<STAP論文>後輩リケジョ「残念」「信じたい」
毎日新聞 3月14日(金)23時26分配信
「世紀の発見」から一転、STAP論文不正の疑いが浮上している理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)。「リケジョ(理系女子)」の星として注目され、憧れの的だっただけに、事態の成り行きを見守る大学生のリケジョたちは、複雑な胸中を吐露した。
【不正はあった?】指摘された六つの疑問点と調査結果を図で分かりやすく
小保方さんの母校、早稲田大学(東京都新宿区)。先進理工学部で同じ応用化学を専攻する女子学生(22)は「論文のコピぺ(コピー・アンド・ペースト、複写と貼り付け)や盗用が事実だったら残念です」。年齢の近い同性がノーベル賞級の研究をしていたことが、素直にうれしかった。学内で2月中旬、直接話を聞く機会があり、研究について生き生きと語る様子に「輝いて見えた」と振り返る。「論文に問題があっても研究結果は正しく、STAP細胞があると信じたい。話を聞いた印象でも、捏造(ねつぞう)をする人ではありません」
一方、人間工学を専攻する女子学生(21)は「1年生の時から論文で不正をしないよう大学から厳しく指導されるのに」と首をかしげた。「信じたいが、不正が本当だったら寂しい。理研もしっかり精査して発表すべきだったのではないか」
波紋は学外にも広がっている。
兵庫県立大理学部物質科学科の中川麻衣さん(23)は「小保方さんの登場で理系の女性が注目されてうれしかった」と語る。学部の女性は全体の3割ほどで、一緒に研究する同性は多くない。増えれば心強く「小保方さん効果」を期待した。一方で複雑な思いもある。「発見者が女性ということで取り上げ方が大きくなったのかもしれない」。研究の際にかっぽう着を身に着けていたことなど、男性では報道されない内容が「気になった」という。
お茶の水女子大理学部化学科の増本優衣さん(22)も、朝から晩まで研究室にこもることもあるリケジョ。将来の結婚や出産を考えると不安を覚えることもある。「そんな自分にとって、小保方さんは刺激や励みになった」と打ち明け、STAP細胞の再現実験になお期待を寄せた。【神足俊輔、水戸健一】
最終更新:3月15日(土)4時54分
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