やっぱり隣の芝は青い!気になるライバル企業の情報を合法的に手に入れるには
その良い例が、スポーツ用品販売店を経営するModell's Sporting GoodsのCEOミッチェル・モデル氏です。全米11州に150の店舗をもつ同社のCEOは先月、ニュージャージー州にあるライバル社のDick's Sporting Goods店舗内に入って、店長に対して自分はDick's Sporting Goodsのシニア・バイスプレジデントであると伝えたと報道されています。
モデル氏は、店長に会社の機密データを見せるように言いました。この行為が明らかになり、彼はDick's社から訴訟を起こされました。同時に、このニュースはネット上に拡散され、かつて不屈の精神と創造力を発揮していたCEOが名誉を失う危機に直面しています。
当然ながら、モデル氏の例は決して真似すべきものではありませんが、ライバル社をリサーチすることは、誰もが与えられている権利でもあります。特に、小売業、レストラン業の人々は、ライバルのビジネスを理解するために、ライバルの店舗を訪れることがよくあります。小売コンサルティング会社Davidowitz & Associatesの会長ハワード・デヴィドヴィッツ氏は、モデル氏の行為について「こんなやり方は聞いたことがない」とコメントしましたが、彼自身も「調査のために何万というライバル店舗に訪問したことがある」と語っています。
それでは、適切にライバルにアプローチする方法とはどのようなものでしょうか? 簡単にご紹介しましょう。
1. サプライヤー(部品・材料メーカー)に聞く
ライバルと事業がどれほど似ているかにもよりますが、ライバル社とサプライヤーが同じであったり、もしくは現在取引のあるサプライヤーがかつてライバル社と取引をしていた可能性もあります。サプライヤーから直接的なコメントをもらうことは恐らく難しいでしょうが、間接的な質問を投げかけてみると、ライバル企業の事業の状態について、いくらか情報を得られるかもしれません。
2. 顧客に聞く
「新しい顧客を獲得したら、その顧客が以前使っていた商品やサービスは何か、なぜその顧客は自分の会社に乗り換えたのか(なぜ、以前の会社に不満を抱いたのか)を確認しましょう」と英国の競合企業リサーチ会社Awareの取締役アーサー・ヴァイス氏は述べます。「顧客が自分の会社を離れたときも同様です。なぜライバル企業のほうが良いと思ったのかを聞き出しましょう」
3. ライバル企業の人材・採用情報に注目する
ライバル企業が誰を採用しているかだけでなく、現在募集中である人材の情報も確認しましょう。そうすれば、ライバル企業の足りない部分、また次に試みていることについてヒントを得ることができます。
4. 直接聞く
もしかしたら、モデル氏は別人を装うことなく、ただ店内に入ってDick's社について質問をしていれば、今回のような恥ずかしい事態は避けられていたかもしれません。自分の立場を明かすのがためらわれるかもしれませんが、立場を明かしたところで、それがマイナスになるとも限りません。自分たちの店について、ある程度の範囲で語るのを嫌がる人はそれほどいないはずです。
How Not to Learn About a Rival Company |Inc.
Adam Vaccaro(訳:佐藤ゆき)
- あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ
- 鳴霞,千代田情報研究会|飛鳥新社