クリミア:首都の庁舎を武装集団が占拠 ロシア国旗掲げる
毎日新聞 2014年02月27日 21時22分(最終更新 02月28日 01時39分)
【シンフェロポリ(ウクライナ南部)真野森作】ウクライナ南部クリミア自治共和国の首都シンフェロポリで27日、武装集団が政府庁舎と議会を占拠した。庁舎にロシア国旗が掲げられており、ロシア系住民が旧野党勢力への敵対行動に出た可能性もある。同じクリミア半島にある港湾都市セバストポリにはロシア黒海艦隊の基地があることから、緊張が高まる恐れも出ている。
報道によると、武装した数十人の集団が同日朝、庁舎と議会に侵入し、入り口をテーブルなどで封鎖。軍服姿だったが、所属を示す記章は確認できなかったという。自治共和国の議会は、将来の帰属を巡る住民投票の5月実施を宣言した。
議会前でロシア系住民ら1000人以上が集会を開いた。ロシア国旗が何本も掲げられ、「ロシア」と叫ぶ人も。参加した女性は「キエフではファシストが権力を握っている。クリミアを守るため、政治的立場や民族を超えて集まった。ロシアはいつも助けてくれる」とロシア語で話した。別の男性も「ロシア語を話す人がほとんどなのに、中央政府は配慮してくれない。経済も悪化し、二重に苦しんでいる」と嘆いた。
ウクライナ最高検察庁は占拠について「テロ行為」の条項に基づく刑事事件として捜査を開始。現場には警官隊約100人が集まり、包囲網を敷いた。治安部隊は非常時に備え、シンフェロポリ近郊に展開した。
ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は27日に最高会議(国会)で、「ロシア黒海艦隊の部隊が国境を越えて移動した場合、軍事侵攻とみなす」と表明。ウクライナ外務省は駐ウクライナのロシア臨時代理大使に対し、2国間協議をよびかける覚書を渡した。
クリミア自治共和国はソ連時代の1954年、ロシア共和国からウクライナ共和国に割譲された地域でロシア系住民が多く、親露感情が強いとされる。