不明機の飛行継続データない=マレーシア当局者

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  • JASON NG AND GAURAV RAGHUVANSHI

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マレーシアのフセイン運輸相代行(13日)

 【クアラルンプール】マレーシアの航空当局者らは13日、消息を絶っているマレーシア航空370便について、レーダーから機影が消えたあと数時間飛行した可能性はあるもののこれを示すデータは受け取っていないとし、飛行を継続したことをうかがわせるデータは存在しないと述べた。

 当局者らの見解は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道と食い違っている。WSJは、衛星通信回線の信号(機体システムの一部の状態を自動送信する)の分析に基づいた米調査担当者の見方として、同機が最後に確認された時点から最大4時間飛行していた可能性がある、と報じていた。ただ、マレーシアの当局者らは、依然あらゆる可能性が残っていると述べた。

 マレーシアのフセイン運輸相代行はこの日の記者会見で、6日目になった捜索活動の成果が上がっていないことへの批判を受けながら、「不正確な報道」を正す方針だと述べた。

 マレーシア航空のアフマド・ジャウハリ最高経営責任者(CEO)によれば、同社の記録に基づくと、370便の最後の通信は8日午前1時07分で、南シナ海上空を北方に向かっていた機影がレーダーから消えたと当局者らが話している時刻より少し早かった。

マレーシア機の捜索続く

 民間航空当局は、370便のレーダー・トランスポンダ(中継機)が午前1時21分、何らかの理由でマレーシアの2次レーダー向け信号発射をやめ、その8分後に1次レーダーから機影が消えたとしている。一方、午前2時15分ごろには、軍のレーダーに、当初のフライトプランのルートから西に数百マイル離れたマラッカ海峡上空を何かが通過する光が認められた。マレーシア当局者は、これが370便だったのかどうか調べている。

 フセイン氏は、同機が南シナ海上空で消えたあとも飛行を続けた可能性を「全く排除していない」とし、「先に言ったように、いかなる可能性も否定しておらず、このためわれわれは捜索範囲を広げている」と話した。

 ジャウハリCEOは、信号を送るシステムを手で切ることはできるのかとの質問に対し、「何でも可能だ」と述べ、「全ての電気系統をだめにすることができ、基本的にこれによっていかなる信号も発射できなくなる」と話した。

 フセイン氏は、インドネシア、シンガポール、タイ、それにベトナムに対して8日未明に不明機からの何らかの信号を受信しなかったかどうか調べるよう要請したと語った。

 インドネシアの民間航空当局のディレクタージェネラル、ヘリ・バクチ氏は、同国が「要請のある前から」民間レーダー情報をマレーシアに提供していると話した。同氏はシンガポール近くのバタム島で同機からの信号を受信したが、マレーシアのレーダーから機影が消えたところでその信号は弱まったとしている。

 ベトナム当局は同機の信号は受信していないとしている。タイ空軍の報道官は、同機が当初のフライトプランのルートを飛行中に短時間信号を受信したと述べた。シンガポール当局はコメントを拒否した。

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