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「不思議音」と「怠慢エコ機器」がもたらす新たな騒音トラブル――(中編)エコキュート問題、エネファーム問題

建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2013年 3月13日

「前編」から続く)

エコキュートの「正しい据付」方法

 数年前からエコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)の騒音が問題になっているのに続いて、現在はエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)の騒音が問題になっている。その特徴は、エコキュートが犯した誤ちを、エネファームがそのまま繰り返していること。これは、もう、「怠慢な行為」と指摘せざるを得ない。

 日本冷凍空調工業会が、エコキュート問題を受けて、2011年4月に作成した「家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の据付けガイドブック」には、次のように記されている。

 「ヒートポンプ給湯機は、深夜から明け方にかけて深夜電力を使って、ヒートポンプユニットでお湯を作ります。深夜は周りの音が静かなため、運転音自身が小さくても、運転音が認識されやすい傾向にあります」(2ページ)

 「また、ヒートポンプ給湯機の騒音レベルは、ヒートポンプユニット近傍で40dB程度ですが、外気温や水温等の環境条件によって運転状態は変化します。特に冬場は、圧縮機や送風機の回転数が上昇するため、運転音が大きくなる傾向があります」(2ページ)

 「以下は、ヒートポンプユニットの据付け場所を検討いただくためのポイントです。
 (1) お客様および隣接するご近所様の寝室の傍は避ける。
 (2) ヒートポンプユニットの近辺に、窓や床下通風口等の音の侵入口があれば、極力、距離をとる。
 (3) ヒートポンプユニットの周囲に極力スペースを設け、壁や塀で音が反射しないように工夫する」(3ページ)

各種機器の運転音比較

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