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余りの異様さに思わず息を飲む「Bさんの複合被害」

 現時点において、「エコキュート」騒音問題よりさらに深刻なのが、「エネファーム」騒音問題である。これに関しては、「建築ジャーナル」(2012年9 月号)の特集、「スマートハウスがもたらす大きな代償」が詳しい。

 記事「エネファームの健康被害の現実」には、次のようなリードがある。

 「ガスを使って、電気とお湯をつくりだすエネファーム。高価格だが、東日本大震災以降、節電および発電できる装置として、ガス会社は、国や自治体から補助金が出ることをPRし、その普及に力を注ぐ。ところが、頭痛、吐き気、不眠など、エネファームによる健康被害が生じているが、まったく報道されていない。近畿在住の3名の被害者から、健康被害などの実態について、原稿を寄せてもらった」

 被害者の一人であるBさんは、こう訴える。

 「2010年12月、新築の隣家にエネファームが設置され、試運転が始まると、その不快な騒音のため、庭に出るのが憂鬱になった。そして、隣家が入居した翌朝から、室内に耳慣れぬ音がして、その日以来、2階寝室では眠れず、1階居間で1日2〜3時間の仮眠をとる状態になった」

 Bさんのウェブサイト「我が家の低周波音被害」のうち自宅を離れて1年 その2」「には、隣家に設置されたエネファームとエアコン室外機の配置図が掲載されている。

 配置図を見ると、Bさん宅と隣家との間に、隣家のエネファームが1台、パワコンが1台、エアコン室外機が4台も並んでいる。それに加えて、別の境界線に沿ってエアコン室外機が5台並んでいる。余りの異様さに思わず息を飲んでしまう。

 Bさんが、「隣家や施工会社(住宅メーカー)に置き場を替えてほしい、と要望しても、応じてくれない」、というのだから事態は深刻である。そのため、やむを得ず、Bさん一家は、別の場所に「避難」した。

 Bさんは「建築ジャーナル」で次のように指摘している。

 「エコキュートは、多くの問題が各地で発生したため、販売10年目にして、日本冷凍空調工業会は据付ガイドブックを発行し、設置場所選定の留意点を細かく記載した。しかし、エネファームにはこの教訓が生かされず、その取扱説明書には、設置場所に関して隣家への配慮は記載されていない」

 Bさんが受けている被害は、先に述べたように、「騒音と低周波音の二重・三重攻撃」である可能性が高い。そして、さらに、「CO2(二酸化炭素)を含む排気ガス」が加わった「四重攻撃」の可能性さえ否定できない。

「エネファーム」の排気ガス問題

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