東京都内の公立図書館や書店で「アンネの日記」や関連書籍が300冊以上破られた事件で、警視庁杉並署捜査本部は14日、都内の図書館で本を破いた疑いが強まったとして、別の建造物侵入容疑で逮捕した無職の男(36)=東京都小平市=を器物損壊容疑などで再逮捕した。
捜査本部によると、男は「間違いない」と容疑を認めている。男には言動に不可解な部分があり、捜査本部は刑事責任能力の有無を調べる。
逮捕容疑は2月5日午前、東京都杉並区の南荻窪図書館で、書棚に置かれていた「アンネの日記」や関連書籍計23冊を引き裂くなどした疑い。男は「多くの別の図書館でも本を破った」と供述しており、捜査本部は関連を調べる。
捜査本部などによると、男は「破った本は捨てた」と供述。都内の供述通りの場所で、破かれた本の一部とみられる紙片が見つかったほか、南荻窪図書館を含む杉並区の複数の図書館で、男と似た人物が書棚に近づく姿が防犯カメラに映っていた。
捜査本部は2月19日と22日に「ジュンク堂書店池袋本店」(東京・豊島)にビラを張る目的で不法侵入したとして、今月7日に男を建造物侵入容疑で逮捕。男は「アシスタントとゴーストライターは違う」などと書いたビラを張ったことを認めたほか、図書館で本を破いたことを認める供述をしていた。
一連の事件ではこれまでに東京都5区3市の38図書館で311冊の被害が確認されており、警視庁は器物損壊事件としては異例となる捜査本部を設置。121冊の蔵書が被害に遭った杉並区には、イスラエル大使館が書籍300冊を贈呈するなど寄贈の動きも広がっていた。
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