■記者プロフィール
三城俊一
東大卒後、教育業界にて奮闘中。専門分野の教育のみならず、音楽、文学、歴史、美術、日本語学など広い引出しから世の中を見つめます。
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三城俊一の記事一覧
「世界の三島」がtwitterに汚された日
1970年11月25日、作家・三島由紀夫は4人の同志とともに市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地を訪れ、東部方面総監を監禁、自衛隊のクーデターを呼びかける演説を行ったのち、壮絶な割腹自殺を遂げた。当時の世相に大きな衝撃を与えた「三島事件」である。 さて、時は流れて現代。ミニブログ「twitter」でとあるハッシュタグが一時的に流行する。「文豪の逸話下さい下さい是非下さい」。漱石、鴎外、芥川、太宰……多くの文豪の知られざる一面に触れ、ちょっとした感銘を受けた人もいるかも知れない。 そんなほのぼのとしたTLの中に、不穏なツイートが混じっていた。 「太宰治は妻がいるのにも関わらず浮気相手と心中した。これを三島由紀夫は情けないとdisっていた(批判していた)が、一方の三島の遺体からは直腸に男性五人分の精液が発見された。どっちもどっちだ」 このツイート、そのインパクトから余裕で4桁に...
続きを読む「ヒョーゴスラビアへようこそ」~秀逸すぎる県民ジョークが話題に
兵庫県といえば、瀬戸内海と日本海に接し、大都市神戸や工業地帯、農林水産地域など多様な面を抱える県である。この多様性を、多民族国家に例えたジョークが話題を集めている。 その名も「ヒョーゴスラビア連邦共和国」(首都:コーベグラード)。いうまでもなく、かつて東欧に存在したユーゴスラビアのパロディであるが、その内容が異様にこっているのである。 ヒョーゴスラビア連邦共和国は多様な民族・文化が入り混じっており、構成主体はセッツィア、ハリマニア、タジマニア、タンバゴビナ、アワジネグロの5共和国と、サヨー、セッツィア=ハンシナビアの2自治州からなる。初代大統領はイトー、連邦首都はコーベグラード。 #ヒョーゴスラビア— 宰相 ◆enczFKkBgE (@prime46502218) August 23, 2013 ...
続きを読むANAのペット預かりで愛犬が死亡したとのツイート…機内ペット預かりのリスク
ANAの機内ペット預かりで、愛犬のチワワが熱中症で亡くなったというツイートが話題を集めている。 家族にも等しいペットを突然失った悲痛な叫びから、多数のリツイートがなされているが、きちんと契約書を書いた上での預かりであり、ANAに法的な過失はないと思われる。ANAのホームページでは、ペットの預かりについての案内もなされている。 http://www.ana.co.jp/int/checkin/rakunori/pet/ 「毎年7月1日~9月30日の間、ブルドッグなどの短頭種犬はお預かりできません。なお、上記期間以外でも気温が高い時期のお預かりは、ペットの健康状態に影響を与える恐れがありますのでご留意ください。」と書いてあるが、預かりを中止している犬種の中にチワワはない。一方で、夏場には高温多湿になるであろう貨物室にペットを預けるリスク...
続きを読むフィンランドの作曲家、音楽史に残る偉業を達成
2013年7月23日、音楽史に残るある記録が人知れず達成されたのはご存じだろうか。記録の主はフィンランド出身の指揮者で作曲家、レイフ・セーゲルスタム氏(Leif Segerstam、1944~)。 一体何の記録か。それは、「一人の人間が作曲した交響曲の数」である。 楽聖ベートーヴェン(1770~1827)が9曲の優れた交響曲を遺して以来、作曲家にとって交響曲は作曲するのに一種の気合いや思い入れが必要な、特別なジャンルになってきた。ベートーヴェン以降、ブラームスもチャイコフスキーもシューベルトもマーラーも、遺した交響曲の番号は9番以内になっている。 もっとも、ベートーヴェンより古い時代は事情が違い、モーツァルト(1756~1791)は41曲、「交響曲の父」と呼ばれるハイドン(1732~1809)はその職人芸によって実に106曲もの交響曲を遺している。有名な作曲家の中では...
続きを読む復興への音色~奇跡のヴァイオリンの物語
2013年6月9日―――私は、日本でも有数のコンサートホール、ミューザ川崎シンフォニーホールにいた。お目当ては、東京交響楽団によるマーラーの交響曲第5番だった。なにせ私は中学時代からの筋金入りの「マーレリアン(マーラー愛好家)」、関東におけるマーラーの演奏会は要チェックだったのである。 さて、本来の目的であったマーラーの演奏が素晴らしかったことはいつか別の機会に書くとして、本稿では私がその時思いもかけずに出会った「ある楽器」の話をしたい。 その日のプログラムは三曲構成だった。バッハの「トッカータ、アダージョとフーガ」、アルビノーニの「オルガンと弦楽のためのアダージョ」、そしてマーラーの交響曲第5番である。一曲目は、オルガニスト・松居直美さんが荘重華麗に弾きこなし、納得の拍手。その後、二曲目を演奏するために入場した指揮者の飯森範親さ...
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