伊勢丹で手腕発揮、元カリスマバイヤー参院議員が５４歳急死…

死去した藤巻幸夫参院議員 Photo By 共同

　結いの党の藤巻幸夫（ふじまき・ゆきお）参院議員が１５日午後１０時３４分、出血性ショックのため入院先の東京都内の病院で死去した。５４歳。東京都出身。通夜は１９日午後６時、葬儀・告別式は２０日午前１０時から、いずれも東京都港区芝公園４の７の３５、増上寺＝（電）０３（３４３２）１４３１＝で。喪主は長女沙織（さおり）さん。葬儀委員長は江田憲司結いの党代表が務める。

　関係者によると、昨年１２月、同党結党に参加した直後に体調を崩し、今年１月に急性膵炎（すいえん）で入院。同２４日に召集された通常国会も休んでいた。容体は一時落ち着いたが、１５日夜に急変したという。

　藤巻氏は上智大を卒業後、大手百貨店の伊勢丹に入社。「解放区」「バーニーズ・ジャパン」「リ・スタイル」などのブランド立ち上げに手腕を発揮し、ファッション業界で「カリスマバイヤー」として知られた。退社後、肌着メーカー「福助」の社長に就任し、約１年半で経営再建に成功。イトーヨーカ堂取締役のほか、日本テレビ「ズームイン！！ＳＵＰＥＲ」やテレビ朝日「モーニングバード」などでコメンテーターを務めた。

　２０１０年の参院選でみんなの党から比例代表候補として立候補し落選。その後、比例当選した同党参院議員が他党から衆院選に出馬して自動失職したため、１２年１２月に繰り上げ当選した。同僚議員は「一見こわもてだが、ざっくばらんで多才な人。消費者の目線で政策に取り組んでおり、国会に新しい風を起こしてくれると期待していただけに残念」と肩を落とした。実兄は日本維新の会の藤巻健史参院議員。

　死去に伴い、１０年参院選のみんなの党比例名簿に従い、田中茂氏が繰り上げ当選する見通し。