STAP細胞:理化学研究所の会見一問一答
2014年03月14日
川合 (STAP細胞を)観測した事実は確認している。全部が事実であるかは、最終報告書でないと判定できないが、今は完全にウソかと言えば判定できていない。最終報告書で判定したい。以前のコメントは調査の前で、今より少し楽観的に見ていた面がある。
Q 理研として再現実験への協力は。
竹市 実験プロトコル(手順)の一部を公表しているので、理研とは関係ない人がテストをするのが最適だ。必要ならば、プロトコルをより詳細に提供することを考えている。
Q そもそも今回の論文、世に出る前に不自然な点がないか調査できなかったのか。
川合 科学論文は出版社との間でオープンになるまでは事実は外に漏らさないという契約ある。どれだけの人が検証するかだが、普通は共著者全員が確認するもの。ただ、今回それが成されていたかどうかは言い切れない。
Q チェック体制の見直しを具体的に。
川合 個々の研究者の倫理観をあげていくことしかない。所属長が確認することはやっていきたいが、科学の自由を考えた場合、10人がおかしいと言っても、そこに一つの真理があるかもしれない。科学に多数決はなじまない。不注意はできる限りなくすべきだ。
Q 研究倫理に反するという発言は具体的に何を指すのか。
川合 電気泳動の結果の画像を切り貼りしてくっつけることは、研究者倫理に則ってないという指摘があるし、倫理的に正しくないデータ処理だと考えている。他者の論文を載せたことも倫理に反すると思う。また間違えたもの(画像など)を載せて気付かないというのも、科学者の良識から考えると常道を逸している。
Q 理研の著者3人は論文を撤回するつもりか。
竹市 私は3人が同意したと理解している。
Q 博士論文の画像の転用について小保方さんの説明は。
石井 だいぶ昔に、骨髄由来の血液細胞を使い、このような画像を得ていた。それを間違って使ってしまったという説明だ。
Q そういうことはありえるのか。
石井 客観的にみてかなりレアなケースだ。そこが調査継続中になっていることを理解してほしい。
Q バカンティ・ハーバード大教授は撤回に同意してないのか。
竹市 そう聞いている。
Q 論文を撤回した方がいいと勧めたというのが、なぜか。
竹市 学位論文で使った写真をネイチャーに載せた。これは完全に不適切な図表。論文の体を成しておらず、もはや全体として正しいデータを出していない。撤回した方がいいと判断して勧めた。
Q 理研として、問題を放置したことで、いろいろな疑惑が出たのでは。