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J-POPへの愛を語る、マーティ・フリードマン氏。
メタル界でもっとも有名なバンドのひとつである、メガデスの元ギタリストであり、音楽評論家やプロデューサーとしての功績も数多い、マーティ・フリードマン氏。そんな彼がプロデューサー兼ギタリストを務める鉄色クローンXは、2012年12月に、ももいろクローバーZの楽曲をメタル調にカバーしたアルバム『鉄色クローンX』を発表し、日本最大のメタルフェス『LOUD PARK 13』に出演するなど、勢いのあるメタルバンドのひとつとして活躍している。リアルサウンドでは今回、日本の音楽が大好きなあまり、日本に住むことを選んだというマーティ・フリードマン氏が、現代の音楽シーンや、鉄色クローンXで行っている「コミカルな日本語詞とメタル音楽の融合」について、独自の切り口で語ってくれた。
BABYMETALはアイドルとメタルをうまく融合出来ている
——最近ブレイクしたアーティストで、マーティさんが気になっているのは?
マーティ:最近だと、BABYMETALは初期の頃から聴いてましたよ。僕のサイドギターである大村孝佳さんが彼女たちの「神バンド」のギターもやってるから。この間『ミュージックステーション』にベビメタが出たときも、バックでやってたり、『LOUD PARK 13』では僕のバンドとベビメタの両方に出て、忙しそうにしてたよ。世界って狭いよね(笑)。
——ベビメタと、鉄色クローンXの共通点として、「メタルに日本語のコミカルな歌詞が乗っている」ということが挙げられます。
マーティ:日本という国が持っている伝統的な雰囲気や文化と、メタルという音楽は合っていると思ってるよ。だから僕は『TOKYO JUKEBOX』シリーズを作ったわけだし。
BABYMETALがウマいなと思うのは、その若さを上手く活かしているところ。僕も彼女たちがデビューした頃に、雑誌やネットで対談とかをやらせてもらってたんだけど、正直、リスナーがどういう風に楽しむかわからなかったんだよね。メタル好きの若い男は、セクシーなお姉ちゃんの方が興奮するだろうって考えてたから(笑) 彼女たちのコンセプトはとにかく面白すぎるけど、評価されるまでのハードルはかなり高いなあと思ってた。でも、どんどん進化を続けて、素晴らしいものになってるから、彼女たちを見守ってきた立場としては、とてもうれしい。
僕が彼女たちを気に入っている部分は、ハッピーな部分とメタルな部分のバランスなんだ。雰囲気がメタルっぽくて、サビになるとポップになるアイドルソングっていうのがたまにあったりするんだけど、それって海外のメタルファンからすると恥ずかしいんだよね(笑)。彼女たちはハッピーな部分でも、ちゃんと音はメタルで、アイドルとメタルをうまく融合出来ていると思う。ヴィジュアル系もそうだったりするけど振付があることって、洋楽の文化とは全然違うものだし。このBABYMETALはそれをうまく利用していて素晴らしいですね。
——本場のメタルファンは彼女たちを見てどう思うんでしょうね?
マーティ:クレイジーだけど凄く目立って応援しやすい。「日本は最高の国だ!子供だってメタルをやってる!」って思うのかも(笑)。向こうの11歳のティーンって、ヒップホップばっかり聴いてるからさ(笑)。もしかしたら、オジー・オズボーンなんかも同じことを思ってるかもね。アメリカで「日本のBABYMETALって知ってるか?」って聞いて回っててもおかしくないよ。
あと、最近は自分のレコーディングに集中していて、BGMほどにしか聞けてないけど、最近いいなと思ったのがあって。「夢ふうせん」って知ってますか?
——おはガール!ちゅ!ちゅ!ちゅ!が2013年11月5日に出した『夢ふうせん』のことですか?彼女たちのサウンドプロデューサーは元JUDY AND MARYのTAKUYAさんですよね。
マーティ:そう。TAKUYAはやっぱり凄いよね! これ聴いてハッピーにならないわけないもん。そういえば、「元気になれる曲」を表現するのって日本の特徴かも。向こうだと「大変な時期があった時にこの曲に救われた」って表現になるんだけど、これって似てるけどちょっと違うように思う。
——マーティさんも、TAKUYAさんのように、アイドルプロデュースをやるつもりは?
マーティ:過去に北出菜奈さんのプロデュースをしたことがあるよ。またやりたいなーと思うね。いいきっかけがあるといいけど。僕の音楽はアイドルの世界に対して、遠回りに合っているとは思うから。まだまだいろいろ、アイドル以外にもできそうな気がする。J-POPも好きだし。愛さえあれば、うまく融合できる気もする。
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