俳優の宇津井健さん死去 「赤い」シリーズなど3月15日 0時46分
映画やテレビで二枚目俳優として活躍した宇津井健さんが、14日午後、慢性呼吸不全のため亡くなりました。
82歳でした。
宇津井さんは東京都出身で、昭和28年、早稲田大学在学中に、映画「思春の泉」の主役に抜てきされて、デビューしました。
その後、映画やテレビで二枚目俳優として活躍し、民放のテレビドラマ「ザ・ガードマン」や歌手の山口百恵さんと共演した「赤い」シリーズなどで、安定感のある落ち着いた演技で親しまれました。
NHKでは、平成6年に放送された連続テレビ小説「ぴあの」で主人公の父親役を演じたほか、「武田信玄」や「信長」、「天地人」など、大河ドラマにも数多く出演しました。
乗馬が得意だった宇津井さんは、3年前にNHKで放送されたドキュメンタリー番組「旅のチカラ」に出演し、22歳のときの銀幕デビューは馬に乗れることでつかみ取ったというエピソードをはじめ、俳優人生の背景に常に馬への愛があったことなどを振り返っていました。
所属事務所によりますと、宇津井さんは14日午後6時すぎ、慢性呼吸不全のため亡くなったということです。
通夜、告別式は親族のみで行う予定で、後日「お別れの会」が開かれるということです。
石井ふく子さん「とてもまじめな方でした」
ドラマプロデューサーの石井ふく子さんは、「2か月前にお話ししたのが最後となりましたが、お元気そうでしたので、本当に急なことで驚きました。役者としてとてもまじめな方で、台本はいつも事前に完璧に覚えて稽古に臨んでいました。誰に対しても優しく、努力家で、常に礼儀正しい方でした。もっと一緒に仕事がしたかったです。本当に残念です」と話していました。
赤木春恵さん「“紳士”にふさわしい方」
「赤い」シリーズなど数多くのドラマで宇津井さんと共演した、女優の赤木春恵さんは、「ご一緒させていただいた日々を忘れることはありません。“紳士”ということばが何よりふさわしい方でした。ご冥福を心よりお祈り申し上げます」と話しています。
音無美紀子さん「本当のお兄ちゃんのように」
民放のドラマで長年にわたって宇津井さんと共演していた、女優の音無美紀子さんは、「20代のときに共演させていただいたときから、本当のお兄ちゃんのようで、ずっと“お兄ちゃん”と呼ばせてもらっていました。健康には人一倍気をつけていた方で、80歳近くになっても、少しでも時間があればダンベルを使って体を鍛えていました。毎年秋に仲間内の集まりでお会いしていましたが、去年はお見かけしなかったので、心配していました。仕事に対しては本当にまっすぐでまじめで、役者としていろいろなことを教わりました。本当に信じられない思いです」と話していました。
藤原紀香さん「気持ちの整理がつかない」
宇津井さんと同じ事務所に所属する女優の藤原紀香さんは、ブログなどに宇津井さんへの思いをつづっています。
藤原さんはおととし10月、所属する事務所のパーティーで宇津井さんと一緒に撮った写真をフェイスブックに公開し、「尊敬する大先輩で、再会する度に大切なことを教えて下さる」などと記していました。
藤原さんは宇津井さんが亡くなって3時間余りがたった午後9時半ごろ、みずからのブログやツイッターなどにコメントを掲載し、「とても身近な、尊敬する人生の先輩が他界してしまいました。まだ気持ちの整理がつかず、涙が止まらず、この文を書く手も震えています」とつづっています。
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