動き出した消費者事故調
「エコキュート」騒音トラブルは、日本冷凍空調工業会が、2011年4月に、「家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の据付けガイドブック」を作成し、「隣家への配慮」を明記したことによって、解決のための大きな方向性は見えてきた。
しかし、トラブルは今でも続いている。最近では、2012年12月10日付の「産経新聞」が、次のように報じた。
深夜電力を使って電気代を節約できるヒートポンプ式給湯機「エコキュート」から出る低周波音が原因で不眠症になったとの申し出を、消費者安全調査委員会(消費者事故調)が調査対象に選んだことが9日、申し出た男性への取材で分かった。
事故調は11月、東京都内で2006年に起きたエレベーターの死亡事故など5件を選定。エコキュートの事案を含め独自調査する2件は「調査の妨げになる」として公表していない。
体調不良を訴えたのは群馬県高崎市の男性(51)。男性によると、09年2月、自宅に隣接する住宅でエコキュートの運転が始まると、夜中に突然目が覚め、頭の奥で振動が響くのを感じるようになった。不眠症や自律神経失調症と診断され、妻も不調を訴えているという。
男性は県や環境省などに相談したが、納得できる対応がないため昨年7月、機器メーカーなどに損害賠償を求め前橋地裁高崎支部に提訴した。
男性は「事故調には公表してほしかった」と話している──。