アンネの日記:破損容疑者「日記はアンネが書いてない」

毎日新聞 2014年03月14日 15時00分

 ◇器物損壊容疑などで再逮捕、容疑認める

 東京都内の公立図書館などで「アンネの日記」や関連本が相次いで破られた事件で、警視庁捜査1課は14日、図書館の本を破ったとして東京都小平市の無職の男(36)=書店への建造物侵入容疑で逮捕=を器物損壊容疑などで再逮捕した。容疑を認めているという。捜査関係者によると、アンネの日記を狙った理由について「アンネ自身が書いたものではないと批判したかった」という趣旨の供述をしている。供述にはあいまいな点もあり、同課は簡易の精神鑑定を行うことも検討している。

 逮捕容疑は今年2月5日午前、杉並区の区立南荻窪図書館に侵入し、アンネの日記など関連図書23冊を何らかの方法で破ったとしている。男は「多くの図書館で同じようなことをやった」と一連の事件への関与を認めているという。

 捜査関係者によると、図書館には破られたページが残っていなかったため持ち去った可能性があるとみて追及したところ、「破った本は都内の民家の敷地内に捨てた」などと供述。捜索の結果、被害書籍の一部とみられる「アンネ」と書かれた紙片などが見つかった。

 また、南荻窪図書館の防犯カメラには、黒っぽい手袋をした男に似た人物が被害本があったとみられる書棚から本を出し入れする様子が映っており、男の自宅から似た手袋が押収された。

 男は2月19日と22日、豊島区南池袋2の「ジュンク堂書店池袋本店」にビラを張る目的で立ち入ったとして今月7日逮捕された。ビラには漫画家の写真が添えられ、「アシスタントとゴーストライターは違います」などと意味不明の言葉が手書きされていた。同店では2月21日、3階の売り場で「アンネの日記」2冊が破られているのを店員が発見した。1月にもアンネ関連の児童書6冊が破られており関連を調べている。【松本惇、山崎征克、神保圭作】

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