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【芸能・社会】宇津井健さん死去 「赤い」シリーズ、「渡鬼」など2014年3月15日 紙面から
TBS系ドラマ「赤い」シリーズや「渡る世間は鬼ばかり」などに出演した俳優の宇津井健(うつい・けん)さんが14日午後6時5分、慢性呼吸不全のため名古屋市内の病院で死去した。82歳、東京都出身。故人の意向により、通夜・告別式は近親者のみによる密葬となる。後日「お別れの会」を開く。 関係者によると、宇津井さんは1年ほど前から肺気腫を患っており、仕事のスケジュールが入っていないときは、名古屋市内の知人宅に身を寄せ、信頼できる医師のいる同市内の病院に通院していたという。 遺作は、昨年5月と6月に放送されたTBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかりスペシャル」。同番組撮影後は、東京都内の自宅と名古屋を行ったり来たりしており、今年は2月から名古屋に。病院では体力が落ちないように主に筋トレなどをしていた。 前日に「呼吸が苦しい」と訴えており、身を寄せる知人宅で体調が急変した。フジテレビに勤務する息子ら家族にみとられながら息を引き取ったという。 宇津井さんは早稲田大在学中に俳優座養成所に入り、1953年に「思春の泉」で映画デビュー。明るく健康的な魅力で売り出し、メロドラマやアクションもので人気者となった。 60年代にはテレビに進出。ドラマ「ザ・ガードマン」や「たんぽぽ」の誠実な演技が支持を集めた。「赤い迷路」「赤い疑惑」など大ヒットした「赤い」シリーズで、百恵さん演じるヒロインの父親役。百恵さんと三浦友和の結婚式(80年)では仲人を務め「理想の父親」のイメージが視聴者に定着した。 「武田信玄」「天地人」などNHK大河ドラマにも多数出演し、主演の若手俳優を支える脇役として不可欠の存在になった。 他の出演ドラマにNHK連続テレビ小説「ぴあの」、「ごくせん」、映画「スーパージャイアンツ」シリーズ、「新幹線大爆破」など。昨年公開の映画「相棒シリーズ X DAY」や「劇場版タイムスクープハンター−安土城最後の一日−」などにも出演していた。 ◆「ザ・ガードマン」モデル 「セコム」が追悼宇津井さんの死去を受け、宇津井さんの主演ドラマ「ザ・ガードマン」のモデルとなった大手警備保障会社「セコム」が公式ツイッターで追悼コメントを発表した。 ツイッターには同社の広報担当者が「宇津井さんはセコムの創業3年後の1965年、当社をモデルにしたテレビドラマ『ザ・ガードマン』に主演。人気を博しました。7年間放送が続き最高視聴率は40%超に。謹んでお悔やみを申し上げます」とつづった。 ◇悼む映画評論家の樋口尚文さんの話 宇津井健さんは、テレビがよく似合う人だった。身ぶり手ぶり、話し方のすべてにおいてスケール感のある演技が印象的で、小さな画面の中で大きく動くからこそ、よく映えた。父親役が多く、職務に忠実なおやじさんをうまく演じていた。昭和の父親像を担った代表的人物の一人といっていい。 ▼俳優の仲代達矢(81) 「俳優座養成所で3年間一緒に勉強した同級生で、60年間の付き合いだった。やはり同級生で親友だった佐藤慶や中谷一郎に続いて宇津井も亡くなり、私一人が取り残されたようだ。非常に残念。訃報を聞いてから『健坊、健坊』と心の中で叫んでいる。暗い役が多かった私とは対照的に、明るく健康的な青年像で売り出し、映画、次いでテレビで活躍した。本人も非常に明るいやつで、私よりずっと長生きすると思っていた」 ▼女優・仲間由紀恵(34) 「ドラマ『ごくせん』や舞台『ナツひとり』で祖父役で共演していただいて以来、作品から離れているときでも、私の舞台の公演があれば差し入れをいただいたり、お互い別々の作品で偶然同じスタジオ内にいた際は『孫の顔を見に来ました』とわざわざこちらのスタジオまで会いに来て下さり…。ご生前の笑顔ばかりが目に浮かびます。まだまだ教えていただきたいことがたくさんあったのにとても残念です。心からご冥福をお祈りいたします」 ▼俳優・水谷豊(61) 「昨年お会いしたのが最後になってしまいました。その時にとても強く抱きしめてくれました。言葉にできない寂しさに襲われます。宇津井さんのユーモアと包容力に、若いころからずっと惹(ひ)かれていました。これからも尊敬し続けます」 ▼「渡る世間は鬼ばかり」の石井ふく子プロデューサー 「昨年の12月にお会いしたのが最後でした。藤岡琢也さんの後に『大吉』役を快く引き受けていただいたとき、初めて会う5人姉妹から『お父さん、お帰りなさい』と声をかけられて、緊張がほぐれた時の宇津井さんの表情がとても印象的で今でも忘れられません」 ▼「渡る世間は鬼ばかり」で共演した女優の藤田朋子(48) 「信じられません。全然、信じられないです。言葉が見つかりません。話したいこといっぱいあったから。今度会ったら話そうと思っていたから。お父さん。会いたい。会いたい」 ▼映画「沈まぬ太陽」(2009年)で共演した渡辺謙(54) 沈まぬ太陽の飛行機事故後のロケの時の事です。遺族の思いを全身で受け止め、4日間ほとんど眠れなかったとおっしゃっていました。誠実で優しい、尊敬する先輩でした。ご冥福をお祈り申し上げます。お疲れ様でした。 ▼「赤い」シリーズなどで共演した俳優の三浦友和(62) 「去年の夏ぐらいに共演した方からの話で、体調が良くないと聞いていたのですが、本当に体に気を付けられていた方なので、その時は一時的なものかなと思っていました。この一報を聞いて大変驚いております」 <宇津井健> 1931(昭和6)年10月24日生まれ。早大在学中に俳優座養成所に入団。「思春の泉」(53年)で映画デビュー。54年新東宝に入社。映画「スーパージャイアンツ」シリーズで主演。新東宝の倒産に伴い61年大映に移る。ドラマ「赤い」シリーズで山口百恵さんと共演。さらに「さすらい刑事旅情編」(88〜95年)では刑事役を好演。人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の第8シリーズでは藤岡琢也さんに代わり小料理店の主人役を務めた。 PR情報
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