脊髄損傷のサルをSTAP細胞移植で治療したと発表したチャールズ・ヴァカンティ教授のグループの小島宏司氏の論文における不適切な画像流用が3件(流用画像1、流用画像2、流用画像3)発覚しました。小島氏は小保方晴子氏の指導教官でした。少なくとも2度にわたる不適切な実験画像流用が行われており、これらが意図的な不正であろうがそうでなかろうが彼らの研究は杜撰であると言え、到底、猿でのSTAP細胞治療の話も信憑性は低いでしょう。
流用画像1(小島宏司)
流用画像1(小島宏司)
下記のチャールズ・ヴァカンティ教授のグループの小島宏司氏のJ Thorac Cardiovasc Surg. 誌の論文のFig.6のNATIVEのSafranin-Oの顕微鏡画像と、同氏のFASEB J.誌の論文のFig.5のTETのSafranin-Oの画像が類似しており、同一個体由来の実験画像と推測されます。
つまり、二つの実験画像は論文中の説明によると異なる実験条件で異なる時期に異なる個体から得られたもののはずですが、互いに類似しており実際は同一個体由来の画像であることから、2つの論文をまたがって不適切な実験画像流用が行われたと考えられます。
小島疑惑論文1
J Thorac Cardiovasc Surg. 2002 Jun;123(6):1177-84.
Autologous tissue-engineered trachea with sheep nasal chondrocytes.
Kojima K1, Bonassar LJ, Roy AK, Vacanti CA, Cortiella J.
1Center for Tissue Engineering, University of Massachusetts Medical School, Worcester, 01603-3122, USA.
小島疑惑論文2
FASEB J. 2003 May;17(8):823-8.
A composite tissue-engineered trachea using sheep nasal chondrocyte and epithelial cells.
Kojima K1, Bonassar LJ, Roy AK, Mizuno H, Cortiella J, Vacanti CA.
1Center for Tissue Engineering, University of Massachusetts Medical School, Worcester, Massachusetts, USA.
流用画像2(小島宏司)
小島疑惑論文2
FASEB J. 2003 May;17(8):823-8.
A composite tissue-engineered trachea using sheep nasal chondrocyte and epithelial cells.
Kojima K1, Bonassar LJ, Roy AK, Mizuno H, Cortiella J, Vacanti CA.
1Center for Tissue Engineering, University of Massachusetts Medical School, Worcester, Massachusetts, USA.
小島疑惑論文3
Anat Rec (Hoboken). 2014 Jan;297(1):44-50. doi: 10.1002/ar.22799. Epub 2013 Dec 2.
Tissue engineering in the trachea.
Kojima K1, Vacanti CA. 1CLaboratory for Tissue Engineering and Regenerative Medicine
1Department of Anesthesiology, Harvard Medical School, Brigham and Women's Hospital, 75 Francis St., Thorn 703, Boston, Massachusetts, 02115. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ar.22799/full
FASEB J.誌の2003年の論文のFig.5の左上画像(TETのH&E) と、Anat Rec (Hoboken)誌の 2014の Review論文のFig.2b画像が、実験条件が異なるにもかかわらず、同一であり、不適切な画像流用が疑われています。
FASEB誌のFig.5の画像(H&E染色)のTET(組織工学によって作製された気管)は、2月齢の羊の鼻中隔の 軟骨細胞と上皮細胞由来で、ヌードマウスの背中に移植した後、解析したもの。一方、Anat Rec誌のFig2bの画像(H&E染色)のTETは、6月齢の羊の骨髄由来で、免疫不全ラットに移植した後、解析したものです。このように実験条件が全く異なるのにTET(組織工学によって作製された気管)の画像が同一なのです。
Tissue engineering in the trachea.
