大型ライブで実証 新国立競技場「開閉式屋根」は税金のムダ
2014年3月14日 掲載
ももクロだ!AKBだ!/(C)日刊ゲンダイ
■年間38億円の巨額メンテナンス費
6年後の東京五輪に向け、国立競技場は約1700億円の巨額予算を投じて、常設8万人収容の巨大スタジアムに生まれ変わる。年間メンテナンス費は現行の4倍以上となる約38億円に膨らむ。新国立の屋根は「開閉式」の予定で、それに伴う管理費や空調費、清掃費のコスト増が大きな理由だ。
開閉式屋根の建設予定費は約150億円。自民党の無駄撲滅プロジェクトチームからも「本当に必要か」と見直しの声が上がったが、政府はこう言って突っぱねてきた。
「開閉式屋根は必須条件。(屋根があれば)コンサートが年間10回程度でき、維持管理費が黒字になる」(下村文科相)
実際は、屋根がなくても過密スケジュールでコンサートを開いているし、「5月末にスポーツと音楽を融合したファイナルセレモニーのほか、4、5月も音楽イベントを予定し、国立のフィナーレを盛り上げていきたい」(JSC広報室)と言うから、ますます「開閉式屋根は不要」と実証しているようなもの。
JSCに「従来の開閉式屋根新設の説明と、今回の音楽イベント開催は整合性が取れないのでは?」と聞いても、「コンサート利用を想定した場合、天候に左右されない安定的な開催や増収を図る観点から開閉式屋根の設置は必要」(広報室)の一点張りだった。建設を許したが最後、無用の長物を税金で抱え込むことになる。