March 14, 2014
アメリカ、カリフォルニア州で記録的な干ばつが続いている。しかし、作物が干上がっても、電力供給は止まっていない。同州には300基以上のダムがあり、水力発電の先進地域として以前から知られている。
2013年の水力発電量は21年ぶりの低水準だったが、再生可能エネルギーや天然ガス開発、プランニングの工夫で、雨不足でもエネルギー危機にはつながっていないという。
カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)のエネルギー部門責任者エドワード・ランドルフ(Edward Randolph)氏は、「発電余力や信頼性の点から見て、今回の干ばつは大きな打撃にはならない。需要に応える十分な資源がある」と語る。
サリー・ジュエル内務省長官は3月11日、干ばつへの連邦政府の対応を示すため、サンフランシスコ近郊バイロンにある土地改良局のポンプ場を視察。しかし、エネル・・・
2013年の水力発電量は21年ぶりの低水準だったが、再生可能エネルギーや天然ガス開発、プランニングの工夫で、雨不足でもエネルギー危機にはつながっていないという。
カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)のエネルギー部門責任者エドワード・ランドルフ(Edward Randolph)氏は、「発電余力や信頼性の点から見て、今回の干ばつは大きな打撃にはならない。需要に応える十分な資源がある」と語る。
サリー・ジュエル内務省長官は3月11日、干ばつへの連邦政府の対応を示すため、サンフランシスコ近郊バイロンにある土地改良局のポンプ場を視察。しかし、エネルギーに関して言えば、カリフォルニア州の回復力を高めているのは州の政策だ。同州は2001年の電力危機と2006年の異常な熱波の後、新しいエネルギー源の開拓と既存システムの信頼性向上に投資を続けてきた。
ランドルフ氏によると、現在の法令は公共事業者に対し、最悪のシナリオに備えて予測需用を15%以上超える電力を事前調達するよう求めているという。「カリフォルニア州は年によって天候の変化が激しい。極端な天候による電力不足には、対応できるだけの十分な資源がある」と同氏は話す。
◆水不足を補う風力・太陽光発電
カリフォルニア州が現在直面しているのは、尋常な干ばつではない。
数週間に渡る雨と雪が州全体に降り続いているが、この嵐でも3年間の干ばつに終止符を打つには不十分で、最高水準の乾燥状態が続いている。影響が特に目立つのは、北カリフォルニアのフォルサム湖だ。貯水量がわずか17%にまで低下し、平均35%という歴史的なレベルが続いている。
カリフォルニア州オークランドに本拠を置く環境調査団体「Pacific Institute」の水プログラム共同ディレクター、ヘザー・クーリー(Heather Cooley)氏は、「いくら降っても大きな穴に呑み込まれてしまう感じだ。大雨を伴う嵐がいくつも発生したが、必要な水量に追いつかない」と話す。
影響は水力発電量の大幅な低下として表れている。同州の発電量は、ワシントン州とオレゴン州に次ぐ国内で3番目と大きい。しかし、エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の最新の詳細な州データによると、昨年の合計2390万メガワット時は、1991〜92年の干ばつ以来の最低水準となる。過去30年間、州内の電力構成で平均14%を占めていた水力発電は、昨年わずか9%まで落ち込んだ。
しかし現在は、水力発電に代わる選択肢が存在する。風力と太陽光発電のプロジェクトが目白押しで、昨年だけでも、再生可能エネルギーの発電容量は20%以上、3300メガワットも増加している。「再生可能エネルギー、特に太陽光や風力発電の割合が増えて、カリフォルニア州の状況は以前より改善している」とクーリー氏は述べる。
州の電力消費で風力発電が占める割合は、2012年までの10年間で平均2%未満だったが、昨年には5.2%に急増。太陽光発電は0.3%から1.5%に上昇したという。
PHOTOGRAPH BY ROBERT GALBRAITH, REUTERS