名古屋グランパスの田口泰士、磯村亮太の2MFが16日、そろって23歳の誕生日を迎えた。今季はし烈なレギュラー争いとなっている同じ生年月日の2人。先発の座を磯村に奪われた形となっている田口は守備面での課題修正に取り組んでいる。西野監督が先発メンバーの入れ替えを示唆したナビスコ杯初戦をレギュラー奪取の好機と捉え、闘志を燃やした。
サポーターからもらったプレゼントの紙袋を提げながら、田口は黒く日に焼けた顔に白い歯をのぞかせた。「まだ23歳、でももう6年目っすよ。超早い」。この日、磯村とそろって誕生日を迎えたテクニシャン。昨年、一昨年とリーグ25試合に出場し、ほぼレギュラーの座を手にした。しかし今季は開幕から途中出場2試合で計31分の出場。3戦連続先発の磯村に水をあけられた。
その理由を西野監督はこう語った。「泰士は組み立てもできるし、技術も高い。ただ守備面でリスクがある。去年強引なプレーで止めるクセがついているのが気になる。相手を引っ張ったり、カードをもらったり」。確かに田口は一昨年ボランチ陣で最も多い6度の警告を受け、昨年も4度、さらに4月20日のFC東京戦では退場処分を受けている。ストイコビッチ前監督が警告覚悟で相手カウンターを止める「タクティカル・ファウル」を指示していたとはいえ、新指揮官にとっては重要な修正点と映った。
キャンプ中からその点を伝えられていた田口は、「そこは変えられると思う。練習試合でも意識してそういうプレーはなくしている」と修正に取り組んでいる。ただ「それだけだとは思っていない」と話すように、あくまでボランチとして攻守の総合力を上げることを強調した。
復権の足掛かりとなるのがナビスコ杯だ。西野監督もメンバーの入れ替えを示唆しており、田口にとってはチャンス。「1、2番手はイソ(磯村)とダニ(ダニルソン)で、オレは3、4番手という立場。チャンスをもらったときにアピールしていければ、その位置も上がる」と意気込んだ。ダニルソン、中村も含めた4人でのし烈なポジション争いが、西野グランパスをさらに強くする。
この記事を印刷する