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イクメンという言葉が世間に浸透している。育児を積極的に行う男性だからイクメン。仕事の忙しさに追われ、育児にあまり積極的でなかった僕にとっては耳の痛い言葉だ。2010年に流行語大賞のトップ10に入った言葉らしいから、ここ数年のムーブメントなのだろう。しかし、もっと昔からイクメンだった人物を僕は知っている。時代劇「子連れ狼」の主人公、拝一刀(おがみいっとう)だ。彼こそ、元祖イクメンだと思うのだ(架空の人物だけど)。
> 個人サイト すみましん 子連れ狼とは「子連れ狼」は小池一夫原作の漫画で、テレビドラマや映画にもなっている名作時代劇だ。僕にとってはテレビドラマの「子連れ狼」の印象が強い。乳母車を押す萬屋錦之介さんと変な髪型をした大五郎。ブラウン管から伝わってくる陰鬱とした雰囲気が子どもの頃の僕には怖かった。
なんでこの人は子連れなのか? なんでいつも敵と戦っているのか? 改めて調べてみたら、 「柳生一族の手により妻・薊を失い、遺された息子・大五郎と共にさすらいの旅に出た」 とWikiに概要が載っていた。そうだったのか。つまり、拝一刀は敵討ちと子育てを両立させなければならなかったのだ。やはり、彼こそが元祖イクメンである。 現代版の子連れ狼はこうなる「子連れ狼」の(舞台となった)時代から時は流れ、今、僕たちは平成26年の世を生きている。幸い、柳生一族から命を狙われるようなことはないが、僕たちは生き馬の目を抜く「ビジネス」という戦場に立っている。
ビジネスという戦場で戦う日々
日々発生するトラブルへの対処、最適なソリューションの提案、迫られる売り買いの決断。ビジネスという戦場は常にストレスで溢れている。
そんな現代社会を子連れ狼として生き抜くとしたら、多分こうなる。 現代版・子連れ狼
携帯電話で難しい商談をする男の横には、ベビーカーに乗った大五郎。
詳細を説明しよう。 ベビーカーの詳細を以下番号ごとに説明します
1.ベビーカーまず、現代は「子連れ狼」のような木製の乳母車は使用しない。乳母車はベビーカーという便利な車に進化を遂げている。
今回、現代版の子連れ狼を具現化する為に、ライターの西村さんからベビーカーをお借りした。 ベビーカーを持って西村さんが
西村さんのご自宅までベビーカーを受け取りに行ったら、西村さんが外国人の子どもと一緒にやって来た。西村さんは国際結婚だったのか。奥さんとはどこで知り合ったのだろう。お子さんには日本語で挨拶しても大丈夫なのか。ベビーカーを受け取るまでに色々と聞きたいことが出てきてしまった。
と思っていたら、一緒に出て来たのは西村さんのお子さんではなく、同じマンションに住む別の家の子どもだった。 西村さんのベビーカー
西村さんのお子さんは今8才で、3才くらいまでこのベビーカーを使っていたという。西村さんとお子さんの思い出が詰まったベビーカーだ。大切に使わないといけない。
ベビーカーのたたみ方を教えてくれた
ベビーカーのたたみ方など使い方を教えてもらい、ベビーカーをお預かりした。
これが、現代版子連れ狼のベースとなる。 2.大五郎子連れ狼、というくらいだから子どもの存在はマスト条件だ。西村さんにベビーカーと一緒にお子さんをお借りする訳にもいかず、今回はクマのぬいぐるみを代理に立てることにした。
西友で999円である。 3.武器子連れ狼で拝一刀が使用していた乳母車は、かなりの武装が施されている。
・底には分厚い鉄板が張られている ・手すりや取ってに刃物が仕込まれている ・機関銃を装備 ・防水加工されているので船としての使用も可能 ・冬季は車輪を外してそりをつけることも出来る パッと見は普通の乳母車なのに、中身はまるでボンドカーのようだ。これだけの武装が必要な親子なんてそうはいないだろう。 現代版において、ここまでの武装は必要ないと思われるが、念のためアメリカ生まれのシューティングトイを2丁用意した。 シューティングトイ「ナーフ」
今、子供たちの間で大人気と聞いている「ナーフ」だ。これだったら武器としてだけでなく、子どもをあやす道具にもなりそうだ。ただし、ナーフの対象年齢は8才以上なので、ベビーカーで運ぶような小さいお子さんに持たせてはいけない。
以上がベビーカーの説明である。 つづいて、ベビーカーに備え付けられた旗指物だが、 現代版の旗指物
「子連れ狼」では「子を貸し腕貸しつかまつる」という旗指物を背負っていたが、僕には子を貸すことも腕を貸すことも出来ない。とりあえず、「つかまつる」という文言を旗指物に刻むことにした。「つけまつける」みたいでポップな印象を与えると考えたからだ。僕が何を「つかまつる」のかは、これを見た人がそれぞれに想像していただければ幸いだ。
現代版子連れ狼がいく現代版子連れ狼として歩き始めた途端、前から同士と見られる箱車がやって来た。
歩き出した途端
前から箱車が
すれ違う2人
彼が運んでいたのは何五郎だったのか
もう少し歩きます。
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