Kojima K1, Vacanti CA. 1CLaboratory for Tissue Engineering and Regenerative Medicine
1Department of Anesthesiology, Harvard Medical School, Brigham and Women's Hospital, 75 Francis St., Thorn 703, Boston, Massachusetts, 02115. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ar.22799/full
FASEB J.誌の2003年の論文のFig.5の左上画像(TETのH&E) と、Anat Rec (Hoboken)誌の 2014の Review論文のFig.2b画像が、実験条件が異なるにもかかわらず、同一であり、不適切な画像流用が疑われています。
FASEB誌のFig.5の画像(H&E染色)のTET(組織工学によって作製された気管)は、2月齢の羊の鼻中隔の 軟骨細胞と上皮細胞由来で、ヌードマウスの背中に移植した後、解析したもの。一方、Anat Rec誌のFig2bの画像(H&E染色)のTETは、6月齢の羊の骨髄由来で、免疫不全ラットに移植した後、解析したものです。このように実験条件が全く異なるのにTET(組織工学によって作製された気管)の画像が同一なのです。
流用画像3(小島宏司)
FASEB Jのfig4dとAnat Rec (Hoboken)のfig2aが、類似しています。
流用画像3(小島宏司)
小島 宏司 (こじま・こうじ) の経歴
1990年 聖マリアンナ医科大学医学部 卒業(14回生)
1997年 聖マリアンナ医科大学病院呼吸器外科 医長。
1999年 バイオ気管の研究をめざし、渡米。
マサチューセッツ州立大・チャールズ・バカンティ教授のもとで、気管再生の研究に取り組む。
2002年5月 羊の鼻の軟骨からのどの気道を再生させ移植することに世界で初めて成功。
2004年 ハーバード大学医学部組織工学・再生医療研究室ディレクター。
(2014年1月30日 読売新聞) 新万能細胞、サルの治療で実験中…ハーバード大
【ワシントン=中島達雄】細胞に強い刺激を与えただけで作製できる新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の開発に理化学研究所と共にかかわった米ハーバード大の研究チームが、脊髄損傷で下半身が不自由になったサルを治療する実験を進めていることを30日明らかにした。
研究チームの同大医学部・小島宏司医師によると、脊髄損傷で足や尾が動かなくなったサルの細胞を採取し、STAP細胞を作製、これをサルの背中に移植したところ、サルが足や尾を動かせるようになったという。
現在、データを整理して学術論文にまとめている段階だという。研究チームは、人間の赤ちゃんの皮膚からSTAP細胞を作る実験にも着手。得られた細胞の能力はまだ確認中だが、形や色はマウスから得たSTAP細胞によく似ているという。
2014年1月31日 日テレ: STAP細胞 脊髄損傷のサル治療で実験中 (ニュース)(日テレ YouTube)
2014年1月31日 日本経済新聞:STAP細胞、サルで実験 米大「驚くべき結果」 脊髄損傷治療で
2014年1月31日 MSN産経:サルで実験 ハーバード大、脊髄損傷を治療
2014年2月6日 MSN産経:人で初のSTAP細胞か ハーバード大が写真公表 変化する能力を確認中
2014年2月6日 日刊スポーツ:人で初のSTAP細胞か
2014年2月7日 女性セブン2014年2月20日号:車椅子が要らなくなる? 「STAP細胞」で何が実現されるのか
2014年2月6日 日刊スポーツ:人で初のSTAP細胞か
2014年2月7日 女性セブン2014年2月20日号:車椅子が要らなくなる? 「STAP細胞」で何が実現されるのか
この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」第3回 組織工学の手法で、気管再生に取り組む
1/4ページ、2/4ページ、3/4ページ、4/4ページhttp://www.peeep.us/9622f420
再生気管
*小島 宏司(Laboratory for Tissue Engineering and Regenerative Medicine,Harvard Medical school,Brigham and Women's Hospital):米国での新規再生医療技術のヒト臨床応用 組織工学的手法を用いた再生気管の臨床への第一歩、医薬ジャーナル、47(10)、2515-2519、2011
筆者は米国において10年以上、自己細胞を用いた再生気管の研究を進めてきた。しかし未だ確かな治療効果と安全性を担保し得る再生気管を完成させるまでには至っていない。通常通り基礎研究を進めていた2009年10月某日、14歳の少女が、家族とともに我々を訪ねてきた。少女は切除不能の気管腫瘍 を患っており、全米トップ5の小児病院のすべてを受診した結果、余命半年と宣告されたという。 気道食道瘻の根治と腫瘍の完全切除には、気管分岐部を含む2~3cmの気管・気管支切除および食道部分切除が必要で、切除範囲が広範囲に及ぶため、患者自身の気管・気管支吻合による気道再建は不可能と判断され、結局、気道内ステント留置の選択肢しかなかった。その後、咳嗽のみならず縦隔洞炎も併発するようになり、致死的病態への進行の可能性が強く示唆されるようになった。そ こで主治医と家族は、我々のヒツジでの再生気管の研究報告を知り、2009年9月26日に我々の研究室に連絡をとってきた。
我々は14歳の少女とその家族に、これまでの自己細胞による再生気管の動物実験においての研究成果と、本技術をヒトに適応した際に起こり得る合併症について詳細に説明した。その結果、本人と家族は、我々が作成する再生気管による手術治療を強く望み、我々も本人の手術希望を受諾した。FDA(U.S.Food and Drug Administration)に申請し、口頭では2日で準備に進めることができ、書類審査でも約1ヵ月で初めての組織工学的手法による再生気管の使用が許可された。
我々は14歳の少女とその家族に、これまでの自己細胞による再生気管の動物実験においての研究成果と、本技術をヒトに適応した際に起こり得る合併症について詳細に説明した。その結果、本人と家族は、我々が作成する再生気管による手術治療を強く望み、我々も本人の手術希望を受諾した。FDA(U.S.Food and Drug Administration)に申請し、口頭では2日で準備に進めることができ、書類審査でも約1ヵ月で初めての組織工学的手法による再生気管の使用が許可された。
