保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない?
「給付金で得をした!」は、単なる幻想2011年の医療保険新規契約件数1位は
オリックス生命。(「同社HPより」)
「病気やケガで病院にかかれば、多くの費用が必要です。そんなとき、医療保険は心強い味方になります」とは、保険会社がしばしば口にするフレーズだ。確かに、治療、入院、手術といった具合に想定外の出費がかさむため、医療保険から支払われる給付金は助けになるだろう。
中には、「給付金をもらって得をした」と考える人もいるようだが、はたして本当に医療保険はお得なのだろうか?
医療保険では、入院日額で3,000円とか5,000円などの入院給付金が出る。女性特有の病気やガン、特定の生活習慣病で入院すれば、さらに増額されるタイプもある。また、手術を受けたときには手術給付金が支払われることが多い。
しかし、入院や手術をすれば、必ず給付金が受け取れるわけではないのだ。
手術には細かい規定があり、それに含まれないものは給付の対象外となる。入院も治療を目的としていることが前提なので、人間ドックや検査入院、出産では給付金は出ない。そのうえ、1回の入院日数や通算入院日数にも限度が設けられている。つまり、保障されないケースもあるわけだ。
加えて、たとえ給付金を受け取れたとしても、自分が保険料を支払っていることを忘れてはいけない。それまでに支払った総保険料と給付金の額を比べてみれば、たいていは保険料のほうが上回っているはずである。
医療費控除にもデメリット
医療費を支払うことになれば、いつもより負担が大きくなるのは事実。そこで民間の医療保険を頼りにしがちなのだが、じつは日本の公的医療制度は非常に優れた仕組みになっており、節税対策にも使えるのである。
個人の負担が大きくなりすぎないよう、10万円を超える医療費を支払った年は所得税や住民税の控除が受けられる。実際に支払った医療費から10万円を引き、残った分が控除の対象になる。もちろん民間の医療保険に加入していても控除は受けられるものの、給付金を受け取るとその分が差し引かれ、控除される金額が小さくなってしまうのだ。
たとえば、手術を受けて14日間入院し、医療費が30万円だった場合、控除がどうなるか比較してみよう。
主語がない話の聞きづらさ
小笠原隆夫(人事コンサルタント)
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