ニューヨーク・タイムズ日曜版の「ザ・ニューヨーク・タイムズ・マガジン」のカバー・ストーリーは『A Tale of Two Valleys(二つのバレーの物語)』と題された、シリコンバレーの世代間ギャップに関する記事でした。
それによると最近、シリコンバレーでは若いエンジニアとベテランのエンジニアの間でコミュニケーションの断絶が起きていて、若いエンジニアは創業まもないスタートアップを目指す場合が多く、ベテランのエンジニアは古くからあるシリコンバレーの大企業に勤め、この二つのグループは余り交流が無いそうです。
この背景にはフェイスブックやグーグルに代表されるような「テクノロジーのコンシュマー化(consumer-ification of tech)」があり、若いエンジニアは半導体、データ・ストレージ、ネットワーキングなどのセクシーでないIT分野を避けるようになったことがあります。
若いエンジニアやスタートアップ企業は、そのサービスを開始するにあたってインフラストラクチャをどうするか? という面に殆ど気を配らず、ただもっと新しいウェブ・アプリケーションを考え出すことばかりに腐心しているというわけです。つまりそれらのスタートアップは技術主導型(technology-driven)ではなく、アイデア主導型(idea driven)になっているのです。
「かつていまほどアイデア一発勝負で、実際のインプリメンテーションが拙くても、なんとか誤魔化せるような時代は無かった」とインタビューされたひとりはコメントしています。
このようなことが可能になった一つの理由は、いまはアマゾン・ウェブ・サービセズ(AWS)に代表されるホスティングを簡単に利用できるようになったので、スタートアップ企業が自分のラックをデータセンター内に持ち、ああでもない、こうでもないとチューニングする必要が無くなったことも関係しています。
大学生は、ハーバードの「CS50」のようなプログラミングの初歩を教えるコースを履修し、すぐにプログラミングを始めます。現在、「CS50」を履修している生徒の73%は過去にプログラミングをした経験は皆無で、受講者の39%は女子生徒だそうです。これは昔とは大違いです。
そのコースを履修している若者はデート・アプリなどを作り、ちょうどフェイスブックがハーバードの学生寮から誕生したように、今でもホットなアプリをお手軽に作り上げることに熱中しているわけです。
そのような若者の中から「the 10x engineer(常人の10倍の生産性をもつ、カリスマ・エンジニア)」が登場し、そんな有能なヤツを雇えば、スタートアップとしては老いぼれエンジニアなど必要ないというわけです。
いま、シリコンバレーは熱く、ウェブ業界は楽しいです。しかしこの熱中は「もっと、もっと」というエスカレートを生み、「もし、もっと楽しい、もっと凄いものが出来なかったら、どうしよう」という不安を内在しています。それは若いエンジニアを単線的に仕事ばかりに向かわせます。
フェイスブックの社員の平均年齢は26歳で、ヒューレット・パッカードは39歳だそうです。つまり遊び盛りの若いエンジニアは、デートもせず、コードばかり書いているわけです。
■■■
サンデーNYタイムズの記事は、要約すると大体、そんなところです。この記事を読んだ僕の感想は、確かにテクノロジーのコンシュマー化はいままでとちょっと違うタレントを要求しはじめているなというものです。
そしてthe 10x engineerみたいなことは、ウェブ・コンテンツの世界でも起きている気がします。早い話、「ちきりん」や「メイロマ」や「イケダハヤト」の生産性は、すくなくともページビューという尺度に関する限り、10xどころか100倍、1,000倍なわけで……。
ただ、ブームというものは必ず終わりが来ます。しかも「もうこれが未来永劫に続くだろう……」と思った頃に限って(笑)パッタリと音楽が止まるわけです。
それによると最近、シリコンバレーでは若いエンジニアとベテランのエンジニアの間でコミュニケーションの断絶が起きていて、若いエンジニアは創業まもないスタートアップを目指す場合が多く、ベテランのエンジニアは古くからあるシリコンバレーの大企業に勤め、この二つのグループは余り交流が無いそうです。
この背景にはフェイスブックやグーグルに代表されるような「テクノロジーのコンシュマー化(consumer-ification of tech)」があり、若いエンジニアは半導体、データ・ストレージ、ネットワーキングなどのセクシーでないIT分野を避けるようになったことがあります。
若いエンジニアやスタートアップ企業は、そのサービスを開始するにあたってインフラストラクチャをどうするか? という面に殆ど気を配らず、ただもっと新しいウェブ・アプリケーションを考え出すことばかりに腐心しているというわけです。つまりそれらのスタートアップは技術主導型(technology-driven)ではなく、アイデア主導型(idea driven)になっているのです。
「かつていまほどアイデア一発勝負で、実際のインプリメンテーションが拙くても、なんとか誤魔化せるような時代は無かった」とインタビューされたひとりはコメントしています。
このようなことが可能になった一つの理由は、いまはアマゾン・ウェブ・サービセズ(AWS)に代表されるホスティングを簡単に利用できるようになったので、スタートアップ企業が自分のラックをデータセンター内に持ち、ああでもない、こうでもないとチューニングする必要が無くなったことも関係しています。
大学生は、ハーバードの「CS50」のようなプログラミングの初歩を教えるコースを履修し、すぐにプログラミングを始めます。現在、「CS50」を履修している生徒の73%は過去にプログラミングをした経験は皆無で、受講者の39%は女子生徒だそうです。これは昔とは大違いです。
そのコースを履修している若者はデート・アプリなどを作り、ちょうどフェイスブックがハーバードの学生寮から誕生したように、今でもホットなアプリをお手軽に作り上げることに熱中しているわけです。
そのような若者の中から「the 10x engineer(常人の10倍の生産性をもつ、カリスマ・エンジニア)」が登場し、そんな有能なヤツを雇えば、スタートアップとしては老いぼれエンジニアなど必要ないというわけです。
いま、シリコンバレーは熱く、ウェブ業界は楽しいです。しかしこの熱中は「もっと、もっと」というエスカレートを生み、「もし、もっと楽しい、もっと凄いものが出来なかったら、どうしよう」という不安を内在しています。それは若いエンジニアを単線的に仕事ばかりに向かわせます。
フェイスブックの社員の平均年齢は26歳で、ヒューレット・パッカードは39歳だそうです。つまり遊び盛りの若いエンジニアは、デートもせず、コードばかり書いているわけです。
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サンデーNYタイムズの記事は、要約すると大体、そんなところです。この記事を読んだ僕の感想は、確かにテクノロジーのコンシュマー化はいままでとちょっと違うタレントを要求しはじめているなというものです。
そしてthe 10x engineerみたいなことは、ウェブ・コンテンツの世界でも起きている気がします。早い話、「ちきりん」や「メイロマ」や「イケダハヤト」の生産性は、すくなくともページビューという尺度に関する限り、10xどころか100倍、1,000倍なわけで……。
ただ、ブームというものは必ず終わりが来ます。しかも「もうこれが未来永劫に続くだろう……」と思った頃に限って(笑)パッタリと音楽が止まるわけです。