組織採取は2009年11月18日、全身麻酔下において、患者の左第6肋軟骨1.5cm長を採取した。培養に使用する自己血清を得るための採血も行ない、8週間にわたり培養した。2010年1月14日に培養した軟骨細胞をPGA(polyglycolic acid)に撒き、PGA-Cell複合体シートとして5日間培養した。1月19日の午前11時にPGA-Cell複合体シートをあらかじめ、患者のサイズに測定して作成されたY字型のシリコンステントにラップし、吸収糸で固定した。同日午後1時に全身麻酔下、腹腔鏡にて患者の腹腔内の大網で被覆して手術を終了した。
2010年3月18日、最終的な根治術のため全身麻酔下、まずは開腹にて胃管作成後、胃から外した大網に被覆され自己細胞が増殖している再生気管を確認した。 患者の腹腔内から摘出した自己細胞からの再生気管は、一部に線維芽組織様の組織が観察され、完全に満足するものではなかった。しかし動物実験ではあるが、筆者のこれまでの経験から、再生気管一体生体気管吻合部をステントにより保護することで再生気管の生着は100%維持し得ると判断できた。
2010年3月18日、最終的な根治術のため全身麻酔下、まずは開腹にて胃管作成後、胃から外した大網に被覆され自己細胞が増殖している再生気管を確認した。 患者の腹腔内から摘出した自己細胞からの再生気管は、一部に線維芽組織様の組織が観察され、完全に満足するものではなかった。しかし動物実験ではあるが、筆者のこれまでの経験から、再生気管一体生体気管吻合部をステントにより保護することで再生気管の生着は100%維持し得ると判断できた。
食道部分切除後再建を終了し、開胸にて気管病巣部も完全に摘出しえた。最終的には術前の予想よりも、患者自身の残存期間の進展もよく、気管と左右の気管支端吻合による分岐部形成、再建術が可能であった。
結局、腹腔内で作成された再生気管を使用する必要はなかったが、我々の研究がなければ、手術自体が施行されなかったことを考えると、感無量であった。実験室から生み出される新たな治療法の提案が、患者に生きる選択肢を与える可能性があることを今後の研究の糧として更なる進展を目指したいと考えている。少女の術後経過は非常に順調で、約1ヵ月後に無事退院し、現在は普通の学生生活を送っている。
結局、腹腔内で作成された再生気管を使用する必要はなかったが、我々の研究がなければ、手術自体が施行されなかったことを考えると、感無量であった。実験室から生み出される新たな治療法の提案が、患者に生きる選択肢を与える可能性があることを今後の研究の糧として更なる進展を目指したいと考えている。少女の術後経過は非常に順調で、約1ヵ月後に無事退院し、現在は普通の学生生活を送っている。
核の形、位置がすべて同じだ。
返信削除It's not "similar". It's identical!
返信削除似てるのではなくてまったくの同一画像ですね。
同一画像ではないが、同一サンプルから設定を変えて複数回撮影されて得られた2画像かもしれません。あるいは、ある画像をフォトショップなのでコントラストなどを変えて、別の画像にした可能性もあります。
返信削除小島 宏司の肩書
返信削除Assistant Professor of Anaesthesia
Name: Dr Koji Kojima
Appointment Title: Assistant Professor of Anaesthesia
Department: HMS^Anaesthesia-BWH
University Mailing Address: Brigham and Women's Hospital
Anesthesia, Thorn 1327
75 Francis St
Boston MA 02115
Unit: Harvard Medical School
https://www.directory.harvard.edu/phonebook/submitSearch.do
"北米の「Assistant Professor」=「助手」"
"准教授(じゅんきょうじゅ、英: Associate Professor)"
http://ja.wikipedia.org/wiki/准教授
a. Professor
1. Full time: without limit of time (tenure) (WLT), or of indefinite duration (nontenure) (OID), or under special circumstances, five (5)-year term renewable
2. Academic part time: appointments of unspecified duration (OUD) with reviews of continuing contributions every five (5) years
b. Associate Professor
1. Full time: five (5) years, or, rarely, without limit of time
2. Academic part time: five (5) years
c. Assistant Professor
1. Full time: three (3) years
2. Academic part time: three (3) years
Appointment Policies, Harvard Medical School, Harvard University
http://www.fa.hms.harvard.edu/administrator-resources/appointment-and-promotion/appointment-policies/
"チームの小島宏司准教授(呼吸器外科)"
http://apital.asahi.com/article/news/2014020600024.html
ハーバード大学医学部・小島宏司准教授
http://www.news24.jp/articles/2014/01/31/10244873.html
FASEB Jのfig4dとAnat Rec (Hoboken)のfig2aは、色合いが違いますが同じ像のように見えます。
返信削除そうですね。実験条件も違いますから不適切な画像流用のようですね。
返信削除>FASEB Jのfig4dとAnat Rec (Hoboken)のfig2aは、色合いが違いますが同じ像のように見えます。