マレーシア航空370便は2014年3月8日、クアラルンプールから北京へ向かう途中、離陸から約1時間後に消息を絶った。
マレーシア航空のボーイング777―200型機は3月8日午前0時41分(日本時間同1時41分)にクアラルンプールを出発。
搭乗者は乗客227人、乗員12人の計239人。このうち5人が5歳未満の子どもだった。
マレーシアとベトナムの間の南シナ海上空を飛行していた3月8日午前1時30分ごろ、クアラルンプール近郊スバンの管制との交信が途絶えた。管制に高度やスピードを伝える自動交信装置からの信号が停止した。
マレーシア空軍の幹部は3月11日、マレーシア機が本来のルートから大きく外れ、北京とは逆方向へ向かっていた可能性を指摘した。同機はその後、マラッカ海峡のペラク島上空で姿を消したという。
マレーシア機が消息を絶った南シナ海には10カ国から34機の航空機と40隻の船が捜索を実施。残がいが見つかったと伝えられたが同機とは無関係だったことが判明した。マレーシア民間航空局のアザルディン局長は3月10日、「機体どころか、機体からのものと思われる物体も何も見つかっていない」と述べた。海面に広がっていた油膜も、貨物船に使われる燃料油だったことが分かった。
370便は北京までの片道分の燃料を積んでいた。燃料から推計すると、最後の交信があった地点からあと約4000キロの飛行が可能だった。
米当局者がマレーシアの航空当局から3月13日に得た情報として語ったところでは、自動交信装置からの信号が途絶えた4~5時間後に、同機の「ACARS」と呼ばれる情報システムから数度にわたり、データが衛星に送信されていたことが分かった。
この情報をレーダーのデータや残燃料などの情報と照合した結果、同機はインド洋に到達していた可能性があると判断した。
中国の国家国防科学技術工業局は3月12日、同国の衛星で370便を捜索していたところ、墜落現場と思われる地点が見つかったと発表した。
同局の発表によると、衛星画像には海上に浮かぶ3つの物体が写っていた。大きさはそれぞれ13×18メートル、14×19メートル、24×22メートルだった。
この画像はマレーシア機が消息を絶った翌日の3月9日に、東経105.63度、北緯6.7度の海上で撮影された。これは同機が出発したクアラルンプールの北東、ベトナムの南の海域になる。
しかしマレーシアの運輸当局によれば、中国当局は後に、衛星画像は誤って公開されたものであり、行方不明機に関係のある残骸は写っていなかったと説明したという。
出典:マレーシア民間航空局、CNN、フライトレーダー24、グーグル・マップ