能力2.5 kW以下のもので、室内側50 dB、室外側(一体形)55 dB以下とする」

 中編で述べた「三菱重工ルームエアコンの騒音特性」は、JISの条件を満たしていることを証明するために行われた。

【12. 使用上の注意事項】
「ルームエアコンを設置する場合および用いる場合の注意事項として、次の各項を、本体又は取扱説明書などに明記する」
「(g) ルームエアコンの騒音及び振動に関する注意。(h)設置場所に関する注意」

 残念なことに隣家への配慮は明記されていない。

JIS・C9220と「エコキュート」

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