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【社会】

福島の痛み 思い起こせ 都内で脱原発集会

脱原発を訴え、デモ行進する参加者=15日午後、東京都中央区銀座で

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 東日本大震災から三年を経過後、東京都内で初の大規模な脱原発集会が十五日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、約五千五百人(主催者発表)が参加した。作家の大江健三郎さんが原発への反対姿勢をあらためて明確にしたほか、集会後は参加者が東京電力本店(千代田区)付近をデモ行進し、原発再稼働に向けた動きに「ノー」を突きつけた。

 集会は「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」が主催。大江さんは、再稼働に向けて川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の審査を進める意向の原子力規制委員会を批判。その上で、脱原発を「自分の責任を取る願い」と位置付け、「今現在その運動を続け、あきらめない形で残りの人生を全うしたい」とし、脱原発を貫く姿勢を示した。宇宙飛行士の秋山豊寛さんも「川内原発を再稼働させてはいけない」と訴えた。

 福島県の市民団体「ハイロアクション福島」の武藤類子さんも「3・11は決して記念日ではなく、今も続いている。『忘れたい』と『忘れるものか』のせめぎ合いの中で、(県民が)理不尽な被害に遭った被害者だと思い起こさなければならない」と語りかけた。

 集会後、参加者は東電本店や銀座周辺をデモ行進。埼玉県新座市の西山英夫さん(70)は「四歳と一歳の孫のため、将来を安心安全な社会にしたいとの思いで参加した」。千葉市の渡辺寿子さん(71)も「これで原発をなくせなければ福島の事故は何だったのか。教訓を生かしたことにならない」とし、原発再稼働の動きにくぎを刺した。

 

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