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製薬会社に255人分患者データ流出…東大病院
東大病院など22病院が行う白血病治療薬の臨床研究に、販売元のノバルティスファーマ社の社員が関与していた問題で、研究に参加した全255人の患者データがノバ社に流出していたことが14日、東大病院が行った調査の中間報告で明らかになった。
記者会見した門脇孝病院長は「守秘義務や個人情報保護法に違反する重大な過失」と陳謝した。
この研究は、白血病患者が使う従来の飲み薬と、同社の新薬に切り替えた場合の副作用の差を患者へのアンケートから調べるもの。
今回の調査によると、同社の東大担当社員が研究の事務局業務を一部代行し、2012~13年に研究に参加した全255人の患者登録票やアンケートの写しが同社に渡っていた。社員によるアンケート内容の改ざんは確認されていない。
しかし、流出した患者データの中には、施設名、主治医名、患者のイニシャル、生年月日、性別、患者IDなどの個人情報が含まれていた。また、アンケートや、医師の学会発表用スライドの作成にも社員が関与。研究代表者らのメールも社員が管理していた。
こうした労務提供はノバ社側から持ちかけられたという。他の四つの白血病研究でも社員が関与しており、追加で調査している。
研究グループ中の東大など8病院が、ノバ社から12年度に奨学寄付金計1100万円を得ていたが、患者説明文書では資金関係を明らかにせず、「不適切だった」との認識を示した。
(2014年3月15日 読売新聞)
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