抗生物質(テトラサイクリン; TC)を担持することで、感染が起こりやすいⅢ度熱傷創に対して有効な抗菌性ナノシートの構築に成功した。TCナノシートは透明で貼付性が高く患部の熱創傷の状態を観察しながら、黄色蛍光によってTCの担持量も確認できる。ナノシートは7日後も患部にとどまりTCを保持していることが明らかとなった。
膜厚75nmからなるナノシートの貼付による下大静脈からの大量出血の止血を試みた。ナノシートはその強度性から一枚では完全な止血が困難であったものの、2-3枚程度の貼付で完全な止血に成功した。これは貼り合わせによってナノシートが密着し合うことで耐圧性が向上したためと思われる。また、予後も安定であり、他組織との癒着も少なかった。以上より、ナノシートは静脈止血材として有用であることが実証された。
自己支持性高分子ナノシートの物性評価と医療応用
細胞内の様々な生理現象を可視化するための新規蛍光プローブの開発
アミノ酸脂質リポソームを用いたより効率の良いDDS担体の開発
脂質リポソームを用いた血小板代替物の構築