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「アンネ」の本破った疑い 男を再逮捕
3月14日 9時43分

「アンネ」の本破った疑い 男を再逮捕
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東京都内の図書館や大型書店で「アンネの日記」などの本300冊以上が破られているのが見つかった事件で、警視庁は、別の事件で逮捕されていた東京・小平市の36歳の無職の男が杉並区内の図書館に侵入して本23冊を破ったとして、器物損壊などの疑いで再逮捕しました。
警視庁は、男が一連の事件に関わったとみて捜査を進める方針です。

再逮捕されたのは東京の小平市に住む36歳の無職の男で、警視庁によりますと先月5日、東京・杉並区の南荻窪図書館に侵入し、アンネの日記や関連の本合わせて23冊を破ったとして、器物損壊と建造物侵入の疑いが持たれています。
調べに対し容疑を認め、「ほかの図書館でもやった」と供述しているということです。
一連の事件では、都内の8つの自治体の公立図書館や東京・池袋の大型書店でアンネの日記やアンネ・フランクの伝記などの本合わせて300冊余りが破られているのが見つかっていて、警視庁が防犯カメラの映像を分析した結果、被害があった大型書店で先月22日に同じ男が無断でビラを貼っていたとして、建造物侵入の疑いで逮捕し事情を聞いていました。
その結果、男が図書館で本を破ったことを認め、供述どおり破られた本とみられる紙が見つかったことなどから男を再逮捕しました。
警視庁は男が一連の事件に関わっていたとみていますが、事件の動機に思想的な背景はないとみられています。
一方で、男の言動には不可解な点もあるということで、警視庁は刑事責任が問えるかどうかも調べています。

警視庁 異例の捜査態勢

警視庁は、被害が広い範囲にわたっていることから先月24日、被害が最も多かった杉並区の杉並警察署に捜査本部を設置しました。
凶悪事件を捜査する捜査1課のうち、誘拐や企業恐喝を担当する「特殊班」を専従させ、近隣の警察署からも捜査員を集め、器物損壊事件としては異例の態勢で捜査に乗り出しました。
捜査本部では、破られた本の提出を受けて詳しく鑑定するとともに、被害に遭った図書館や大型書店の防犯カメラの映像を解析して、不審な人物の特定を進めました。
その結果、2冊が破られた池袋の書店で小平市に住む36歳の男が先月、売り場を行き来する様子が写っていたほか、被害が見つかった翌日に、書店内に無断でビラを貼っていたことが分かったということです。
このため警視庁は、男がビラを貼る目的で書店に不法に侵入したとして建造物侵入の疑いで今月7日に逮捕し、一連の事件にも関わった疑いがあるとみて捜査を進めていました。

「組織的犯行でなく安ど」

容疑者が逮捕されたことについて、広島県福山市にある「ホロコースト記念館」の大塚信館長は「事件についてはいろいろな臆測が飛び交っていたが、思想に基づいた組織的な犯行ではないとみられるということで、まずは安どしている。今回の事件で世界の反応は早かったが、日本でも関係者の方が迅速に対応してくれたことに感謝している。きのう、アンネのいとこから『一部の心ない人がしたことだと思うが私たちは多くの人がアンネの平和への願いを深く受け止めていることを理解している。このことを通して友情を壊すのではなく、さらに深めていくことができると確信しています』というメールを受け取ったばかりだったので、これから改めて連絡して安心をさせたい」と話しています。

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