クリミア住民投票へ 準備進む3月15日 19時08分
ウクライナ南部のクリミアでは、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票に向けて投票所の開設などの準備が進んでおり、憲法違反だとするウクライナの暫定政権や欧米の反対にもかかわらず、16日に住民投票が行われる予定です。
ウクライナ南部のクリミアでは、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票が現地時間16日午前8時から(日本時間の16日午後3時)およそ1200の投票所で一斉に行われる予定です。
これを前に、クリミア自治共和国の中心都市シンフェロポリの投票所では15日、選挙管理委員会の職員が投票箱を設置したり、投票用紙を用意したりして準備を急いでいました。
地元政府によりますと、有権者数はおよそ150万人で、有効投票総数の過半数が賛成すれば、ロシアへの編入が承認されたことになるとしています。
クリミアでは人口の60%以上をロシア系住民が占め、暫定政権の支持者は投票をボイコットする構えのため、賛成多数でロシアへの編入が承認されるのは確実な情勢です。
クリミアの住民投票を巡っては、ウクライナの暫定政権と欧米は国の憲法や国際法に違反しているとしており、これを無視するかたちで実施されることに強く反発しています。
一方、ロシア系住民の多いウクライナ東部のハリコフで14日、クリミアの住民投票を支持するロシア系住民と暫定政権の支持者が衝突して2人が死亡するなど、混乱が広がっています。
ロシア大使館前で抗議デモ
ウクライナ南部のクリミアでロシアへの編入の賛否を問う住民投票が行われるのを前に、首都キエフのロシア大使館前でクリミアの住民らが抗議デモを行いました。
キエフにあるロシア大使館の前には15日、クリミアの住民や出身者らおよそ30人が集まりました。
参加者らは、「クリミアはウクライナだ」、「住民投票反対」などと書かれたポスターを持ち、「私たちのクリミアをロシアには渡さない」と声を上げました。
デモを呼びかけたクリミア出身の女性は、「現地には、ウクライナに見捨てられるのではないかと不安を感じる人がいるのでそうではないと伝えたい。実家に帰るために国境を越えるようなことはしたくない」と話していました。
また、参加した男性は、「ウクライナ人であることに、ことばや宗教は関係ない。現地には、住民を分裂させようとしている人たちがいる」と話していました。
このほかクリミアから来たジャーナリストは、「クリミアから家族で逃げてきた。今、現地でジャーナリストとして活動するのは非常に危険だ。クリミアは今後、ロシアの好きなようにされてしまうのではないか」と不安そうに話していました。
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