研究機関番号 | : 32689 | 研究機関名 | : 早稲田大学 |
研究種目名 | : 基盤研究(B) | 研究期間 | : 平成 17 年度 〜 平成 20 年度 |
課題番号 | : 17310053 | ||
研究課題名 | : 微生物生態系を制御した高性能窒素・リン同時除去型排水処理システムの開発 |
代表者名(漢字) | 代表者名(ヨミ) | 所属部局名 | 職名 |
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常田,聡 | ツネダ サトシ | 理工学術院 | 教授 |
分担者名(漢字) | 分担者名(ヨミ) | 所属機関名・所属部局名 | 職名 |
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青井,議輝 | アオイ ヨシテル | 高等研究所 | 助教 |
湖沼・内湾等の停滞性,閉鎖性水域における富栄養化は,窒素・リン等の栄養塩の過剰流入によるものであり,産業廃水および生活排水から窒素・リンを十分に除去する必要がある。従来型の生物学的高度処理法では窒素およびリン除去のための電子供与体として排水中の有機物が利用されるが,有機物濃度が低い場合,リンが十分に排水中から除去しきれない。そこで,本研究では窒素とリンを同時に除去できる微生物群(脱窒性リン蓄積細菌(DNPAO))の積極的な利用を図り,単一槽での有機物・窒素・リン除去を行う新規プロセスである嫌気/好気/無酸素(AOA)法の開発を行ってきた。これまでの研究から,硝化細菌と脱窒性リン蓄積細菌を浮遊状態で共存させると,好気条件下で酸素の競合を起こし,硝化速度が低下すること,また好気条件下でほとんどのリンが摂取されるため,続く無酸素条件下で脱窒性リン蓄積細菌による脱窒反応が起こらなくなることが示された。そこで,昨年度よりシリコンチューブを酸素供給素材とし,その周囲にサラン繊維を巻き付けて硝化細菌を生物膜として固定化する方式(SBMBfRと呼ぶ)を検討している。本年度は,流入排水中の有機物・窒素濃度比(C/N 比)を変化させSBMBfRと従来法の窒素・リン除去能を比較し,低C/N 比排水への適用性を調べた。その結果,60日間の運転期間中,C/N比2.0以上の排水に対して80%以上の窒素・リン除去率を達成した。また,嫌気/好気/無酸素の1サイクルのプロファイルを確認した結果,嫌気条件下でのリン放出,エアレーション後の硝化・脱窒・脱リンがコンセプト通り進行していることが確認された。以上よりSBMBfRの長期的な有用性がC/N比2.0以上の排水において確かめられた。 |
(1) 生物学的排水処理 |
(2) 高度処理 |
(3) 栄養塩除去 |
(4) メンブレンエアレーション |
(5) 硝化細菌 |
(6) 脱窒性リン蓄積細菌 |
番号 | 著者名 | 論文表題 | 雑誌名 | 査読の有無 | 巻 | 発行年 | 最初と最後の頁 |
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1 | A. Terada, S. Lackner, S. Tsuneda, B. F. Smets | Redox-Stratification Controlled Biofilm (ReSCoBi) for Completely Autotrophic Nitrogen Removal: The Effect of Co- versus Counter-Diffusion on Reactor Performance | Biotechnol. Bioeng. | 有 | 97 | 2007 | 45 51 |
番号 | 発表者名 | 発表標題 | 学会等名 | 発表年月日 | 発表場所 |
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1 | 伊藤潤平 ,寺田昭彦,松本慎也,常田聡 | SBMBfR による生物学的窒素・リン除去技術の開発と低C/N比排水への適用 | 化学工学会第73年会 | 2008年3月17日 | 静岡大学 |
2 | 副島孝一,常田聡 | 脱窒性リン蓄積細菌を利用したAOAプロセスにおける炭素源添加濃度の最適化 | 第42回日本水環境学会年会 | 2008年3月21日 | 名古屋大学 |