安倍首相、河野談話の継承を明言

米国の圧力で一歩後退
「靖国参拝は平和を祈念するため」との主張はそのまま
日本政府、河野談話の「検証」は続ける方針

 日本の安倍晋三首相が14日、国会での答弁で、旧日本軍の慰安婦強制動員を認め謝罪した「河野談話」について「見直しはしない」と表明した。安倍首相が河野談話の見直しを行わないことを明言したのは今回が初めてだ。安倍首相は就任前「河野談話を修正する」と何度か発言したことがある。だが今回の発言は、旧日本軍によって強制的に動員された慰安婦の存在を認めるというのではなく、複数の目的による外交カードだとの見方も出ている。

 安倍首相はこの日「慰安婦問題については、筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む。この点についての思いは、私も歴代総理と変わりない」と述べた。安倍首相はこれまでにもたびたび、このような発言をしてきたが、それは「慰安婦の存在は認めるが、強制動員はなかった」と強調するための表現だった。また安倍首相は「この問題については、いわゆる河野談話がある。官房長官が記者会見で述べている通り、安倍内閣でそれを見直すことは考えていない」と発言した。

 一方、安倍首相は「戦後50周年に当たって発表された(植民地支配や侵略戦争について謝罪した)村山談話、60周年に当たって発表された小泉談話など、歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」と述べた。安倍首相はこれまでにも、村山談話を継承するとの発言をたびたび行っている。時事通信は「安倍首相が河野談話の見直しを否定したのは、日韓関係の改善を図るためだ」との見方を示した。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、韓日関係を正常化するための条件として、河野談話を確実に継承するよう求めてきた。また、米国による圧力も作用したと考えられる。米国は来月、オバマ大統領が韓国と日本を訪問するのを前に、安倍首相に対し「歴史認識問題で両国間の不必要な対立を引き起こさないように」と注文している。

 だが、安倍首相はこの日、A級戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社への参拝について「平和を祈念するための行為であり、周辺国に対し十分に趣旨を説明し、理解を求めたい」とのこれまでの主張を繰り返した。また「歴史問題は政治・外交問題化されるべきものではなく、歴史の研究は有識者や専門家の手に委ねるべきだ」と述べた。これは韓国が、韓日両国の関係改善の前提条件として、元慰安婦に対し法的な補償を求めていることを批判するものと考えられる。

 韓国政府が反対している河野談話の検証を進めるという日本政府の方針は変わっていない。菅義偉官房長官はこの日、国会での答弁で「河野談話の作成過程で日韓両政府によるすり合わせがあったかどうかを検証し、調査結果を公表する」と述べた。

 外交筋は「安倍首相が河野談話を継承するとの意向を表明したことで、韓日関係の改善に向けたボールは韓国側に投げられた」との見方を示した。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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