魔物を統べて世界支配を企んでいた魔王は、勇者とその一行に討たれた。
それによって魔物達は統率を欠き、世界にはひとまずの平和が訪れた。
それから時は流れ……。
勇者の仲間だった者同士の息子『アドゥルス』が、冒険者育成施設『スパルティア』へと入った。
更に時を同じくして、勇者の娘も育成施設へ。
アドゥルスは、彼女や他の訓練生達と交流を深めながら、日々の訓練を乗り越えていく。
その様子に、人々は、新たな世代が作るだろう英雄譚に胸躍らせていた。
だが……。
「まさか勇者の娘がいるとは、予想外だな……」
アドゥルスの中に潜む影。
……それは、かつて討たれたはずの魔王。
勇者の仲間にいた女の腹の中にいた胎児(アドゥルス)に、魔王は死ぬ間際、その魂を移したのだ。
だがそのせいで力は失われ、夜しか彼の意識を乗っ取って行動する事が出来なかった。
「だが、やる事は変わらない。女達を犯し、力を手に入れる……」
我が身の復活と勇者への復讐のため、魔王は行動を開始する……。