寝台特急:「あけぼの」最終列車出発 青森駅で別れ惜しむ

毎日新聞 2014年03月14日 19時55分(最終更新 03月14日 20時02分)

白い正装を着た青森駅長が右手を上げて合図する中、多くのファンに囲まれて出発する寝台特急「あけぼの」=青森駅で2014年3月14日午後6時29分、石灘早紀撮影
白い正装を着た青森駅長が右手を上げて合図する中、多くのファンに囲まれて出発する寝台特急「あけぼの」=青森駅で2014年3月14日午後6時29分、石灘早紀撮影

 JR東日本のダイヤ改正で廃止される寝台特急「あけぼの」(上野−青森)の最終列車が14日夕、青森駅を出発した。1970年に運行を始め、昭和を支えたブルートレインの最後の姿を見ようと、多くのファンが駆け付け、別れを惜しんだ。

 駅構内はカメラを構えた鉄道ファンらで混雑した。見送りのねぶた囃子(はやし)が披露される中、定刻から4分遅れの午後6時27分、伊勢崎誠駅長が右手を上げると列車は汽笛を鳴らして上野駅へ出発。「おつかれさまでした」と記された横断幕を駅員が持って見送り、ファンらの「おつかれさま」の声がホームにこだました。

 最後の乗車となる茨城県牛久市の会社員、平根美紀さん(24)は「幼稚園のころに家族と北海道まで行った思い出の列車。時間の流れがゆったりなのが好きで、私より長く生きた列車がなくなるのは本当にさみしい。きょうはなるべく起きていて、最後を楽しみたい」としんみりしていた。

 あけぼのは、飛行機との競争や車両老朽化、2016年春の北海道新幹線開業などで昨年12月に廃止が発表された。その後、運行日1カ月前に始まるチケット予約には申し込みが殺到。販売開始とほぼ同時に完売となり、ネットオークションでは数万円以上の値が付く状態となっていた。【宮城裕也】

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