「最悪」に備えた世界同時株安、安全資産に逃げ込むマネー
[東京 14日 ロイター] -ウクライナ情勢や中国経済などに対する警戒感が高まり、世界同時株安が進行している。軍事衝突や信用収縮など「最悪」の事態が起きる可能性は小さいとの見方が多いものの、先行きの不透明感は極めて濃く、市場における緊張感が高まっている。マネーは米国債や金、円など安全資産に逃避。投資家はリスクオン・ポジションを閉じる動きを強めている。
<クリミア住民投票けん制した米国務長官>
投資家が資金巻き戻しを急いだのは、ウクライナ南部のクリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票が16日に迫る中、米欧とロシアの緊張感が一段と高まったためだ。
米国のケリー国務長官は13日、住民投票が予定通りに16日に実施されれば、米国と欧州連合(EU)は17日に「一連の重大な措置」を発動させると発言。もし米欧が経済制裁をロシアに発動すれば、ロシアも報復措置に出るとみられている。
現時点で、軍事衝突などのケースに至る可能性は小さいとの見方が一般的だ。米国はともかく、欧州とロシアは経済面でがっちり結びついている。武力行使は両者にとってデメリットが多い。
しかし、それは同時に効果的な方法を提示しにくいことを意味する。「面子があり、本音の部分もありで、すっきりとした解決策を見出しにくい」とニッセイ基礎研究所・上席研究員の伊藤さゆり氏は指摘する。
また、16日の住民投票でクリミアのロシア編入が決まったとしても、具体的な編入方法についてはまだ「落としどころ」が見えない。
クリミア自治共和国の独立については、ウクライナが連邦制を導入して統一を守る案もあるが、現代ロシア研究を専門とする新潟県立大学の袴田茂樹教授は「ウクライナ東部と南部は、工業など重要産業が集中している。だが、西部や中央部はほぼ農業のみ。連邦制導入は地域格差が拡大して国が不安定となるため、現実的ではない」と指摘する。 続く...
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マレーシア機捜索が難航する中、高解像度の衛星画像や新型艦船といった中国が増強する軍事力の一端が明らかに。
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