塚本和人
2014年3月16日08時41分
京都市内の江戸時代前期(17世紀前半)の町屋跡で見つかった壺(つぼ)や椀(わん)などから、東南アジア産の漆の成分が確認された。高級漆器の生産などに必要な大量の漆を賄うために輸入していたらしい。平戸や長崎在住のオランダ商館長の日記などから、漆の輸入は知られていたが、考古資料で裏付けられたのは初めて。
東京文化財研究所の北野信彦・伝統技術研究室長(塗装技術史)らの研究チームが、京都市中京区の町屋跡のごみ穴遺構で2003~04年に出土した、タイ(シャム)産とみられる「四耳壺(しじこ)」、木製のヘラや刷毛(はけ)、日常生活用とみられる鶴亀文様の朱漆器椀などに付いた漆を分析した。
アジアの漆は産地により、日本・中国(主成分ウルシオール)▽台湾・ベトナム(同ラッコール)▽タイ・ミャンマー・カンボジア(同チチオール)の3種類に分けられる。
分析の結果、四耳壺からチチオール成分を検出。産地から集めた樹液を入れて朱印船貿易で持ち込み、京都の漆工房へ運んでいたらしい。ヘラからはチチオールとラッコール、刷毛からはウルシオールとチチオール、朱漆器椀からはウルシオールとチチオールを確認。国内産とブレンドしていたとみられる。
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!