私は今、そういう状況なのだろう。このタイトルは、堀江貴文さんの著書「刑務所なう。」に触発されてつけました。
堀江さんが長野刑務所に服役中にこの本を出版されたことは、接見禁止が解除された2012年3月の新聞で広告を見て知った。堀江さんが、収監後もブログやメルマガで情報発信していることを知ったのは同じ月のこと。
メールマガジンに掲載された近況報告をスタッフが抜粋、再構成した「ホリエモンの獄中記」を「週刊朝日」で目にしたことがあったから。
週刊誌で女性ライターが私の裁判傍聴記を書いているという噂は耳に入っていた。アポイントメントを取らず、週刊朝日編集部の女性2名と毒婦ライターが突然面会の申し込みをしてきたのは3月の終わりだった。
埼玉の職員たちから、絶対会わない方がいい、あることないこと吹聴しているタチが悪いマスコミだと言われていたし、弁護人経由で聞く傍聴記の内容もいい加減なものだったから即答で断わった。
すると彼女たちは「週刊朝日」を1冊差し入れて帰ったのだ。裁判員裁判中、毎週こんなデタラメな記事を連載されていたのか、と呆気に取られました。私の故郷を取材してきた内容の半分は、事実誤認というより嘘だった。その後、今に至るまで週刊朝日編集部からは一切連絡がない。連載を単行本として出版した際の献本もない。しかし、控訴審も傍聴しているってどういうことなんでしょうね。当事者取材をしない虚像作りが好きなただの礼儀知らず?
一応伝統ある週刊誌の名誉の為に付記しておくと、私が逮捕された直後の2009年、最初に手紙を送ってきた人は週刊朝日の男性記者でした。私と同世代の彼は大変礼儀正しく、魅力的な文章を書く人だった。報道記者のあり方としても好感を持ちました。今でもその手紙は大切に保管しています。大宅壮一文庫から署名記事をいくつか取り寄せて読みました。ご縁がなかったことを残念に思いました。
「刑務所なう。」の版元は「ホリエモンの獄中記」を連載していた雑誌と思い、興味はあったのだが買わずにいた。このブログを始めるにあたっても、オリジナルでありたいと思い獄中記の類いはあえて一冊も読まなかった。
ところが13年から交流を持つようになった文藝春秋の美人女性記者に、エッセイをブログで発信していこうと思っていると伝えたところ、「エッセイ執筆の上で何らかの参考になるかもしれないと思い、弊社刊の堀江貴文さん著「刑務所なう。」をお送りします。」という手紙と共に本が届いた。まさか文藝春秋社が版元とは知りませんで。
この件をブログに書くことは了承を得ております。文藝春秋の社員教育は素晴らしい。週刊文春の編集長は器が大きい!本当にフェアだと感心します。
私は交流のある記者や編集者との適切な距離感をそれぞれ意識して付き合っています。どこのメディアに対しても、事前に報道内容を教えてもらうことはしていません。公正であることを心掛けています。
週刊文春の原色美女図鑑に載ってる女優よりキラキラと美しい記者の彼女に「刑務所なう。」の感想を伝えたら、面会後に拘置所の窓口で続編の「シーズン2」と「わず。」まで差し入れて下さった。感謝。
これは3冊セットで読むべき本ですね。「刑務所わず。」の中に、拘置所の処遇で1箇所明らかな間違いがあった。「死刑囚だけは家族以外からの手紙の受取はNG」と書いてありますが、死刑確定者でも親族以外の外部交通は、個別に人数制限があるものの友人や知人も許可されています。私は現在未決なので面会相手の制限はありませんが、このまま既決になると面会や文通相手はかなり制限をされそうです。
堀江さんが2012年の出来事で重要と感じたニュースのセレクトに、私の名前を2件も発見!まさか私が「時事ネタオピニオン」のネタになっていたとは2014年になるまで知らなかったですよ。実は、「シーズン2」を読んでいた時、3時から東京FMが流れてきて、うわぁ~素敵な声だなぁ~、誰だろ~と思っていたら、堀江さんがゲストで「ゼロ」の話をしていたんです。著書を読んでいると、せっかちで早口な印象を持っていたから凄く意外だった。こんな落ち着いた話し方をする人だとは思っていなかったのでびっくり。
「人の心はお金で買える、女はお金についてくる」と豪語していた人とは思えない謙虚さは、猫被りじゃなくて?人の本性ってそんな簡単に変わらないと思うのだけれど。そもそも堀江さんの事件は、税理士の彼が落ちなかったら結果は違ったかもしれないという、国策捜査のターゲットにされた運が悪かった系ですよね。「わず。」で「結局、ライブドア事件の本質を真っ当に報道してくれた人は一人もいなかったなぁ・・・」という一文が心に残りました。
堀江さんは時事ネタオピニオンで、私に死刑求刑されたことに触れ「推定有罪で動いてのミスは絶対に避けなければならぬ。しかし、そもそも木嶋被告の殺人の動機は、どこにあったのだろうか?男が単なる金ヅルなら、金がなくなった時点で別れればそれでお終いのハズなのに・・・・・・。何かがひっかかる。」と、ものすっごく真っ当なことを書いているのだ。堀江さんて勘の鋭い秀才なんだね。
私は、付き合った男性のことを恨んだり嫌いになったことは一度もないんです。どうしてそんな私が男性を殺さなくちゃいけないのよ。お金を出してくれる男性はたくさんいるのに。
裁判員裁判で死刑判決が下された時も堀江さんは「今後、さらなる野次馬的興味の対象になることは間違いないだろう。」と予言。しかも、朝日新聞に載った私の直筆長文手記を見て「驚くほど字がキレイなのが凄い。」と褒めて下さった。素直に嬉しくて堀江さんのメルマガ頼んだら、週に40枚近くになっちゃうので紙媒体でしか読めない私にはあの分量ハードル高過ぎ。
私は、事件や自身の本質を正しく理解してもらうためにこうしてブログという形で書いているわけですが、文春から記録に残すべきなのでは、と言われ大変迷っております。結局私に直接取材すると、今までまともな報道がされていなかった、きちんとした記録がない、ということに優秀な記者は気付いてくれるのです。
しかし、この不自由な環境の限られた時間で複数のメディアに応対するのは、正直言って難しい。ブログの反響を見てから考えようと思ったら、週刊文春で記事になり世間に知られた途端にいきなり1日で134万アクセス超えたと聞いて、ますます悩むことに。
堀江さんがした、服役中にリアルタイム刑務所日記のメルマガ配信は前例がないでしょう。彼の場合、会社組織のサポートと多彩な交友関係の人脈があったからこそ実現できた刑務所ライフであって、多分今後も堀江さんのスタイルで塀の中から発信できる人はいないと思います。
私は、女性被告人として前例がないことをしたくてブログというメディアを選んだわけですが、拘置所で勾留中に小説を出版することだけで前例がないと思うし、もうメディアにこだわることないのかなぁという気もしています。今後の転開は悩むなぁ・・・
SPA!の「インテリジェンス人生相談」か文春の「悩むが花」に投稿しようかと真剣に考えております。
2014年2月28日記
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