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小保方さんら3人 論文取り下げ同意
3月14日 17時08分

小保方さんら3人 論文取り下げ同意
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「STAP細胞」を巡り論文の画像やデータに不自然な点が相次いで指摘されている問題で、理化学研究所は、小保方研究ユニットリーダーなど所属する3人の共同著者が論文の取り下げに同意したことを明らかにしました。

神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループがことし1月、科学雑誌「ネイチャー」に発表したSTAP細胞の論文については、画像やデータに不自然な点が相次いで指摘されています。
理化学研究所は14日、記者会見を行い、その中で野依良治理事長は「今回、信頼を揺るがしかねない事態を起こしたことにおわび申し上げます。論文の制作過程で重大な誤りがあったことは甚だ遺憾です。調査を進め不正と認められた場合は厳正に処分します」と謝罪しました。
また、小保方さんが所属する理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長は「論文の中に信頼性を著しく損ねる誤りが発見され、論文の体をなしていないので速やかに撤回すべきだ」と述べました。
そのうえで、小保方さんなど理化学研究所に所属する論文の中心的な共同著者3人が、取り下げに同意したことを明らかにしました。
3人の共同著者は「論文の不備で混乱をもたらしていることを心よりおわび申し上げます。事態を重く受け止め論文を取り下げる可能性についても著者の間で連絡を取り検討しています」などとするコメントを公表しました。
一方、共同著者の中で、ハーバード大学のバカンティ教授は、取り下げに同意していないということです。
また、会見では研究担当の川合眞紀理事が「これまで確認できた事実から、科学者としての倫理に反するふるまいが多々あったことは事実だ。間違ったデータを使い気が付かないというのは科学者の倫理からすると常道を逸している。研究倫理の欠如は見逃すことができず、風土を改めていく」と述べました。
そのうえで、調査委員会に対して小保方さんが「間違いであった。未熟であったことについて反省している」と話していることを明らかにしました。

論文取り下げは不透明な状況

今回、科学雑誌のネイチャーに掲載された2つの論文には、小保方晴子研究ユニットリーダーをはじめとする14人の研究者が著者として名前を連ねています。
このうちSTAP細胞の作製に当たった小保方晴子研究ユニットリーダー、小保方さんと共同で論文を作成した笹井芳樹副センター長、それに丹羽仁史プロジェクトリーダーの理化学研究所所属の3人の著者については、会見で、論文の撤回に同意していることが明らかにされました。
また小保方さんからSTAP細胞を渡され万能性を調べる実験をしていた山梨大学の若山照彦教授は、STAP細胞が存在するのか確信がなくなったと述べ、著者の中で最初に論文を取り下げるべきとする考えを表明しています。
しかし、STAP細胞のアイディアを出したハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は、「論文に対する質問や懸念は、私たちの発見や結論に影響を与えるものではないと考えている」とコメントし、論文を撤回する必要はないという認識を示しています。
このため著者全員の同意をもって論文の取り下げが行われるかどうかは分からない状況です。

「採用時の調査が不十分だった」

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長は、小保方さんが研究者として未熟だったとする発言が研究所の幹部から相次ぐなか、小保方さんをなぜ採用したのか聞かれ、「STAP細胞の研究にインパクトを感じて採用に至ったが、過去の調査が不十分であったということは非常に深く反省している」と話しました。

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