9試合が行われ、名古屋グランパスはジョシュア・ケネディ(31)のヘッドで先制すると、楢崎正剛(37)が左足1本で防ぐスーパーセーブで柏の攻撃を抑えて連勝。鹿島が鳥栖に3−0で快勝し、開幕3連勝で単独首位に立った。
◆名古屋1−0柏
名古屋が誇るオージータワーが、黄色い壁を粉砕した。後半21分、右サイドをドリブルで駆け上がったFW矢野のクロスを、ケネディが相手ディフェンスの上から頭でたたき込む。この1点でアウェーの難敵を下し、2連勝。3試合で2得点2アシストと絶好調のケネディは、「本当にタフな試合だった。次につながる会心のスタートを切れた」と胸を張った。
Jリーグ6年目のケネディだが、西野監督は初めての日本人指揮官。当初はキャンプでの全員そろっての朝の散歩やバス移動など、昨年までとは違う選手管理に戸惑いもあった。それでも「もちろん合わせる努力をしているよ。新しい監督は新しいものをもたらすし、監督にはそれぞれの哲学があるもの。それを尊重しているし、私だけでなくみんなそうだろう。ドイツでもそういう経験をしてきている」と受容。監督交代を「グッド・トランジション(良い転換)」と捉え、「ニシノサンの練習は量も質もプロフェッショナルなものだ。腰の状態もいい」と好調の要因に挙げた。
グランパスでは最もブラジルW杯に近い存在だ。しかし豪州代表がエクアドル代表とロンドンで対戦した3月5日の国際Aマッチデーには招集されなかった。同代表は昨年10月にケネディへの信頼厚かったオジェック監督からポステコグルー監督に替わったばかり。「シーズン終盤で状態のいいAリーグの選手を呼んだのだろう」と話していたものの、内心は穏やかではなかった。
だからこそ本大会メンバー発表まで残り約2カ月のJリーグが重要なアピールの場となる。「W杯の年だから、監督もいろいろな試合をチェックしているだろう。ベストなプレーを続けていかなければいけないし、もちろん映像は届けられていると思うよ」。
活躍のニュースと90分間全力プレーを母国に届け、吉報を待つ。 (宮崎厚志)
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