香港の科学者は、鳴り物入りで発表された日本の研究所による新万能細胞「STAP(スタップ)細胞」発見について、これを再現しようと幾度か実験したが、いずれもうまくいかなかったと述べ、その経緯の詳細を一般にアクセス可能なウェブサイトに載せたと述べた。
香港中文大学のケネス・リー教授(再生医学)はインタビューで、「わたしは、それ(再生)を断念した」と述べた。同教授の再生実験の詳細は科学者向けのソーシャルネットワーク「リサーチゲート」に掲載される。 日本の研究は、権威ある理化学研究所で実施されたもので、英科学専門誌ネイチャーに2つの論文として1月末に発表された。それはマウスの血液細胞を万能細胞に転換する方法で、弱酸性の溶液に細胞を浸けることで可能だとしていた。既存の手法よりもはるかに単純で、万能細胞の医学が大きく発展する可能性があるとされた。
しかしネイチャー論文が発表され、日本でメディアに大々的に報じられて以降、別の幾つかの研究所は、同論文の結果を再生できないと非公式に述べていた。ただし、詳細な再生実験結果を公表したものはなかった。
その後、ネイチャー論文に掲載された画像の操作疑惑が浮上し、同論文に対する信用、とりわけその主執筆者である理研の小保方晴子氏(30)に対する信用が大きく揺らいだ。
例えば別の研究者の科学ブログでは、ネイチャーに掲載された2つの論文のうち1つの論文の中で、別個の実験から作製されたはずの2つのマウスの胎盤の画像が同一に見えると疑義が指摘された。
理研と小保方博士からコメントは得られていない。小保方博士は以前のコメント要請にも回答しなかった。
ネイチャー論文が1月末に登場し、胚性幹細胞を作製する極めて簡単な手法が紹介された際、多くの研究者たちは強い関心を抱いた。
リー教授は「なんてことだ、そんなに簡単なんだ、と思った」と述べ、「卓越した主張だった」と語った。
そこで同教授は、自分の研究室の研究者6人に対し、直ちに他のプロジェクトを中断し、ネイチャー論文の研究結果に集中して再生実験するよう指示した。彼ら6人はネイチャー論文に叙述されていた手法に綿密に従って再生実験を開始した。しかし再生実験では幹細胞は出来なかった。
他の研究施設でも同様に再生できないと相次いで発表したのを受けて、理研は、小保方博士らの実験手法のもっと詳細な説明(プロトコル)を発表した。
そこでリー教授は、この詳細な手法を用いて再度実験した。最終的に、同教授の研究室は一連の細胞を実験した。例えばマウスの心臓、筋肉、結合組織などだ。人の臍帯(さいたい)からの細胞でも実験した。リー教授は、弱酸性溶液に浸けたが、いずれも幹細胞を作製出来ずに終わったと述べている。
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