福島第1原発事故:赤城大沼ワカサギ…やっと食べられる!

毎日新聞 2014年03月15日 20時28分(最終更新 03月15日 23時16分)

氷上でワカサギ釣りを楽しむ家族連れら=前橋市富士見町赤城山の赤城大沼で2014年3月15日午前9時8分、尾崎修二撮影
氷上でワカサギ釣りを楽しむ家族連れら=前橋市富士見町赤城山の赤城大沼で2014年3月15日午前9時8分、尾崎修二撮影

 赤城大沼(前橋市富士見町赤城山)のワカサギの出荷自粛要請解除から一夜明けた15日、同沼では、ワカサギ釣りを楽しむ釣り客や漁業・観光業関係者から喜びや安堵(あんど)の声があがった。

 同沼はワカサギ釣りの人気スポットで、毎年9月〜翌3月のシーズン中、夏はボート釣り、冬は氷上釣りが楽しめる。しかし東京電力福島第1原発事故以降、ワカサギから当時の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、赤城大沼漁業協同組合は釣りの解禁を見送った。その後解禁されたものの、県は釣ったワカサギの現地回収を求める出荷自粛要請を出していた。

 青木泰孝組合長(64)は「ボート業者やお客さんが回収に協力してくれた。なんとか常連客に踏みとどまってもらえた」と振り返る。ただ、客足は原発事故前の4割程度まで落ちこみ、初心者や都内のバスツアー客はほとんど来なくなったという。青木組合長は「今後も心配がなくなるわけではないが、ワカサギの放射性物質の値を軽減するための研究も進んでいる。漁協として、研究や県の調査に協力していきたい」と話す。ワカサギの回収箱は当分の間置いておくという。

 湖畔の旅館「青木別館」のオーナーで、ワカサギ釣り用品のレンタル業も営む青木猛さん(50)は「いろいろなことがあった」と3年間の苦労をしみじみと振り返った。旅館のレストランではワカサギ揚げを出していたが、放射性セシウムの基準値超えが発覚してからは北海道産を仕入れていた。客が釣ったワカサギを揚げるサービスもなくなり、「小学生が、自分で釣った魚を持って帰りたいと泣いていたこともあった。やっと食べてもらえるのはうれしい」と話した。

 15日早朝から釣りを楽しんでいた前橋市の40代男性2人組は常連客。「ここのワカサギは臭みがなくて本当においしかった。今日はあんまり釣れていないが、持ち帰って食べたい」と話した。【尾崎修二】

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